揚羽ルート8 再戦
「駄目だ。やはり壊れやすくて困るな」
私はそれを思いっきり地面に叩きつけた。
やはり、大河がいい。
「壊れにくく、壊しがいがある奴はあいつしかないからな」
でも、あれだけの怪我をしたんだ。今日は来ないだろう。
「ん?」
私はそう思っていたら、知っている気配がした。
「でも、まさか」
私は戸惑った、なんせ自分に向けて敵意をむき出しなんだから。
私に敵意を出すのは一人だけ知っている。
「お前がその気なら私もきちんと答えないとな!!」
私はその気配に向かって移動した。
そして、着いた場所は昨日の公園だった。
「くくく、やはり。お前か」
私は公園の中央にいる人物に向かって叫んだ。
「大河!!」
そして、私は襲いかかった。
「大河!」
死神はいきなり、俺に会った瞬間、襲いかかってきた。
俺はそれをかわし、追い打ちをかける。
「甘いっ!」
しかし、死神はそれを意図も簡単に避け、俺から距離を置いた。
「ほほう、今日は最初から本気のようだな」
死神は俺にリストバンドが無いことに気が付いたみたいだ。
「当たり前だ!」
俺は前回みたいに負けられないんだ。
「それこそ、壊しがいがある」
死神は一気に距離を詰め、蹴りを放ってくる。
「当たるか!」
俺も蹴りを放ち、死神の蹴りを受け止める。
「ほう、受け止めるか。それならこれはどうだ!」
死神はそのまま回し蹴りをしてきた。
「くっ!」
俺はそのまま蹴りをお腹で受けとめた。
「ただではやられるか!」
俺はそのまま足首を捻ろうとした。
「させるかっ!」
死神は捻る方向と一緒に体を回転させて、俺の顔面に蹴りを放つ。
「あぶなっ!」
俺は思わず手を離し、その手でガードをした。
「痛うう。次はこっちだぞ!爆流脚!」
俺は一気に距離を詰め、
「重技、紅龍覇!」
俺は両手で死神の胴に向け放つ。
「ごほっ」
死神はそのまま技を喰らい後ろに下がった。
「・・・・・」
俺はそれをただ見て手応えがないことを感じていた。
わざと後ろに下がり威力を殺したな。
「いいな。実にいい。それじゃあ、今度は私の番だっ!」
死神から禍々しいオーラーが噴き出てきて、それが右腕に集まって行く。
死鬼煉獄弾がくる!
「ボーっとしているな!」
気が付いた時には懐に入られていた。
「鬼流奥義、死鬼煉獄弾!」
「させるか、琥牙流奥義、神喰い!」
俺は左手で死神の右手を受け止めた。
「ほお、私の気を喰らって受け止めたか!だが、喰いきれるかな?」
「なっ!」
俺は驚いた。死神の言葉の通りに死神の右手に集まった気を吸収していたが、逆に左手が絶えれなくなってきている。
「やばい!」
俺は急いで左手を離した。
「鬼流奥義 鬼棘一閃」
「ごほっ!」
そして、今度は右の脇腹にオーラが集まった蹴りを喰らい、俺はそのまま横に吹っ飛んでしまった。そして、すぐに立ち上がる。
あ、危なかった。瞬間的に脇腹に気を集中させといてよかった。
でも、脇腹にモロに喰らってしまい。骨を折ることは無かったがダメージは深刻だ。
「あはは、まだ。壊れないとは。お前は私の期待を裏切らないな」
死神は俺の様子を見て高笑いをした。
「でも、後少しで壊れるな」
死神はゆっくりと俺に近づいてくる。
それが俺にとって死刑執行のカウントダウンに見える。
くそ、俺はこいつに勝てないのか?
目の前には化け物。そして、俺は怪我人。これはどう見ても差がありすぎる。
いや、勝つ手段はある。でも、あれは危険すぎる。
「それじゃあな!鬼流奥義 鬼人刃!」
死神は俺の首筋を狙い手刀を放って来る。
「躊躇う余地はないか」
俺は手刀が当たる瞬間、眼帯を外した。
その時、俺の首筋に手刀が当たった。しかし、俺の首はビクともしなかった。
「何!」
死神は驚いた。なんせ、普通この技が当たったら首の骨が折れても当たり前なのだから。
「悪いな。もう力加減できない」
俺は死神の腕を掴みそのまま投げ飛ばした。
「くっ!」
死神はすぐに体制を立て直し、地面に着陸した。
「まだ、私に壊されてくれないのか。いいだろ、私も全力でお前を壊してやる!」
死神から禍々しい気が噴き上がる。
「いくぞ!」
「それはこっちのセリフだ!」
その後、俺と死神は防御を捨て、ひたすら殴り合った。
何故なら、一瞬でも防御をすれば隙ができ、その隙で勝負が決まってしまうからだ。
俺と死神はそれを直感していた。
「おおおおおおおお!」
「はあああああああ!」
両者とも一歩に引かずに殴り、殴られ、蹴り、蹴られ。
これは、もはや時間の問題だ。
「とっとと、壊れろ!鬼流奥義 蛇鬼!」
「てめええが潰れろ!琥牙流奥義 災鱗!」
俺と死神は同じタイミングで技を放った。そして、俺と死神の技は、お互いの顔をかすった。その時、死神の帽子が飛んだ。
帽子の中から、見覚えのある黒髪が流れ出てきた。
「なんでだよ?」
俺は死神の帽子に隠れていた目を睨みつけた。
「なんでなんだよ!」
「・・・・・・・」
死神は何も答えない。
死神は揚羽だ。
煉磨の声が頭に響く。
あまり考えたくなかった。思いたくなかった。でも、目の前にいる人物のおかげでそれが現実だと自分に言い聞かせてくる。
「答えろよ!聖純揚羽」
俺は目の前の人物、死神もとい聖純揚羽にむかって叫んだ。
次回予告
作《いよいよ、死神の正体がわかりましたね》
大《ああ、まさか、揚羽姉さんだとは思わなかったよ》
作《でも、読者の方はわかっていたのかも知れないね》
大《まあ、あんだけ犯人がわの視点でやればわかるでしょ。ところで次の話はどうなるの?》
作《え~とね。もう、忘れていると思うけど。大会に入っていきます》
大《じゃあ、次からもバトルが入ってくるの?》
作《まあ、そうなるね。それでは、みなさん。次回も楽しみにしていてください》
大




