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第十四話

水晶に手をかざしてみる。

すると体内から何かが吸い取られる感じがする。

これが魔力ということなのだろう。

吸い取られる量はセルゲンが言う通り少しずつで体調が悪くなるといったことはないようだ。

「魔法はイメージが大切です。何も考えていない今は無属性の魔力が吸い取られています。水を思い浮かべてみてください」

セルゲンの言う通り水を思い浮かべてみる。

すると水晶の色が水色に変化する。

「これでいいのかしら」

「えぇ。上手にできていますよ。次は火を思い浮かべてみましょうか」

今度は火を思い浮かべてみる。

すると水晶が赤い色に変化する。

自分の思い浮かべた通りに水晶が変化するのは面白い。

「楽しそうですね。その気持ちはわかりますよ。僕も魔法を習い始めた頃は楽しくてしかたなかったですから」

「その言い方だと今は楽しくないのですか?」

「僕のことを周囲は天才だといいます。ですが、周囲の期待に応え続けるのは大変なことなんですよ」

セルゲンは結果を示し続けてきた。

だが、天才には天才なりの苦悩というものがあるらしい。

「僕のことは置いといて次は土をイメージしてみてください」

言われた通りに思い浮かべると水晶が茶色に変化する。

「いい調子ですね。では次は風を思い浮かべてみてください」

言われた通りにすると水晶が碧色に変化した。

「これで基本4属性は大丈夫ですね。僕には無理ですが他の属性も試してみましょう」

「はい」

雷や光、闇といった属性を思い浮かべてみる。

水晶は次々と色を変化させた。

「こうも色々な変化を見せつけられると少し嫉妬してしまいますね」

そういうセルゲンの顔は少し寂しそうだった。

隣の芝生は青く見えるというがセルゲンもそんな感じなのだろう。

「その水晶は差し上げますから出来るだけ毎日続けてください。魔力を外に放出する訓練になりますから」

「わかりました」

「それでは先生として少し頑張ってみましょうかね。見ていてください」

そう言ってセルゲンは自然体で目の前に水を出して見せる。

そのまま見続けると水は様々な形をとりはじめた。

簡単な数字の変化から様々な動物の形などセルゲンの操る水は変幻自在だ。

「凄い・・・」

「あはは。これは手品のようなものですけどイメージの練習にはもってこいです。リーシアさんも努力次第ではこういったことも可能ですよ」

今は初歩的な訓練をしている段階だ。

でもセルゲンの見せてくれた技能を見れば魔法には無限の可能性を感じる。

自分もいつかは・・・。

リーシアはそう思うのだった。

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