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No,12 授業風景

作《お待たせしました。感想とかあったら嬉しいです》


時は流れ、今は2時間目の体育の授業中。

 そこで、俺らはグランドで体力測定をやっていた。

 今、やっている種目は男子が50M走、女子が遠投だ。

「おい、大河」

 剛が俺に話しかけてきた。

「何?」

 俺は体をほぐして、怪我をしないように整える。

「50M勝負しないか?」

「嫌だ。だるい」

 俺はすぐに断った。

「なんだ、俺に負けるのが怖いのか」

「いや、全然」

「なら、やろうぜ」

「・・・・・わかったよ。やればいいんだろ」

 やれやれ、面倒だな。

 俺と剛はスタート地点に立った。

「龍。合図頼む」

「あいよ。それじゃあ、位置に着いて、用意、ドンっ!」

 龍の合図と共に剛がスタートダッシュをした。

「おお~、これで俺の勝ちだあああ!」

 しかし、そんな強気の剛に対して、俺は

「爆流脚っ!」

 気をまとった足を一気に爆発させ、剛を一瞬で追い抜きゴールした。

「ゴール。俺の勝ち」

 俺は足に急ブレーキをかけた。

 これって、止めるのにコツがいるんだよね。

「て、おい、ちょっと待て。それ反則だろ」

 剛も俺の後に続いてゴールをし、文句を言ってきた。

「だって、お前。技の使用は禁止とか言ってないじゃん」

「でもなぁ、普通、測定には技は使わないだろっ!」

「大丈夫。きちんと測定してあるから、痛っ!」

「誰があんなのを測定するんだよ。大河、お前だけもう一回、走れ。今度は技を使うなよ」

 隼先生が呆れながら俺を軽く小突いてくる。

「え~、だり~」

「え~、じゃない自業自得だ」

「わはは、大河、だっせー。ぐはっ!」

 剛がバカ笑いしたのにムカついたのでとりあえず殴っておいた。

「ほら、後はお前だけなんだから早く走れ」

「解りましたよ」

 俺は結局、隼先生に言われたとおりにもう一度50M走をやらされた。

「よ~し、全員終わったことだし、後は時間まで各自で自由にやってよし」

 隼先生の言葉と共にみんなして解散した。

「先生。稽古をつけてもらってもいいですか?」

 鈴が体をうずうずさせながら隼先生に聞いた。

「あほ。お前は今日の朝の稽古でいつものノルマより多めにやっているんだから少し休め」

「先生は稽古とはどういうことですか?」

 渚が鈴達に近づきながら聞いてくる不思議そうに聞いてくる。

「ああ、そうか、井上は転校生だから知らなくて当然か。実はな、俺は先生の他に聖純院つまり鈴の実家で師範代もやらせてもらっているんだ」

「なるほど。だから、鈴が稽古をつけてほしいと言ったのですね」

「まあ、そうなるな。でも、さっきも言ったとおりに、鈴は動きすぎだから少し休ませないといけない」

「だったら、私に稽古をつけてくれませんか?」

「面倒だから嫌だ」

 隼先生は結構面倒くさがり屋である。

「なっ!」

 渚はそれを聞いて驚いた。

「あ、でも、来たばっかりだから井上の実力を見てみたいしな。誰かに相手をしてもらおうかな」

 隼先生が周りを見回すと俺と眼があった。

 なんか、話の流れ的に嫌な予感だする。

「おし、大河。渚と手合わせしてくれ」

 やっぱりか。

「先生っ!大ちゃんは私と先に稽古をつける予約をしています」

 鈴は口を挿んでくる。

「ん?そうなのか、大河?」

「はい。今日の放課後に稽古をつけてくれと頼まれました。でも、俺には琥牙寮の仕事もありますし。みんながOKしてくれたらの話ですけどね」

「俺はいいぞ」

「俺も」

「私もだ。あ、でもその代わりに今、私と手合わせをしてくれ」

「私は大河に付いていくよ」

 琥牙寮の皆さんは意見をそれぞれの言ってくれた。

「やったー。これで大ちゃんに稽古をつけてもらえう」

 鈴は喜んでいた。

「だ、そうだが。どうするんだ?」

「いや、でも、まだ音葉が良いと言うかどうか」

「音葉は『夕食は自分が作りますから琥牙先輩はがんばってきてください』とメールが来ていたよ」

 鈴は俺に自分の携帯のディスプレイを見せてきた。

「うわ。本当だ」

 俺。もう、逃げ道ないじゃん。

「まあ、そういことだから。早く手合わせをしてくれ」

 渚はいつの間にかどこからか出した木刀を手に持って、俺に突き付けてきた。

「まあ、そういうことだから。がんばってくれ」

 隼先生は俺の肩に手を置いた。

「人事のようですね。先生?」

「だって、人事だもん」

 うん。あとで殴ろう。

「わかりましたよ。やればいいんでしょ。やれば」

 俺はそういって拳を構えた。

「お、やっとでやる気になってくれたか」

「おかげさまでね」

 俺は渚を睨みつけた。

「さ、張った、張った。まだ実力がわからない転校生の井上渚と我がクラスのなんでも屋琥牙大河。勝つのはどっちだ」

 龍がクラスのみんなに向かって賭けごとを始めた。

 先生。止めなくていいのか?

「もちろん大ちゃんに一つ」

「私も大河に一つ」

「じゃあ、俺は渚に賭けるかな?」

「じゃあ、俺も井上にだ。たまには大河が負けるとこを見てみたい」

 優燈達に混じって先生も賭けごとをやっていた。

 おいおい、大丈夫かこの先生?

 ちなみに、賭けの結果。クラスの大半の男子は渚に賭け、女子は俺に賭けてきた。

「よし、先生も賭けに回ったから審判は俺がやるぞ」

 龍がレフリーとして名乗りを上げた。

「時間はこの2時間目が終わるまで。ルールは・・・・・どうします?」

 龍は先生に聞いた。

「そうだな。どちらかがギブアップをするか気絶をするまで。それと、やばいと思ったらそこで終了。あとはなんでもありということで」

「ということだ。それじゃあ、二人とも準備はいいか?」

 龍が確認をしてくる

「いつでも」

「だるいけど。いいぞ」

「それじゃあ、はじめっ!」

 龍の合図と共に手合わせが始まった。


次回予告

作《大河、負ければいいな》

大《うわ、この作者、酷》

作《だって、お前ちゃんとやんないじゃん》

大《そうゆう風に書いているのはお前だろ》

作《あれ?作者にたいしてそうゆう態度をとっちゃう?いいのかな~、そんな態度とって?》

すいませんでした

作《よろしい。でも、謝ったところで大河は虐められるんだよね》

大《結局そうなるのかよ!》

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