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揚羽ルート エピローグ

最終回です。

それから、いくつかの年月が流れた。

 俺達は高校を卒業し、それぞれの道を進んだ。

 男性陣は、龍は大学に行き、卒業後、何故か俺の父親がやっている会社に就職。剛は何故かボクシングをやって、透はゲームクリエータ。直斗は情報屋としてみんなしてそれぞれ楽しんでいるようだ。

 女性陣は、優燈は高校の頃に書いていた小説を応募し、みごと出版。今も小説を書きながらのんびり過ごしている。鈴は子供好きもあって保育士になり、毎日、子供たちと遊んでいる。渚はなぜか、高校卒業後、武者修行をしてくるといい世界を周りながら旅をしている。まあ、一ヶ月に一回は帰ってくるので大丈夫だろう。音葉は薬作りに興味が出てきたのか医療関係の大学に行き、大学院で薬の開発に勤めている。

 このメンバーたちとは今でも一ヶ月に一回は集まって、みんなでわいわいと楽しんでいる。

 それから俺と揚羽はというと、俺は大学を卒業後、何故か学園の事務員をやっていた。何故かと言うと煉磨が「ワシの手伝いをしろ」と直々に言ってきたので、そのまま事務員として就職する。

 そして、揚羽はあれ以降は暴走せず、高校の頃に俺が言った通りに、寮の管理人になり、学生の朝と夜のごはんを準備したり、寮の掃除をしている。そして、昼は昼で聖純院で師範代理として門下生の相手をしている。

 そして今現在。琥牙寮の中庭で、今日は日曜日。

「琥牙流奥義 赤蜻蛉」

 まだ、5歳くらいの男の子が俺に向けてとび蹴りを放ってきた。

「う~ん、まだ遅いな」

 俺はそれを簡単に避ける。

「じゃあ、これだ 鬼流奥義 爆滅龍」

 今度は拳で殴ってこようとする。

「まだ、気が集中しきれてない」

 また、俺は避ける。

「くそ、聖純流 霞隠れ」

 少年は突進をしてきた。

「捕まえた」

 俺はいとも簡単に少年を捕まえた。

「霞隠れは奇襲攻撃だから、正面から突っ込んできちゃ駄目なんだぞ」

 俺は少年を抱き上げて頭を撫でてあげた。

「そういえば、そうだった」

「お、手稽古は終わったのか?」

 そしたら、揚羽が家の中からお茶を持って出てきた。揚羽のお腹はすっかり膨れている。

「お母さんっ!!」

 少年は揚羽を見ると嬉しそうに笑う。

「どうだ、光の稽古は?」

「父親から見ればだいぶ強くなってきたよ。同年代でこいつに勝てるのは少ないだろうな。それより、揚羽、あまり無理しないでくれよ。お前だけの体じゃないんだから」

「わかってる。ただ、そろそろ休憩したらどうだ?」

 揚羽はそう言って、ぬれ縁に腰掛ける。

「わかった。ほら、光。休憩するぞ」

 俺は光を下ろしながら揚羽の隣に座った。

「僕、まだ大丈夫だから。お爺ちゃんの所まで走り込みしてくる」

 光はお茶を飲み干すとさっさと走りに行ってしまった。

 もう、この会話からしてわかると思うが、俺と揚羽は俺が大学を卒業すると同時に結婚した。本当は働いて一段落が付いた頃がいいんだが、煉磨が「どうせ結婚するなら早い方がいいだろ。金銭面なら問題ない。ワシが全額持つ」とか言うのでさっさと結婚した。

子供にも恵まれ、息子の琥牙光は今年で7歳になる。そして、揚羽のお腹の中には来月産まれる生命がいる。本当に幸せな家庭を過ごしている。

「誰に似たんだが。光は元気だな。はい、お茶」

「ありがとう。言っとくけど、俺似ではないのは確かだな」

 俺は揚羽からお茶を受け取り、一息ついた。

「私もそう思う。むしろ、あれは私似だな。元気のいいところといい。特訓が好きなのといい、確実に性格は私似だな」

 自ら認めたよ。

「でも、優しさはお前似だよ。大河。仲間思いといい、気を使うといい。確実にお前のいいところを受け継いでいるよ」

「ありがとう」

 俺は少し照れてしまった。

「あ、動いた」

 揚羽は嬉しそうに笑いながらお腹を触った。

「どれどれ」

 俺も揚羽のお腹に触る。

 お腹から何回か振動が伝わってくる。

 おー、元気に暴れているな。

「本当だ」

「大河。ありがとうな」

「何が?」

「私を必要にしてくれて。私に産まれてきた意味をくれて。本当にありがとう」

「何をいまさら」

 それは結婚する時に何回も聞かされた。もちろん、布団の中で。

「いまさらだからこそ言わせてくれ。ありがとう。そして、これからもよろしく」

「こちらこそよろしく。絶対に揚羽を幸せにする」

「あはは、楽しみにしているよ」

 揚羽と俺は見つめ合いながら幸せそうに微笑んだ。


終わったああああああ!!!!!

ということで、揚羽ルートが終わりました。

PV35万突破しました。読者のみなさんとてもありがとうございます。

初めての小説活動でしたから文章が変なところもありましたが、最後まで読んでくれて本当にありがたいです。

これからの予定ですが、このメンバーで新しい話を書いていきたいと思います。

次回作のタイトルは「琥牙寮の愉快な仲間たち」です。

どうぞ、これからもよろしくお願いします。

もう一つの小説、「ずっと僕の側にいて」もよろしくお願いします。

あと、人気投票をしたいんですけど、誰か教えてください。

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