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No,7歓迎会とみんなが集まった理由

作《すみません。今回は長めです。最後まで読んでくれると嬉しいです》

お~し、みんな。ジュースは行き渡ったか?」

 龍は片手にジュースが入った紙コップを持ち、周りを見回した。

「全員に渡ったみたいだよ」

 少しやせ気味の少年が確認した。

「おし、それじゃあ。これから、新一年生、宇羅夜音葉うらやおとはと転校生の井上渚の歓迎会を始める。それじゃあ、乾杯の音頭を大河がやってくれ」

「あいよ」

 俺は龍に指名され立ち上がった。

「それじゃあ、いきなりの歓迎会だけど乾杯っ!」

「「「「「「「「乾杯っ!」」」」」」」

 みんなは一気にジュースを飲みほした。

「それじゃあ、とりあえず大河が作った料理を食べ始めてくれ」

「「「待ってましたっ!」」」

 龍の合図のを元に、揚羽と鈴と筋肉質の少年が一気に料理を食べ始めた。

「優燈。音葉に料理を取ってやってくれ。それと、龍は渚に取ってくれ」

 俺は座りながら、優燈と龍に支持をし、自分も食べ始めた。

「わかった」

「まかされた」

 優燈と龍はそれぞれの皿に料理を運び、渚と音葉に渡した。

「ありがとう」

「あ、ありがとうございます」

 渚と音葉は皿を受け取り、お礼を言ってきた。

「お礼はいいから早く食べろって」

 龍は二人に促した。

「大河の料理はとてもおいしいよ」

 優燈もそれに便乗する。

「そういえば、帰る時も鈴がそう言うことを言っていたな。それでは早速、頂くとしよう」

 渚は早速、一口食べ始めた。

「む、これは。おいしいな」

 渚は気にいってくれたらしい。

「素材の味をきちんと出しているし、塩加減もちょうどいい。すごいぞ。大河。こんなにおいしいのは初めてだ」

「そりゃあ、どうも」

 俺は料理をつまみながら食べていた。

「大河さん。このピザみたいなものはジャガイモですか?」

 音葉は正しい姿勢で料理を食べながら聞いてきた。

「お、よくわかったな。今日、鈴が野菜を持ってきてくれた時に、ジャガイモが大量にあったから作ってみたんだ」

 初めての挑戦だから味は保証しないけどな。

「おもしろい料理ですね。後で作り方を教えてくれませんか?」

「ああ、いいぜ」

 どうやら、味は問題なさそうだな。

 そして、みんなして料理を食べることに集中し始めた。

 

 それからしばらく時間が経ち、みんなは大量にあった料理を食べきったので、デザートのピーチパイを食べ始めていた。

「しかし、相変わらず。大河の料理はうまいな」

 筋肉質の少年がピーチパイを食べながら言ってきた。

「男が褒めても何も出ないよ。剛」

 俺は筋肉質の少年に残っているピーチパイを渡した。

「出てるじゃねーかよっ!」

 筋肉質の少年は見事にツッコミを入れてくれた。

 この筋肉質の少年は江川剛えがわつよしと言って、説明するのがめんどくさいので、ただの筋肉バカといっておこう。

「しかし、本当によくこんなに作れるよね。もう本格的に始めたらどうなの?」

 痩せ気味の少年も言ってくる。

 そして、この痩せ気味の少年は瀬詩透せしとおると言って、いたって普通の少年。

「めんどくさいから却下」

 俺はコップにジュースを注ぎ飲み始めた。

「そうだよ。大河は私の主夫になるんだから、そんなしている暇はないんだよ」

 優燈は話に混じりながら俺に後ろから抱きついてきた。

「いや、主夫にもなる気もないし」

 つか、まだ喰っている最中なんだから抱きついてくるなよ。

「じゃあ、私が大河の主婦になって作ってあげるよ」

 優燈は俺の首に頬刷りをしてくる。

「全力でお断りさせていだだきます」

 俺はすぐに断った。

「あはは、相変わらずお前らは仲がいいな」

 龍は面白がって見物をしていた。

「ん?相変わらずって、お前らって昔から一緒にいたのか?」

 渚は頬にクリームを付けながら聞いてくる。

 クリーム拭けよ。

でも、あえて俺は何も言わなかった。

「うん。そうだよ。私と龍と大ちゃんは幼稚園から遊んでいて」

 鈴がピーチパイを頬張りながら俺の代わりに答えてくれた。

「おい、鈴。行儀が悪いぞ」

 俺は鈴に注意をした。

「それで、私と優燈が小学校からだな。つか、大河。お前のピーチパイを貰うぞ」

 次に揚羽が俺のピーチパイを奪いながら言葉を繋ぎ。

 いや、とんなよ。

「そんで、俺と透が中学の一年の頃からだな」

 最後に剛が締めてくれた。

「先輩たちは仲がよろしいんですね。ところで先輩たちはどういった感じで出会ったんですか?」

 音葉は興味深々で聞いてきた。

「いや、僕らは出会ったというよりは大河のもとに集まったって言った方がいいのかな?」

 透は苦笑いをしながら反してきた。

「ん?それはどういことだ?」

 渚は不思議そうに聞いてきた。

「ここにいるメンバーは全員が大ちゃんに助けて貰っているの」

 鈴は丸々一個あったピーチパイを食べ終わり話に加わってきた。

「???」

 渚と音葉はますます不思議そうな顔をした。

「まあ、簡単に言ってしまえば、ここにいる奴らは、一回は必ず大河に助けられている奴らが集まっているんだ」

 揚羽は簡単に話をまとめてくれた。

「引きこもっていた者。リンチされていた者。クラスメイトから苛められていた者。親に暴力をふるわれていた者。家族がいなくなった者。ここにはいる奴らは全員そういう事情があったのが集まっているんだ。あ、ちなみに私は、本気でやられる相手がいなくなった時だったな」

 揚羽はしみじみと言った。

「でも、そんな時にこの大河ばかが現れたんだよな」

 龍が笑いながら俺の頭を叩いてきた。

 バカって言うなよ。つか、頭を叩くな。

「え、琥牙先輩がですか?」

「ああ、そうだったな。こいつときたら、俺と敵対していたのにも関わらず、俺が他校の奴らに殺されかけた時に助けにきたしな」

 剛は懐かしそうに笑っていた。

「剛はまだいいよ。僕の時なんて、いきなり部屋に来て無理やり外に連れ出されたんだよだったけどね」

 透はまたもや苦笑いをした。

「私の時は虐めが原因で飛び降りをしようとした時に声をかけられた」

 優燈は抱きつくのを止め俺の隣に座り、俺の肩に顔を寄りかけてきた。

「私はね、私が落ち込んでいる時にずっと側にいてくれたよ」

 鈴は髪留めを鳴らしながら嬉しそうだった。

「俺の時なんて、俺が家族に殴られそうになった時に、逆に親を殴っていたぞ。そん時、こいつ、親の権力使って『そんなに力を余しているなら僕の親の会社で雇ってやるよ』って言ったんだぜ」

 龍は面白そうに言ってきた。

どんなガキだったんだよ。俺は?

「俺と同じぐらいの少年が俺の親父どもを殴ったんだから、俺は思わずバカらしくなったよ」

「すごい子供時代を過ごしていたんだな。お前は」

 渚は尊敬するように俺を見てきた。

 ああ、そんな目で俺を見ないでくれ。

「それで、揚羽先輩はどうやって出会ったんですか?」

 音葉は揚羽の方を見て聞いてきた。

 ん?ていうか。いつ自己紹介したんだろう?

「ん?私か?私は本気で戦えるものがいなくなったので、飢えを満たす為に手当たり次第、いろんな奴にケンカをふっかけていたんだ」

「え?」

 揚羽の思いがけない一言に、音葉は思わず固まってしまった。

「でも、何十人何百人倒した所で飢えは満たされることはなかった。それで、そうゆうことにも飽きてきたし次に戦った奴で最後にしようと思っていたんだが、そん時、現れていたのが」

「大河だったということか」

 渚は納得しながら俺の名を出した。

「そうゆうこと。いや~、あの時は楽しかった。久々に本気を出した戦いができたんだから」

「俺は全然楽しくなかったけどね」

 殺されかけたし。俺って、よく姉さんと戦って生きているよね。っていたっ!

 俺がそんなことを思っていると揚羽に殴られた。

「それで、どっちが勝ったんですか?」

 音葉は興味を持ちながら聞いてくる。

「う~ん、そこら辺は興奮しすぎて覚えていないんだが。聞いた話じゃ、どちらとも公園に倒れていたそうだ」

 揚羽は俺をチラチラと悪戯いたずらをしていそうな目線で見てきた。

 嘘だ。あの目は絶対に覚えている時の目だ。

「う~んと、先輩たちと琥牙先輩たちの事情は解りましたが、なんで皆さんは琥牙先輩のところに集まろうとしたんですか?」

 音葉は本題を口に出した。

「そ、そういえばその部分をきちんと話していないぞ」

 渚も同意してきた。

「集まった理由ね~。大河。お前自身が説明したら?」

 龍が俺に話を振ってきた。

「え?俺はお前らがいいなら話してもいいけど」

 説明するの簡単だし。

「俺はいいぞ」

 龍がいうとみんなも頷いた。

「それじゃあ話すか」

「ああ、頼む」

「お願いします」

 渚と音葉は真剣に聞いてきた。

「俺はただ単に仲間にならないかもしくは友達になろうって誘っただけだぞ」

 俺はさらりと真実を二人に告げた。

「え?」

「たったそれだけ」

 二人なぎさとおとはは呆気にとられた。

「うん。たったそれだけ」

 あ、でも、姉さんの場合は自分からだったし、鈴は家族、優燈は守ってやるっていったんだっけな。

「「「「「「あははははははははは」」」」」

 俺がそう答えると二人以外のみんなが突如、笑いだした。

「そういえば、俺らってそんな大河の他愛もない一言で集まったんだよな」

「でも、その大ちゃんの一言があったからこそ私たちが集まることができたんだよ」

「鈴に同意見。大河がいなかったら私はもうここにはいない筈だった」

「そのところは大河に感謝だな」

 みんなして面白がっていた。

「さて、料理も食べたことだし、意味がないと思うけど、そろそろ自己紹介をしていくか」

 龍が背伸びをしながら提案してきた。

「そんで、その後にゲームをしよう」

「「「「「「「「賛成っ!」」」」」」」」

 みんなが頷いた。

「それじゃあ、とりあえず音葉からしていってくれ」

「はい。わかりました」

 音葉は立ち上がり自分の自己紹介をし始めた。

 それから、音葉に続いて渚も自己紹介していき、その次にみんなも渚と音葉に自己紹介をしていった。そして、その後、時間が許す限りみんなでゲームを楽しんでいた。


次回予告

作《次回は歓迎会も終わり。いよいよ、優燈との睡眠があるよ》

大《うわ~、嫌な予感がしてきた》

よかったじゃん

大《よくね~よ!!。前から思っていたんだがこの小説って俺にすんげ~厳しいじゃん》

作《キノセイジャナイ?》

大《うわー、その棒読みすんげームカツク》

作《うるさいな。そんだったら優燈と寝るとき揚羽も乱入されるぞ》

大《すみません。俺が悪かったです》

作《それじゃあ、次回もお楽しみに》

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