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第七話

エルシュタイン公爵家の成り立ちは王国建国時まで遡る。

初代当主フランチェスカ・フーゲル・エルシュタインは建国王であるハイネル・シェード・カルマインの実妹であった。

フランチェスカは武に優れ魔法の適正も高く全ての属性の魔法を高いレベルで操ったと言われている。

また、内政においてもその手腕は発揮され民からも慕われていた。

エルシュタイン公爵家は王家の血筋が途絶えた際、代替え王家としての性質も併せ持っている。

その為、王家に対しても強い発言力を持っていることがわかる。

現在の当主はイーリッヒ・フーゲル・エルシュタイン。

イーリッヒは歴代の当主達と比べても遜色なくカルマイン王国随一の魔法の腕と武の腕を持ち内政にも力を入れている。

実際、イーリッヒの代になってから様々な政策を実地して成功に導いており公爵家の地位を盤石なものとしているようだ。

イーリッヒの妻であるリーゼロット・フーゲル・エルシュタインは代々宰相を輩出するマルセン公爵家の出でイーリッヒの仕事を手伝っているようだ。

そんな二人が愛してやまないのがリーシア・フーゲル・エルシュタインということになる。

情報を仕入れてみてわかったがこれはまずい。

そんな出来る両親が英才教育を施していないはずがない。

なのに自分にはその知識が欠如している。

どうしたらいい?

体調が悪いといって時間を稼ぐことは可能だろう。

とにかく本を読み漁り可能な限り知識を詰め込むしかないか?

付け焼刃でどこまでいけるかはわからないが幸い職業柄本を読むのは得意な方だ。

そうと決めたら徹底的にやってやろう。

決意を新たに鈴を鳴らす。

鈴の音を聞きつけてセバスチャンがすぐに現れる。

「お嬢様。お呼びでしょうか」

「私が読むべき本を片っ端から持ってきてくれないかしら」

「全てでございますか?」

「えぇ。全てよ」

「かしこまりました」

セバスチャンは余計な詮索はせず一礼すると本を取りに去っていった。

心なしかセバスチャンの背が弾んで見える。

その理由は入れ替わる前のリーシアは勉強嫌いで我儘ばかり。

高名な教師を雇い入れても何かしら理由をつけては首にしていたのである。

どういう風の吹き回しかはわからないがこれはチャンスである。

このままいけばリーシアがエルシュタイン家の当主になるのは確定だがリーシアが当主になれば栄光あるエルシュタイン公爵家が傾くのは必至。

イーリッヒとリーゼロットはリーシアにどこまでも甘く嫌がることはさせなくてもいいかと思っており優秀な婿を迎え入れればいいと考えていたのである。

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