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第十七話

体がじんわりとしてくる。

お腹のあたりが熱い・・・。

頭もなんだかふわふわしている。

セルゲンは何かあったら気軽にと言っていたけれどこの状態で男性の元に行くのは危険な気がする。

どうしたものかと靄のかかった思考で考える。

手は無意識にお腹のあたりをさすっていた。

ぼーっとしていると突然肩を揺さぶられ正気に戻る。

「リーシアちゃん。リーシアちゃん」

「ふぇ?お母様・・・?」

「はぁ~。念の為に見に来てよかったわ。その症状は魔力欠乏症ね」

「魔力欠乏症?」

「基本的には魔力を限界まで使った時に現れる症状なのだけど稀に未熟な魔法使いにも表れるのよ」

「そうなんですね」

「解消方法はいくつかあるけれどこれを飲むといいわ」

そういって手渡されたのは白い液体の入った瓶だった。

なんだかドロドロしている。

意を決して飲んでみる。

「あれ?美味しい・・・。というかヨーグルト?」

白いドロドロした液体の正体はヨーグルトだった。

「ベースはヨーグルトね。それに特殊な加工を施したものなの」

ヨーグルトを飲み終わりしばらくすると先ほどまでの体調の変化は嘘のように治まっていた。

「体調は戻ったようね。いくつか渡しておくから少しでも体調がおかしいと思ったら飲むのよ」

そう言ってリーゼロットは去っていった。

体調が戻ったところでベッドに横になる。

思っていた以上に疲れていたのかすぐに眠りに落ちるのだった。

翌日、鳥のさえずる声で目が覚める。

体調を確認してみればいつも以上にスッキリとしており体調が良いぐらいだ。

リーシアは気付いていないがこれは魔力の通り道が良くなったことで体の各機能に補助がかかっている。

現在は無意識による補助だが意識的に利用するのが身体強化の魔法である。

極めると無意識でも常人の身体強化と同じレベルで体を動かすことが可能だったりする。

身体強化は魔法の中では基礎的な魔法として扱われ魔法を使う者が優れた武術を身に着けていることが多いのはこういった理由によるものだ。

リーシアは鈴を鳴らしメイドを呼んで着替えや身支度を済ませ散歩に出かけることにする。

とにかくこの城は広い。

今いる上層から庭に出る為に歩くだけでもいい運動になる。

中庭に出ると見事な庭園が広がっている。

季節の花がバランスよく配置され甘い花の香が漂っている。

中央にはドーム状の休憩スペースが設けられておりそこに腰掛ける。

リーシアの存在に気付いたメイドが紅茶を入れてくれる。

小鳥のさえずりに時折通り抜ける風が心地よかった。

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