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七十話

「それで?これから私はどうなるんでしょうか?」

ラーシャは前に座っているブラハムに問いかける。

「貴方には、騎士と共に鍛錬に励んでもらいます」

「私が騎士と?」

「はい。貴方はよいご友人を得られましたね」

そう言ってブラハムは笑っている。

王家に伝手を持つ人物といえば、リーシアぐらいしか思いつかない。

「借りが出来てしまったわね」

「そう思われるなら必死に己を鍛えればいいんですよ」

どうやら目の前にいる騎士は脳筋らしい。

まぁ、自分も難しいことを考えるより体を動かしている方が好きだ。




馬車が止まった場所は騎士団の詰め所だった。

馬車を降りれば凛々しい女騎士が立っていた。

「お待ちしてました。見習い騎士のシェルと申します」

「お世話になります」

「今、宿舎にご案内します」

シェルはそう言って歩き出す。

ラーシャはブラハムにお辞儀をしてからその後を追いかけた。

シェルが連れてきたのは詰め所の中でも奥の方だった。

「遠くてすみません。でも、安心してくださいね。この区画は男性の立ち入りは禁止ですから」

どうやら騎士団には女性専用の区画が存在するようだ。

「こちらをお使いください」

部屋の中に入ると狭いが1人部屋のようだ。

ベッドと机があるだけで、殺風景ではあるが悪くない。

「お世話になります」

「次は食堂にご案内しますね」

シェルは明るくそう言ってくる。

「お願いします」

シェルの案内で元来た道を戻る。

がやがやと騒がしい。

時刻は昼時であり、多くの人が食事をとっていた。

「お腹は空いていますか?」

「はい。お恥ずかしながら」

「騎士団の食事は味はイマイチですけど好きなだけ食べられるのが美点ですね」

「味の改良はしないんですか?」

「戦場でいつも美味しいご飯が食べられるわけではないですから・・・」

「なるほど・・・」

確かに迷宮に潜っている時とかは、食事に制限がかかっていた。

それはエリートである騎士でも同じということだろう。

「さぁさぁ。私達も食べましょう」

ラーシャはバランスよく選んだのだが、シェルのお皿には蒸かしたジャガイモがこれでもかと載っていた。

「お芋、好きなんですか?」

「えぇ。一番外れがないですし」

2人で食事を食べる。

なるほど。

確かに味はイマイチだ。

でも、食べられないほどではない。

シェルは食べたりなかったのか、おかわりにいっていた。

「ラーシャさんも、もっと食べないとダメですよ。体を作るのもお仕事のうちです」

そう言われて、ラーシャもおかわりのために席を立った。

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