揚羽ルート15 後夜祭の
大会が終わり、グランドではみんなで集まって火を囲んでみんなで盛り上がっていた。
「あー、疲れた」
俺は屋上で横になっていた。しっかり、左目に眼帯をつけている。
当分、気は使えないないな。
「おい、不良青年。後夜祭に出なくてもいいのか?」
そしたら、声が聞こえてきた。相手は見なくてもわかっている。
「体痛いからパス。そうゆう、姉さんは?」
「お前と同じで私も体が痛いからパスだ」
「ぷっ、あははは」
「くくく、ははは」
俺と揚羽はお互い笑いだした。
大会の結果は引き分け。俺と揚羽、最後まで戦いお互いに戦い。お互いにノックダウンした。これ以上、戦っても意味がないと煉磨が判断し、勝負を終わらせた。
「幼少の頃と一緒になったな」
揚羽は俺の隣に腰かけた。
「だね、あの時もお互い戦いまくって両者ノックアウトだったからね」
「あの後、私はお前が気に入り、私の舎弟にしたんだよな?」
「そうだよ。しかも、脅してね」
いや、あの時は本当に怖かった。なんせ、もう、暴れない代わりにお前が私の相手になれって腕を捻りながら言ってくるんだもん。
「い、いいじゃないか。そうしないと、爺がうるさかったんだから」
揚羽は恥ずかしさのあまりにか顔を赤くしていた。
さて、そろそろ本題に入ろう。
「姉さん」
俺は立ち上がり揚羽を見下ろした。
「なんだ?」
揚羽は俺を見上げてくる。
「俺は姉さんが好きだ。姉や友達とではなく。一人の女性として姉さんが好きだ。まだ、弟ではなくて男と頼りないと思うけど。良かったら俺と付き合ってください」
・・・・・よく、こんなキザなセリフがすらすら出てくるな。
「私でいいのか?」
「ああ、いいよ」
「また、いつ、暴走するかわからないんだぞ」
「そん時はまた戦えばいい。俺が暴走した時に姉さんが止めたみたいに、今度は俺が姉さんを止める」
「そ、それに私がOKだしたところで優燈はどうする?」
「優燈には昨日の内に言っておいて了承済み。あいつの部屋から出る時、姉さんを幸せにしてあげてって言われた」
「ぐ、あ、あと私は嫉妬深くて寂しがり屋なんだぞ。お前が他の女子と話している時、何をするかわからないし、夜は一人で布団の中で泣いているかも」
「そん時は姉さんも話に加わればいいし、なんだったら姉さんも俺の所に住めばいい。部屋はいくらでもある」
「えっ?いいのか?」
喰いついた。
「ああ、いいよ。さっきも言った通り部屋はいくらでもあるし。それになんだったら姉さんがここを卒業したら、そのまま寮の管理人なればいい。それだったら、いつでも俺と一緒にいられるよ」
「えっと、あと、」
揚羽は必死に言い訳を考えているようだ。
「姉さん、もういいでしょ?今の姉さんは何を言っても俺に言い任されるよ。それとも、俺のこと嫌い?」
「嫌いじゃないっ!むしろっ!」
そこで、ようやく揚羽は自分が何を口走ろうとしているのか気が付いた。
「むしろ?」
でも、俺は揚羽の口からその言葉を聞きたかった。
「・・・き・・・」
「え、何?」
揚羽の声が小さくてあまり聞こえない。
「大好きだ!!私は弟ではなく一人の男として琥牙大河の事が大好きだっ!!」
揚羽は立ち上がり俺に抱きついてくる。
「なら、返事は?」
俺は意地悪をした。
「OKに決まっているだろうか。ばかもの」
揚羽はそのまま俺の唇にキスをした。