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取り敢えず 何か着る物を・・・

はて?


目の前にピクリともしないキラキラ王子っぽい青年が居るんだけど?


その横には これまたキラキラ王子っぽい少年も居るんだけども?


何故に?・・・


おかしいな、ここ私の部屋・・・って言うか浴室よね?


ん? 待って? 浴室?・・・


しれぇーっと自分の胸元に視線を向ければ・・・


あぁぁ・・・ですよねぇ・・・


うん、一糸纏わぬすっぽんぽーんっ 全裸だよね。当たり前だけど。


状況がまったく掴めないけども。


条件反射って言うのかな、無意識に手にしてた片手桶をブンっと放り投げていた。


わぁ凄いね、人間て咄嗟の時は声よりまず手が出ちゃうんだ。


え?私だけ? いやそんな事はないハズ。きっと皆だと思う、思いたい。


ハハハ・・・


スパコーン っと小気味いい音と共に片手桶はキラキラ王子っぽい青年のオデコにクリーンヒットした。


キラキラ王子っぽい青年は・・・うん、長いね。略そう、略してキラ青年。


センスないな私・・・まぁいいか。


キラ青年は『片手斧』が当たってちょこっとのけぞって硬直が解けたみたい。


慌てて視線を反らせてくれたけど、頬と耳が真っ赤になってるのが解る。


キラ少年は体ごとくるっと向きを変えてくれた、うん ありがとうね。


貴方達は誰? ここは私の部屋(もとい浴室)じゃないの?


なにがどうなって此処にいるの?等々聞きたい事は多々あれど・・・


取り敢えずはまずなにか着る物が欲しい・・・


「 す・・・すまない。その・・・凝視するつもりは無かったんだが・・・ 」


「 そのっ・・・予想外で・・・申し訳ありませんっ 」


そっかぁ、キラキラーズも予想外の事だったんだね?


うんうん、いきなりすっぽんぽんが現れたらそりゃ固まっちゃうよねぇ。


いやそうじゃないよね私。


「あの、取り敢えず何か着る物をおね・・・クシュンッ」


マズイ 湯冷めしたかも?


キラキラーズが差し出してくれた たぶん上着?を受け取ろうと手を伸ばしたら


私の視界がグラッと揺れてそのまま床に倒れ込んで意識を失った。

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