白い変人が出現した!
「やった! やったよ! 流れ星(仮)を受け止めたよ!」
なんかすごい達成感! すっごい偶然だけどな!
でも流れ星(仮)って、意外と小さいんだなぁ。
そんな事を思っていると、手の内にある流れ星(仮)が急に光を発した。
「え? 何? これって光るもんなの!?」
次の瞬間、発した光が大きくなり、思わず僕は目を閉じた。
ж ж ж
光が徐々に収束し、閉じていた目を開けるとそこは下水道でもさっきまでいた草原でもなく、ただ暗い空間が広がっているだけだった。
「いきなり怖っ! なんか出てきそう!」
あ、なんか出てきそうって自分で行ったら余計怖くなってきたよ……。
なにやってんだ僕。
「――やっと来たか。待ちくたびれたぞ」
いきなり、後ろからそんな声が聞こえた。
「……は?」
振り向いて、その姿を確認する。
たぶん、女の人だと思う。長く白い髪に、無駄にヒラヒラした白い服。それになんか神々しいオーラをまとった人がそこにいた。
「えー……どちらさまですか?」
「まぁそれは追々話す。今はわたしがお前をどれだけ待っていたかを話そう」
そんなどーでもいいことより質問に答えて!
「わたしがどれだけ待っていたかというとだな、なんと! マッチでお城が出来てしまうほど待っていたのだ!」
うわ、すっごくどーでもいい。てか得意げにそのお城見せるのはやめて!
無駄に完成度高いから何故か罪悪感を感じてしまう!
「なんか……すんません」
「いやいや、気にすんな。だってお前、ドン臭そうだしな(笑)」
この野郎……!
「まぁいいや。んじゃ、質問にでも答えてやるとするか。本題も含めてな」
「はぁ……」
本題? まぁ「待っていた」というのだから、理由はあるだろう。
というか、マンホールからここに来たのはコイツの仕業なのか?
「うーんとな、簡潔に言うとお前に世界を救ってほしいんだわ。あ、地球じゃねーぞ。ちゃんとした異世界だからな。そこらへんは安心しろ」
「!!」
みなさん、やりました! 1○年間毎日思い続けた僕の夢が! 今! ここで! 叶いましたーっ!!
「おい、話聞いてるか?」
「あ、はい。聞いてます聞いてます」
って、浮かれてる場合じゃない。ちゃんと説明は聞かないとね!
「ならいい。んでな、っとその前に紹介だな。わたしは月守護というんだ。まぁ“月”を守るための職業だな。漢字はお月様の“月”に守銭奴の“守”、護身用のスタンガンの“ス”……じゃなくて“護”だ。文章にして覚えるなら、“月”の女神のように美しいわたしは自分を“守”るため、常に“護”身用のスタンガンを携帯している、っといった感じだな」
死んでしまえ。
「そんでな、その異世界では全ての物をつくりだす“創造主”ってのがいるんよ。んでその“創造主”
の力はな、12億年に一回暴走するんだよね。普通ならその暴走を抑える“月”があるんだけどー、今年の暴走は異常に大きくてな。“月”がね――砕けちゃったんだ(笑)」
「……へ、へぇ。それは……ご愁傷さまです?」
てか(笑)って何!? アンタ月を守る職業なんじゃないの!? 思いっきり楽しんでんじゃん!!
「何その反応ー。超人事じゃねーか」
「だって……ねぇ?」
突拍子もないじゃん。
「ま、人事だと思ってくれてもいいけどな。どっちにしろ後悔すんの、お前だし」
まじでか。というか僕にそれ関係あるの?
「んで、ここからが本題。お前にはその砕けた月のかけらをな、探してほしいんだわ」
なんだよ……それ。そんな、そんな3次元ではありえないことを言われたら、僕は……僕は。
――とってもwktkしちゃうじゃないか!!