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第十六話

まずは少量の水を生み出す。

それを保持しながらイメージするのは銃弾だ。

水を回転させ空気を突き進んでいく場面を思い浮かべる。

イメージを固め水を撃ちだす。

水はイメージ通り回転しながら的に向かっていく。

リーシアの放った水弾は的の端に当たり貫通していた。

演習場に設置されている的は特殊な製法で作られておりちょっとやそっとの魔法では傷をつけるのも困難だ。

それを貫通させたリーシアの水弾は桁外れの威力であることを物語っていた。

「むぅ~。外してしまいました」

そうとは知らないリーシアは不満顔だ。

「いやいや、その威力はおかしいから」

思わずセルゲンは突っ込んでしまう。

「そうですか?」

リーシアとしては的を外してしまったし小さな穴しか開けられず実戦で使うにはまだまだだと思っていたのである。

「普通は初級魔法でこの的壊せないからね」

セルゲンに説明されてリーシアも事態をようやく理解する。

「お父様に怒られないかしら」

「確かに高価なものだけど大丈夫じゃないかな。僕はこのことを説明してくるからリーシアさんは練習を続けてて」

そう言ってセルゲンは走り去ってしまった。

一人残されたリーシアは水弾の練習を続ける。

的を穴だらけにしながらではあるが少しずつ的の中心に近づいていく。

どれぐらい撃ったのかわからなくなった頃、的の中心に当てることに成功した。

いつからいたのかはわからないが父親であるイーリッヒが話しかけてくる。

「途中から見ていたがこれは凄いな」

「お父様。すみません。的を壊してしまいました」

「いやいや。的なんていくら壊してもいいんだよ。リーシアがここまで凄い魔法を使えるとは!我が家の誇りだ」

まだ初級の水弾を使えるようになったばかりなのだがイーリッヒの中では凄い魔法使いと脳内変換されているらしい。

「いやぁ。目を少し離しただけで的がここまでなるとは・・・。リーシアさん。体調に変化はない?」

セルゲンに言われて体調を確認してみるが特にこれといったことはなかった。

「いえ。特に変化はないようです」

「そっか。リーシアさんは魔力量も高いんだね」

初級とはいえこれほど連発すると普通は魔力が持たなくて疲労感などといった体調変化が起こるものらしい。

「今日はこれぐらいにしときましょうか。何かあったら気軽にいってください」

「わかったわ」

結果としてここで練習を切り上げて正解だったようだ。

お風呂に入り自室のベッドに腰掛けると体の奥のほうに熱を感じた。

はじめての感覚に戸惑うリーシアなのだった。

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