第4話 ヤダッ、何かヌルヌルするっ!
やっと移住?新しい身体だから転生なのか?
取り敢えず長い説明はやっと終わりました。
だだっ広い草原。
膝下辺りまでの草が生えている、200m程向こうには幅15m程の川が流れ、それに沿って踏み固められた土丸出しの街道の様な物が続いている、道の先には柵と呼ぶよりも丸太の杭が打ち込まれただけの囲いがしてある。
あれが開拓村なのだろうか?
(神)の話では第三期開拓移住民らしいのだが、周りには誰も居ない。
このまま一人で向かっても良いのだろうか?
取り敢えずの状況確認、自分の顔は見えないが手足を見るにスラッとして希望通りのアスリート体型みたいだ、若干肌質も若々しい。
設定では15才の筈だしな。
少し動いてみる、屈伸、飛び跳ねてみたり、シャドーボクシングの真似事等……
誰にも見られてないよな?
「ふむ、身体の動きは問題無いどころか調子が良い気がする。」
お次はお待ちかねのスキルだ。。
この草原で火は危なそうなので先ずは…
「【ブリーズ】おーっ!出たぞ、初めての魔法感動する!」
呆気なく発動した。
他の生活魔法も普通に使うことが出来ることを確認、お次は
「イメージは塩で【調味料創造】」
指先から白い粉粒が出て来ると何か不思議。サラサラ〜
確認の為に舐めてみた。
「ベロッ、これは青酸カリ」
と言うお約束をかます。勿論ただの塩だった。
他にも考え付く限りの調味料を試してみた、醤油や味噌マヨネーズやケチャップも問題なく出て来たのは有り難い。
これで食生活は何とかなりそうだ、後は米さえ見つけられれば。あれば良いな。。
生活魔法や調味料創造のスキルを続けて使った所、少しだけ力が抜けていく感覚がある、まだまだ余裕な気もするが、このまま使い続けて魔力切れを起こした場合どうなるのだろうか?
今迄見た小説やラノベでは気絶や最悪死という展開すら有った気がする。
早めに確認をしたい所だが……
「あっ。スマホで検索できるのか。」
何処にあるのか探そうと考えた時、頭の中で亜空間収納にある事が何故か分かった
不思議だが、そう言うスキルなのだろう。
その感覚に従って取り出すイメージで手を動かす。
気付いたら手の中にスマホが在った。。
「まぁ今は良いか、これも後で検索だな。」
魔力切れについて調べて見た。
気絶等の心配は無いらしいが、魔力に依って強化されている筋力等が通常状態に戻り重く倦怠感の様な症状が出るらしい。
これは魔力が多い者ほど顕著に現れるようだ、多いと無くなったときの強化値の差が高いからだろう。
亜空間収納も調べてみる。
入れる時は手で触れないといけないみだいだが、出す分にはある程度のイメージで
出す位置を決められるらしい、そんなに遠くは無理みたいだが慣れると壁の向こうや箱の中とかにも出せそうだ。
あと、人間や魔物等の魔力を持つ生物は入らないらしい。
魔力を持たない植物や虫、魚や動物なんかは一応入るらしいのだが抵抗が強いと駄目の様だ、信頼関係があるベットや気絶や眠らせる等をしたら入れる事が出来る。
亜空間収納の中では時間が停止していて、容量も地球3個分は入ると言う。
3個分ってキ○ィちゃんかよっ!
まぁリンゴじゃなくて地球と言う事なので実質無限の様な物だな。。
足元の草もカメラ機能で検索してみる
《名前はない、ただの雑草の様だ…》
「いや、ただの死体みたいな表現だなコレ。誰がこの説明文書いてるんだよ!」
まぁ取り敢えずスマホもスキルも問題無し……
いや分かってますよ?メインイベント行ってみますか。
「さっき魔法使ったからな、取り敢えずイメージは魔力回復するやつで、出ろっ」
手の中には1本の試験管の様な容器、その中には赤い液体が入っている。
「おー!出たよコレ、容器もちゃんと付いてきたな。液体が直にバシャッとか笑いにもなならないしな。後は味と効果の検証だな。」
コルクの蓋を開け口に付けて容器を傾け口に流しこんだ…
「ブホッ!何だこりゃ?なんがドロッとしてると言うか。。ヌルッとする、何これ気持ち悪い!」
作ったのが魔力回復ボーションだからなのか?この世界の魔力回復ボーションはこんな物なのだろうか?他の物で試してみる事にした。
「イメージは体力回復する奴で、出ろっ!」
手には先程と似た容器、色は透き通る青。
「ふむ、体力回復は青なのか?問題は味だな………。」
コルクを抜き口へ。
「………。ヤダ、何かヌルヌルするっ。。気持ち悪いっ!何故だー!」
こんな時はスマホで自撮りカシャ
「そして【アナライズ】」
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シュート 純人種 15才
スキル
【言語理解】
【亜空間収納】
【鑑定】
【生活魔法】
EXスキル
【調味料創造】
ユニークスキル
【ローション作成】
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ふむふむ。名前は変わって居るみたいだ、この世界では名字は無いのか?それともお貴族様の特権なのか?
後は種族と年齢、良し良し設定通り15才に若返っているな。
やはりレベルは無いらしい、あとステータス表記も無いのか。。
スキルは基本3種に生活魔法と、お?調味料創造はEXスキルか。確かに便利だしな
ユニークスキルは特典で選んだ奴だよな、どれどれ?
「ボーションじゃ無くてローションじゃねーかーっ!!」
何処までも続く青空に俺の魂の叫びが響き渡った。。