番外編1(ヴィリとエルメンヒルデ)
~ヴィリとエルメンヒルデの日常~
※会話劇です。
ヴィリ「お嬢はきれいなもの好きじゃないですか。」
エル「そうよ? 突然どうしたの。」
ヴィリ「一番がフィーネ様ですよね?」
エル「ええ。お母様が一番おきれいだわ。」
ヴィリ「ユストゥスは一番じゃないんです?」
エル「ああ、そうね。ユストゥス様は、なんというか……別次元?」
ヴィリ「あー、まあ、わかります。」
エル「よかったわ。」
ヴィリ「じゃあハルトヴィヒ様は?」
エル「んー、ハルト様は、順位づけられるものではないわね。婚約者ですもの。」
ヴィリ「まあ、なんかわかります。」
エル「そう? ならよかったわ。」
ヴィリ「ん? じゃあ二番目って誰です?」
エル「二番目? そうね……………考えたことなかったわ。」
ヴィリ「そう、ですか。まあ、なんか矛盾してるけどわかります。」
エル「あら、わかってくれたの?」
ヴィリ「まあ。……じゃあ、俺はなんで側に置いてるんで?」
エル「ヴィリ? なんでと、言われても……。」
ヴィリ「あとディルク。」
エル「あら、肉体美よ。ディルクの筋肉は、無駄がなく隙がなくてきれいだわ?」
ヴィリ「へえ……。」
エル「ね。」
ヴィリ「じゃあ、俺は?」
エル「……やけにこだわるわね。」
ヴィリ「二話で、『目つきが悪い』って言われてたし。」
エル「あら、切れ長の鋭い目でいいじゃない。」
ヴィリ「え、そうですか?」
エル「そうよ。」
ヴィリ「え、ほかには?」
エル「え。」
ヴィリ「え?」
エル「…………考えておくわ。」
ヴィリ「……………心折れる前にお願いします。」
(ヴィリのいいところいっぱいあるけど、いつも軽口を言い合う仲なので、言葉にするのはなんだか気恥ずかしいエルメンヒルデでした。)




