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有料化

 バス血湯のお湯をためていた鍋が壊れた。地獄からの借り物だけに、修理するにはお金がかかる。

「入湯税をとろう。」

 学校の予算を統括する役人たちが、「カツカツ」とうるさい騒ぐので、入浴を有料になるという噂が流れた。


「我らの自由の象徴を守るのだ!」

 バス血湯に学生たちは集結し、バリケードを築いた。手にはプラカードがかかげられている。

「Free」


「大変です。学生たちがバス血湯風呂場でフリーと叫んでおります。」

 天使組の教師の一人が卑弥呼の部屋に駆け込んできた。

「今、仏の客がお見えじゃ。後にできぬか。どのみち鍋が無くては入ることもできまい。」

「鍋とは?」

 客は扇で顔を隠しながら尋ねた。

「Panのことです。」

 教師が答えた。

「あら、PanがなければCakeにしたら?」


 カケにせよ


 お告げを聞いた人々は困った。そこへ一人の技術者がやってきた。

「そのテルマエ、私が造りましょう。」

 配管を上に持ち上げると、湯を落とすようにした。


「掛け流し」


 客は成り行きを満足そうに眺めた。

「ケーキは無いの?」

「おはぎならありますが。」

 客は、教師が持ってきた茶色い塊を見て、顔をしかめた。

「マリー、あんこはちょっとね。」

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