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No,0 眼帯の少年《主人公です》

ヒロインたちはだんだんと出していくので、最初は主人公を見てやってください。

「ふぁ〜」

 俺は大きく口を開けてあくびをしながら歩いていた。

 俺の名は琥牙大河こがたいが翡翠ひすい学園に通う十六歳の少年だ。ちなみに二年だ。特徴は訳合って左目の方に眼帯をしているのと両手首にリストバンドをしている。俺は今、学園から一人で帰宅路を歩いている途中だ。

 いつもは、必ず誰かと一緒に帰るところだが、今日はみんなして用事があるということなので一人で下校している。

 別に一人で帰っているからって寂しいんじゃないんだからね。・・・・・なんとなくツンデレ風にやってみたけど悲しいだけだな。

「・・・しかし、暇だな。コンビニで立ち読みでもしていくかな?」

 俺はさっきのことをなかったことにして、いつもお菓子や飲み物、雑誌などを買っているコンビニに立ち寄った。

「コンチハー」

 俺は気軽にコンビニの中に入るとそこには異様な光景があった。

「だ、誰だ、お前は?」

 まず、俺に声を掛けてきたのは刃渡り二十センチのサバイバルナイフを小学高学年の女の子の首に押さえつけたマスクを被ったおっさん?《声から勝手に判断しました》だった。

 女の子はたぶん買い物に来た子だろう。恐怖で何も言えない状態だ。

「あ、大河君」

 次に、このコンビニのアルバイト、壱草奈絵いちくさなえ。十七歳。只今恋人募集中。が、レジからお金を出しながら声を出してきた。ちなみに奈絵は少しばかり涙目だった。

 俺はこの状況を見て、すぐにこのコンビニに強盗が押し寄せてきたのだと理解した。

 へ〜、こんなことって漫画や小説のなかだけだと思った。

「あ、ごめんなさい。俺、用事思い出したから帰ります」

 俺はそんな状況に関わりたくない為にとっさに思いついた嘘を言葉に出し、コンビニから出ようとした。

「おい、ちょっと待て」

 しかし、強盗に呼び止められてしまった。

 ちっ、やっぱり、そう簡単に逃げられないか。

 俺はとりあえず顔だけを強盗に向けた。

「なんですか?俺、今から用事があって行かないといけないんですけど」

「いいから来い。こいつがどうなってもいいのか?」

 強盗は女の子の首にさらに強めに押えつけた。

「わかった。わかったから。それだけは勘弁してくれ」

 目の前で女の子を殺されてもしたら目覚めが悪くてたまらん。仕方がない、気が進まないがさっさと終わらすか。

「なら早くこっちに来い」

「へいへい、わかりました・・・よっと!」

 俺は振り向いた瞬間、強盗の顔面に向かって鞄を投げた。

「なっ」

 強盗は驚きながらも、俺が投げた鞄を女の子の首に押さえつけていたナイフで払い落した。俺はその瞬間を狙った。

「いただき」

 俺は鞄を投げすぐにコンビニ強盗に向かって一気に距離を詰めた。

そして強盗が鞄を払い落した瞬間、その鞄を払い落した方の手首を掴んだ。

「おっさん。運がなかった」

「え?」

 強盗は何が起こったのがわからなかった。

「あのまま、俺を帰しとけばこんなことにはならなかったのになっ!」

 俺はまず始めに、強盗の顔面を殴った。

「ぐふっ」

 強盗はそのまま、殴り飛ばされそうになった。

しかし、俺が手首を掴んでいる為、飛ばされることはなく、逆に俺が自分の方に引っ張って、もう一度顔面を殴った。

ついでに、強盗が人質にとっていた女の子はというと。俺が強盗の顔面を殴った瞬間、女の子を押さえていた強盗の腕の力が弱まりそのまま床に落とされ、いつの間にかカウンターから出て来ていた奈絵に保護されていた。

「まだまだ、こんな物じゃ終わらないぞ」

 俺はそのまま、強盗の顔面を始めとし、腹、鳩尾、脇腹、胸などを殴った。

「これでラスト」

 そして、最後に俺は今まで掴んでいた手首を話し、強盗の腹に向かって思いっきり拳を入れてやった。

 強盗はそのまま後ろに飛ばされて、商品棚にぶつかり、商品をちらかしながらそのまま気絶した。

「おし、片付いた」

 俺は強盗がいつの間にか落としてあった、強盗のナイフを取りカウンターに置き、強盗のベルトを取り、それを使って手首と足首を固定した。

 ついでにマスクも取っていくか。

 俺はそう思いながら、マスクを剥いでみた。そしたら、なんと声とは違って強盗の素顔は大学生みたいだった。

 なんだ想像していたのと違ってつまらないな。まあ、いいや後は警察を呼んでおこう。

「奈絵さん。大丈夫?」

 俺は奈絵さんの方を振り返った。

「あ、うん。大丈夫」

 奈絵は微笑んで女の子を抱きながら俺に近づいてきた。

「ありがとう。助かったよ。この子も無事みたいだし、やっぱり大河君は強いね」

「いやいや、俺はまだまだ弱いですよ」

 俺は照れながら頭を掻いた。

「まあ、それは置いといて。でもさ、私が襲われている光景を見て、すぐに出て行こうとするのは酷くない」

 奈絵は微笑みながら俺を威圧してきた。

「サテ、ヨウジモスンダシカエルカナ」

 俺は雲行きが怪しくなってきたのを感じて、すぐにここから去ろうとした。

「このこと、あっちゃんに言っちゃおうかな?」

 奈絵は怪しい笑みを浮かべていた。

「それだけは勘弁してください」

 俺は目にも止まらぬ速さで奈絵に向かって土下座をした。

 姉さんに知られたら何をされるかわかったもんじゃない。

「冗談だよ」

 奈絵は女の子を降ろして、楽しそうに笑った。

「なんたって、きちんと私を助けてくれたんだから。本当にかっこよかったよ」

 あー、やっぱり奈絵さんはあの人違って優しいな。

「いや、そんなに褒めないでくださいよ。見捨てようとしたのは本当なんですし。それじゃあ、俺はそろそろ行きますよ」

 俺はコンビニから出ようとした。

「あ、ちょっと待って。大河君」

 しかし、奈絵に呼び止められてしまった。

「ん、何?」

「はい。これ、強盗から助けてくれたお礼」

 俺は奈絵から袋を渡されてしまった。

「いや、本当にお礼なんていいのに」

俺は袋の中を確認してみた。袋の中には肉まんがいっぱい入っていた。

「こんなに貰っていいの?」

 俺は驚きながら聞いてみた。

「いいよ。ほとんどが余り物だし、貰ってってよ」

「あ。そうなの。わかった。ありがたく貰っていくよ」

 そして、俺は今度こそコンビニから出ようとして。

「あ、そうだ」

 あることを思い出した。

「警察ってそっちで電話する?それとも、俺が電話しようか?」

 すっかり強盗のことを忘れていたよ。

「あ、そのこと。そのことは私が連絡しとくから」

 そう言って、奈絵は携帯電話をコンビニの制服のポケットから出した。

「わかった。それじゃあな」

「うん。ばいばい」

 奈絵は手を振りながら、俺を見送り電話をし始めた。

 早速、警察に電話するんだな。

「あ、お父さん?実は痛い目に会わせたい奴がいるんだけど、若い人、5,6人こっちに送ってくれない」

 ・・・・・うん。聞かなかったことにしよう。

 俺は今度こそコンビニから出て行った。

 そして、袋から肉まんを一つ取り出し、

「いただきます」

 かぶりつきながら、歩いて行った。

 あ、結局、立ち読みしなかったな。まあ、いいか。

次回予告

作《今度は侍ガールだすかな?》

大《適当だなこの作者》

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