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No,22 あの方法と添い寝

あけましておめでとうございます。

今年も楽しく読んでくれたら嬉しいです。

 キーンコーンカーンコーン。

 授業終了のチャイムが鳴りだし、みんなの緊張が一気に解けた。

「あ~、よく寝た」

「龍、お前は寝すぎだ」

 一時間目からずっと寝ていたよな。こいつ。

「まあ、気にすんな」

 いや、気にしろよ。

「しかし、お前まだ戻らないのか?」

 龍が体をほぐしながら、俺を見下ろしてきた。

「そうみたい。今回は長引くよ」

 そうなのだ。小さくなってからもう三日以上は立っているのに、俺の体系はまだ戻ってはいなかった。

「もう、いっそうの事、優燈にあれを頼んでみたらどうだ?」

「中学校までならいいとして、今の年で優燈にあれを頼むとしたら、自分の貞操の危機になるからやりたくないんだよね」

 マジ、今にあれをやると逆に喰われてしまう。

「呼んだ?」

 俺の後ろから優燈が現れた。

「いや、呼んでないから」

 あ、つか、何かと抱きついてくるな。くそ、本当なら簡単に逃げれるのにこの姿だから逃げられない。

「実は、大河の姿がまだ戻らないって話をしていたんだよ。だから、優燈にそろそろあれをやってもらえばって言う話をしていたんだ」

「ちょ、バカ龍」

 何を教えているんだよ!

「いいじゃね~か、その格好は何かと不便だし、それにお前もそろそろ戻りたくなってきただろ?」

「まあ、そうだけどさ」

「でも、私は一生この姿でもいいと思うんだけどね」

 優燈は人の頭の上によだれを垂らしながら微笑んでいた。

 やばい、背中に寒気を感じる。

「おい、人の頭によだれを垂らすな」

 あ~、帰ってすぐにシャワーを浴びないと。

「これは失礼」

 優燈は袖でよだれを拭きとった。

「でも、そろそろ大会も近くなってきたし、戻らないとまずいぞ」

 それもそうだよな。しょうがない、腹をくくるか。

「優燈」

「何?」

「今日の夜にあれをやるから付き合ってくれないか」

「もちろん、いいよ!」

 すごい元気な返事だな。しかも、その嬉しそうな笑顔が妙にムカつくな。

「龍。説得ありがとう」

「どういたしまして。そんなことよりも後で例の物を頼むよ」

「解っているよ」

 優燈と龍は隅っこで何やら密談をしていたのは見なかったことにしとこう。


 

 その夜。

 俺と優燈は今、俺の部屋にいた。

 さて、あれをやることになったものの気が進まないな。

「ねえ、大河~早く~」

 優燈は今か今かと待ち切れていない様子だし。

「はいはい」

 俺は眼帯を外し優燈に手を差し出した。

 優燈はそれを優しく握り、眼をつぶった。

「それじゃあ、いくぞ」

「いつでもいいよ」

 俺は握られている方の手に気を集中させ、その気を優燈に送り込んだ。

「・・・あん・・・・ん・・・き、きたよ・・・・ん、た、大河のが、んふ、私のな、ああっ、かに入ってきた」

 優燈は息を荒くしながら言ってくる。

「頼むから変な声出さないでくれる?」

 気が散って集中ができない。

「で、でも、大河のって・・・・ん・・・感じちゃう・・・・んだもん」

「あ~、もう、いいから早く俺にも気を送ってくれ」

 そうしないと、俺もやばくなってくる。

「わ、わかっているよ」

 優燈は俺の手に気を送り込んできた。

 おし、気が溜まってきた。

 今、俺達がやっているのは、自分の気を優燈に送り、その気を優燈の中で増加させ、その増加した奴を自分に送らせるということをやっている。

 これをやるとすぐに気が溜まり、体が元に戻るのが早くなる。

 なら、最初からやれよと思うだろうが、俺はあまりこれをやりたくない。何故かと言うと。

「ああ、大河の気持ちが伝わってくるよ」

「俺にも優燈の気持ちが伝わってくるよ」

 私は大河が好き。好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き。大好き。

 と、まあ、こんな感じで相手の気持ちが自分に流れてきたり、自分の気持ちが相手に流れてしまうからあまりやりたくない。

「私はやれて嬉しいよ」

 優燈は嬉しそうに微笑んでくる。

「人の心をあまり読まないでくれる?」

「しょうがないでしょ。流れてくるんだから」

 まあ、そりゃあそうか。

「うん。そうだよ。それで、後何分このままの状態なの?」

「う~ん、約十分かな?」

「後十分もこのままの状態なんだ。嬉しいな」

 俺はもはや何も言う気はなかった。

 それから、十分後。

「よし、そろそろいいかな?」

 俺は気を収め、優燈から手を離し眼帯をした。

「ふぅー、疲れた」

「お疲れ様」

 俺は優燈の頭を優しく撫でてあげる。

「んー」

 優燈は眼をつぶり嬉しそうにしてくる。

「さてと、気も溜まった事だしそろそろ寝るかな」

「ねえ、大河」

「ん?」

「一緒に寝てもいい?」

 やはり聞いてきたか。

「変なことをしなければいいぞ」

「えっ、いいの?」

 優燈はまた断られるだろうと思っていたらしく、驚きを隠せなかったようだ。

「一応、今日のお礼だ」

「うん。わかっているよ」

「なら、さっさと準備して来い」

「わかった」

 優燈はすぐに自分の部屋に戻って行った。

「さて、俺も準備するかな」

 俺もすぐに布団と用意をし、睡眠用の服に着替えた。

「大河、お待たせ」

 優燈はいつも着ているパジャマに着替えてきて、すぐに俺の布団の中に入った。

 行動早いな。

「早く寝よ」

「へいへい」

 俺は優燈に促されて、さっさと電気を消して布団の中に入る。

「大河、暖かいよ」

 優燈は俺に抱きついてきた。

「俺は暑苦しい」

 俺はそう言っておきながらも、抵抗だけはしなかった。しても、良いんだがこの体系だと逆に返り討ち合うのでやらないでおく。

「自分から誘ってきてそうゆうことは言うもんじゃない」

「誘ったのはお前だろ、俺は了承しただけだ」

 しかも、変なことをしないという条件付きで。

「うん。でも、珍しいこともあるんだね」

「何が?」

「いつもは、イヤイヤと了承するのに今回はすんなりと許可してくれた」

「たまにはいいだろ」

「私的に毎日でもいいよ」

「それはそれで疲れるから嫌だ」

 本音を言うと絶対、襲われるから嫌だ。

「さて、そろそろ眠くなってきたし寝ようぜ」

「うん。おやすみ」

「ああ、おやすみ」

 優燈はそのまま眼をつぶり、俺も続けて眼をつぶり夢の中に落ちて言った。


次回予告

作《あけましておめでとうございます。2010年始めの投降です》

大《始めは優燈でいいのか?》

作《だって順番なんだから仕方がないじゃん》

大《そりゃあ、そうか》

作《次回は鈴の話をします》

大《みなさん楽しみにしていてください》

作《感想、お便りお待ちしております》

大《これからもよろしくお願いします》



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