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No,13 勝負と結果

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「うおおおおおおおおおおおおっ!」

 渚は怒堂の勢いで木刀を使って色々な角度から俺に向かって攻めてくる。

「甘い」

 俺はその木刀をすべて気でコーティングした足で全て蹴り返した。

「なっ!」

 渚は驚きながら距離を置く。

「もらった。爆流脚!」

 俺はその隙を狙った渚に蹴りを繰り出す。もともと、爆流脚は足に溜めた気を爆発させ相手に突進を喰らわせたり、その勢いに乗せて技を繰り出す技なので、移動手段にあまり使ってはいけないのである。

「見切った!」

 渚は俺の蹴りが当たるギリギリの所で避けた。

「次は私の番だ。井上剣術、壱の太刀、風花かざはな

 そして、そのまま俺に避ける暇を与えずに、技を繰り出す。

風砂ふうさっ!」

 俺はまずいと思い、体を回転させ砂嵐を作り防御する。

「なんの、弐の太刀、陽炎かげろう」 

渚は木刀に熱風を纏わせそのまま砂嵐を一刀両断した。

「なっ!」

「まだだ、参の太刀、氷柱突き」

 そして、そのまま俺に追い打ちを掛けてくる。

「あ、無理」

 俺は避けることもできずに、そのまま木刀の剣先を頭に受け、そのまま吹っ飛ばされてしまった。

「勝負ありだな。審判、早く判定をしろ」

 渚は龍に指示をだした。

「え?なんで?」

 龍は不思議そうな顔をする。

「なんでって、どう見ても私の勝ちだろ」

「だって、まだ大河はギブアップもしくは気絶をしていないぞ」

「でも、私の氷柱突きをまともに頭に喰らったんだぞ」

「あ~、そうか~。お前、大河のウザさ知らないもんな」

「はあ?それってどうゆう意味だ?」

「え~とな、説明しにくいんだけど。大河は」

 龍が渚に解説をしようとした。

「なあ、先生。リストバンド外していいですか?」

 その時、渚の後ろから声が聞こえてきた。

「外さないと駄目な相手なのか?」

「いんや、そうゆう訳ではないんだけど。相手も本気出してやっているんだしこっちもちょっとは本気を出してあげないと可哀想かなと思ってね」

 渚が驚きながら振り向くとそこには、隼先生とさっきまともに技を喰らった俺が話していた。

「それじゃあ、足の奴だけ外せ。それなら、いいだろ」

「あんがと」

 俺は隼先生に許可をもらい、足に巻いてあったリストバンドを外した。

「ななななななななな」

 渚は俺に向けて指を刺し驚いていた。

「よし、続きをやるか。って、何をそんなに驚いているんだ?」

 俺は近くにリストバンドを置き、戦闘態勢に入った。

「だって、お前。私の氷柱突きを喰らっておきながらそんなに元気でいられるんだ」

「さっきのって氷柱突きって言うんだ」

「あの突きを喰らった者は大抵、気絶か病院行きの筈なのに」

 渚はすごく悔しそうだった。

「手合わせなんだからそんなに危ない技は使うなよ」

 つか、悔しがるなよ。

「そんなことより。早く構えた方がいいぞ。俺も少し本気を出してやるから」

「じゃあ、今までのは本気ではなかったということか」

「まあ、そうなるな」

「殺す。絶対に殺す」

 渚は俺に殺意を向けながら木刀を構えた。

「そんじゃあ、いくぞ、爆流脚!」

 俺は足に溜めた気を一気に爆発させた。

「お前はバカか?その攻撃はもう見切っている」

 渚はまた俺の蹴りを避けようとした。

「くっ!」

 しかし、俺の攻撃を避けきれず木刀で受け止めてしまった。

「さっきよりもスピードが上がっているだと」

「ごめいとう。でも、俺の攻撃はまだ終わらないんだよね。摩天楼まてんろう!」

 俺はそのまま、木刀ごと渚を空中に蹴り飛ばす。そして、そのまま俺も続いて、渚に向かってジャンプする。

「ギロチン」

 それから、また、渚を踵落としで木刀で受けさせながら地面に叩きつける。

「ぐっ!」

風玉かざだま!」

 今度は蹴りで風の塊を何回も渚に蹴って、追い打ちを掛ける。

「くそっ!」

 渚は木刀ですべて撃ち落とす。

 ちなみに、渚は俺の技をすべて、木刀で受け止めていた。

隕石いんせき落とし!」

 最後に俺は渚に向け、落下しながら蹴りを放つ。

「喰らってたまるか。四の太刀、地雷壁!」

 渚は体制を立て直し、木刀を打ち上げてきた。

 そして、渚の技と俺の技が交差する瞬間、そこには地響きと共に砂埃が起こった。

「試合はどうなった?」

「お~い、大河。何がなんでもやりすぎだぞ」

 視界が悪い為、手合わせの結果がどうなったかわからない。

「あ、視界が晴れてきた」

 そして、段々と砂埃が治まるって、視界が見えやすくなってきた。

「おい、手合わせはどうなった?」

 クラスのみんなが結果に注目するため、地響きが起こったところを見た。

そして、そこには。

「な~、我が弟よ~。ずいぶんと楽しいことをやっているではないか~」

 俺の蹴りを片手でいとも簡単に受け止め、渚の木刀を足で踏みつけて止めて、二人の間に割って入る揚羽がいた。

「えっ!なんで、姉さんがここにいるんだ?」

 俺は驚きながら地面に着地した。

「そうだぞ。今はまだ、3年生は授業中のはずじゃ?」

 渚も構えを解き、驚いていた。

「そんなもん、もう終わっている。現に見てみろ、周りにはギャラリーが多くいるんだぞ」

 揚羽に言われてから気がついたが、俺たちの周りには騒ぎを聞きつけた生徒たちでいっぱいだった。

「つ~、ことは時間切れか」

 くそ、もう少しで勝負が着くはずだったのにな。

「おい、審判。判定はどっちだ?」

 渚が龍を睨みつけながら聞く。

 そんなに勝敗を決めたいのかな?

「そんなもん。わからねーよ」

 龍は両手をあげながら首を振った。

「なっ!」

「だって、勝負がつく瞬間、砂埃が起きたんだぜ。しかも晴れたら晴れたで揚羽姉が割って入っているし勝敗の付けようがないさ」

「あ、でも、私はどっちが勝ったかわかるぞ」

「どっちだ?」

「当然、勝利は大河だ」

 揚羽はきっぱりと言い切った。

「・・・・・理由を教えて貰おうか?」

 渚は納得がいかないようで、木刀を構えた。

 渚の今の様子だと、納得がいかなければ斬るということがわかる。

「理由かいいぞ」

 揚羽は何故か嬉しそうに答える。

「渚。確かにお前の剣術の技術はすごいが大河の格闘技術の方がより優れているんだよ」

「どういうことだ?」

「お前、一発でも体に攻撃を喰らったか?」

「いや?しかし、それがどうかしたか?」

「気付かないのか?大河はすべて木刀に蹴りを入れていたんだぞ」

「なっ!で、でも、それは私が木刀ですべて受け止めたかもしれないだろ」

「まあ、2回目の爆流脚の時は反射的にそうかもしれないが、摩天楼やギロチンの時はどうだった?お前は体制がくずれて隙だらけなのにも関わらず。大河はずっと木刀越し技を放っていたんだぞ」

「そ、そんな」

 渚は自分が負けたのが信じられないようだ。

「まあ、そういうことだ。渚は剣の才能があるようだから努力次第では上位の方に入れるかもしれないな。つ~ことで、勝者は大河。異論はないな」

 揚羽は俺の腕を取り、高々と挙げた。

「「「「「「わあああああああああっ!」」」」」」

 周りの生徒達は歓声をあげた。

「そんじゃあ、お前ら。そろそろ授業をするから教室に戻れ~」

 引率の先生方が生徒を学校に誘導し始めた。

 俺もやっと終わったと思いながら学校に戻ろうとした。

「おい、待て」

 しかし、揚羽に首根っこを掴まれてしまった。

「な、何、姉さん?」

 すんげ~、嫌な予感がするんですけど。

「実はな最近、私に決闘を申し込む奴らがいないんだ?」

「そう、それは良かったね」

「良くないぞ。私は闘いたくてすごく体が疼いているんだぞ。しかも、さっきの手合わせを見ていて、更に体が疼いてしまった。だから」

「だから?」

「今度は私と手合わせをしてもらおう」

 やっぱりか。

「断る。今日はもう疲れた」

「だめだ。それは私が許さない。つか、むしろお前に拒否権はない」

 そんな理不尽な。

「なに、すぐに終わるよ。ほら、先生に見つかる前に移動するぞ」

「い~や~だ~!」

 俺はそのまま、揚羽に無理やり引きずられて、人眼がつかない場所に連れて行かれた。



次回予告

作《今思ったけどこの小説一日一日が長いな》

大《本当に今頃だな》

作《だから、そろそろ時間を飛ばしながらやって行くよ》

大《大丈夫だろうな》

たぶん

大《たぶんかよ!》

作《とりあえず、予定では20話過ぎからだと思うから》

しかもあいまい

作《あ、それとこれからの投降は、作者の都合により不定期になっていくのでそこらへんご了承ください。できれば一週間内に一話ずつ投降していきたいと思います》

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