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第五十二話

エルダートレントが倒れると魔物達の統率が乱れた。

とはいえ、まだ危機的状況を脱したわけではない。

リーシアはすぐさまラーシャとアリスの援護に走る。

ミリスは腰につけたポシェットから魔力回復薬を取り出して服用する。

連係の乱れた魔物は瞬く間に殲滅された。

「はぁ・・・。一時はどうなるかと思ったわ」

「皆無事でよかった」

「それにしてもあの強いトレントは何だったのかしら」

「とにかく安全地帯まではもう少しのはずだし進んでしましょう」

リーシア達は警戒しつつも迷宮主の前の安全地帯を目指した。

散発的に魔物と遭遇するが脅威になることはなく目標の安全地帯に到着する。

「はぁ。疲れた」

「休む前に食事ね」

手慣れた手つきでマジックバックから食料を取り出し即席のスープを作り固いパンをかじる。

屋敷では料理人が手の込んだ料理を作ってくれるので味気無さを感じるが贅沢は言ってられない。

腹が満たされれば睡魔が襲ってくるものでまだ余裕のあるリーシアが見張りをして3人は仮眠をとる。

数時間が経ち3人が起きてくるとリーシアは毛布に包まって寝息をたてはじめた。

「それにしてもリーシアには驚かされるわね」

ラーシャとアリスは見ていなかったがあの状況から抜け出すためにリーシアが何かをしたことは感じ取っていた。

「そんなに凄かったの?」

「あっという間に火達磨にして蹴散らしてたわ」

「ふ~ん。何にしろ味方が強いって言うのはいいことだね」

ラーシャは気楽に答えているが焦りを感じていた。

同じように冒険者学校で訓練をして人一倍技術を磨いたつもりだった。

前衛としてリーシアにひけを取らないつもりでいたが実戦を通して感じ取るのはリーシアの規格外の強さだ。

もしも、リーシアがいなければ自分達は試練の洞窟で骸を晒していたかもしれない。

「二人とも考えても意味ないよ?出来ることをするしかないわ」

珍しく二人を諭すのはアリスだ。

ラーシャとミリスはアリスが試練の洞窟の失敗から夜遅くまで努力している姿を知っている。

取り寄せたダンジョンの情報を読みこみまとめパーティーの安全を図ってくれている。

二人も自分に出来ることはしていたが足手纏いではないかとさえ思ってしまう。

「リーシアは確かに凄いわ。でも、世間知らずなお嬢様であることには変わりないわ」

「それもそうね」

日常生活でリーシアはいくつも失敗をしていた。

それは何でもしてもらえるお嬢様だからというよりは男だった感性からくることなのだが3人はそのことには気づいていなかった。

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