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揚羽ルート3 私はお前と来たかったんだ

もう一つの小説もよろしくお願いします。

まだだ。まだ物足りない」

 足元には全身真っ赤に染まった重傷者が倒れていた。

 最近では意識を保つのがやっとで力加減が出来なくなってきている。

 このままだと、自分が自分でなくなる可能性がある。

 それだけは絶対に避けなければいけない。

 あいつの為にもそれだけは絶対に。

 もし、自分が自分でなくなった場合、私はあいつに襲いかかるだろう。

 私が知っている中であいつが一番強いから。

 それだけは嫌だ。

 なぜなら私は確実にあいつを壊してしまうし。

それに私はあいつの事が。


好きなんだから。


たとえ叶わぬ願いだとしても、あいつを絶対に壊させたりしない。

私は心に決め、その場を去っていた。



「え~と、姉さん」

「ん、なんだい?弟よ」

「なんで、こんなとこに来ているの?」

 俺は休日に姉さんと遊園地に来ていました。

 周りではカップル連れや家族連れで来ている人がいっぱいいる。

 うわー、人がゴミのようにいる。

 俺は結局、あの時、姉さんと遊ぶを選んだ。

 そしたら、姉さんがじゃあ今度の休みにここに行こうとチケットを渡してきたので、姉さんと遊園地に遊びにきた。

「この前の奈絵の妹の件で、奈絵がお礼にここのペアチケットをくれたんだ」

「それは、後で奈絵さんにお礼を言わないとね。つか、なんで俺と一緒に来たの?」

「不満か?」

「いや、不満じゃないけど。姉さんとなら他に行きたい人がいたんじゃないの?」

 姉さんのファンの男子や女友達がいるんじゃないのかな?

「私はお前と来たかったからいいんだよ」

 なんか嬉しい一言だな。

「ほらそんなことより今日はタダなんだからさっさと乗り物に乗るぞ。目指せマシンコンプリート」

 揚羽は俺の腕を取り、そのまま遊園地の中に入っていった。

 さて、今日は楽しむか。



 それからというもの、お馴染みのジェットコースターから始まりコーヒーカップ、メリーゴーランドなどいろいろな物に乗った。

「さて、あとは何乗ってない?」

 揚羽は風船を持ちながら聞いてきた。

「乗り物は観覧車だけだよ、他にはお化け屋敷や、あっ、イベントが後一時間したら始まるみたいだよ」

 俺は係り員から貰ったパンフレットを見ながら答えた。

「じゃあ、先にお化け屋敷に行ってから会場に行って、最後に観覧車だな」

 揚羽は俺の話を聞き、スケジュールを決めお化け屋敷の方に歩き出した。

「わかった」

 俺はパンフレットをしまい、揚羽の後に続いた。

 お化け屋敷は結構楽しめた。

 始めは、普通に妖怪が俺達を驚かしていたのに段々と終盤らへんに差し掛かってくると、バイオハザードに出てきそうなゾンビが現れ俺たちを追っかけてきたり、罠がいろいろと発動して避けるのに苦労した。しかも、ゾンビのくせに無茶苦茶に足が速く逃げるのに精一杯だった。途中のゾンビが追っかけてきた瞬間、姉さんが応戦しようとしたがそれだけは止めさせた。

 だって、あのゾンビって結局は従業員なんだから怪我させちゃ駄目でしょ。

「はあー、楽しかった」

「疲れたけどね」

「まあ、いいじゃないか。遊びと思えば、それにしても、ゾンビと戦いたかったな」

「いや、駄目だから。ゾンビを逆に怪我させちゃうからね」

「いいじゃないか、ゾンビなんだから」

「それでも駄目なの」

「ちぇ、わかったよ」

 これじゃあ、まるで子供に言い聞かす親のようだな。

「ところで、大河。いい席も取りたいしそろそろ会場に行かないか?」

「あ、うん。そうだね。あ、でもちょっと待って、飲み物を買ってくるよ」

「わかった。私はそこのベンチで待っているよ」

「わかった」

 俺はそう言ってジュースを買いに揚羽と分かれ自動販売機に向かった。

 俺はスポーツドリンクでいいな、姉さんにはココアだな。

 俺はさっさと飲み物を買い、急いで揚羽のところに戻った。

「ねえねえ、君一人?」

「一人なら俺らとこれからどこかに行かない」

「すまないが、今は連れがジュースを買いに行っているから無理だ」

 そしたら、案の定揚羽は2人の青年にナンパされていた。

 やっぱり、姉さんを一人にするとこうゆう事が起きるよね。まあ、仕方がないな姉さんは美人なんだし。つか、あの二人組どっかで見たことがあるな。どこだっけ?

「そんなことを言わないでさ。友人には少しここで待ってもらってもいいでしょ?」

「そうそう、ここに君みたいな美人さんを、一人を置いてジュースを買いに行く奴なんか、少し待たせた方がいいんだって」

 無茶苦茶なことを言うな。こいつらは。さて、そんなことよりそろそろ時間がないし早く声を掛けよう。

 俺はそう思い、揚羽とその二人組に近づき二人組の片方の肩を軽く叩いた。

「ん、だよ、邪魔するなよ」

 でも片方は俺の手を払いナンパに集中している。しかし、俺はまた何度も叩いた。

「あー、なんだよ。人の邪魔をするなよ!」

 片方はもう我慢できずに後ろを振り返った。

「うるせえ、くたばれ」

 俺は片方が振り向いた瞬間、顔面を殴り飛ばし、

「なっ」

 もう片方の奴にそのままの勢いを利用し、腹に回し蹴りをした。

「ぐっ」

 当然のごとく二人組は倒れ気絶してしまった。

「大河遅いぞ。姉さんを待たせるなんていい度胸だな。おかげで、変な二人組にナンパをされたではないか」

 そんな俺の行動を気にせず揚羽は文句を言ってきた。

「ごめん。ごめん。はい、これ。姉さんはココアでよかったでしょ」

 俺は謝りながら揚羽に買ってきたココアを渡した。

「ありがとう。さすが弟。私の好きな物を心得ているな」

「そりゃあ、小さい頃から何回もパシラされると嫌でも覚えるよ」

「ははは、そうか嫌だったか」

 揚羽は笑っていたが目が笑っていなかった。

 ヤバイ。口が滑った。

「まあ、いいさ。今は遊園地を楽しんでいるんだから、何も咎めないさ。そんなことより、さっさと会場に行くぞ」

 揚羽はそう言って、先に歩き出した。

 助かった。

「あ、待ってよ」

 俺は揚羽を追いかけていった。


次回予告

作《次も遊園地の話になります》

大《へ~、そうなんだ》

作《とういうことだから頑張って》

大《え、何を?》

作《それは次回になったらわかるよ》

大《てか、揚羽ルートになっているけど、題名とかは変えないのか?》

作《変えるのを忘れていましたから、揚羽ルートが終わるまでこのままでいきます》

大《その後、終わったらなんという題名にするんだ?》

作《ヒロインによって決めます》

そうですか

作《でも、何回も言いますけど、結局、大河がボロボロになる予定です》

大《お前、俺のこと嫌いだろ》

作《嫌いです》

大《殺す》

ヤレルもんならやってみろ


次回もよろしく

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