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第三十話

冒険者学校で待っていたのは体力錬成という名の地獄だった。

朝から夕方まで走り込みをさせられ少しでも余裕があれば負荷をかけるために重りがどんどん追加されていく。

そして次の日は肉体を休めるために座学が待っていた。

正直、昨日の訓練がきつすぎてほとんどの者が眠気をこらえている。

厳しいとは聞いていたけどここまで厳しいとは思っていなかった。

冷静に考えればわかることだが他の冒険者が長期間かけて経験を積むのに対して短期間でその期間を短縮するのだ厳しくないわけがなかった。

2週間程経ち体力がついてくると他の部位を鍛えるためだろう筋トレと素振りが追加された。

そしてさらに2週間経ち訓練生同士の模擬戦と魔法の鍛錬が中心となっていった。

リーシアは事前に準備をしていたこともあり訓練生同士の模擬戦では無敗だ。

これはリーシアが習ったエルシュタイン家の剣術が優れているという証明でもあった。

天狗にさせないためだろう。

リーシアの相手は教官が務めるようになりボコボコにされたが得るものは大きかった。

リーシアは魔法の鍛錬でもずば抜けた成績を残している。

教官達の評価は高く頭一つ抜けた存在であるリーシアをより可愛がってくれた。

そして2週間が経ち訓練場に手足を縛られたゴブリン達が用意された。

訓練生には武器が配られゴブリンを殺せと指示がだされた。

だが、人に近い生物を殺すのは中々に難しい。

手が震え嘔吐するものまで出る始末である。

ここで嬉々として殺しまくるような奴は問題だがゴブリンを殺せないというのも問題だ。

無抵抗のゴブリンを殺せなければいざ対峙した時に自分が殺されるということだ。

リーシアも震える手に力を入れて喉を一突きした。

この時の感覚は一生忘れないだろうと思ったがひたすらに繰り返すことによって感覚は麻痺していった。

これは人間の怖いところで慣れるということなのだ。

そしてゴブリンを殺し続けたことで変化もあった。

それは明らかに身体能力が上がったことだ。

教官達の話では魔力を持った生物を殺すとその魔力が吸収され各種能力が上がるということだ。

数値化出来ないがそのことをレベルが上がると言うらしい。

内心、ゲームや小説の世界かよっと思ったがそれ以外に良い言葉が思いつかないのも事実だった。

こうしてパワーレベリングが1か月行われ最後の1か月が訪れた。

最後の1か月は訓練生同士でパーティーを組み近くの森で薬草の採取や魔物の討伐を行うというものだった。

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