04話 『今後のこと』
教会を出ると外は薄暗くなっていた。
司祭様から色々な説明を聞いているうちに結構な時間が経ってしまったらしい。
「今日はこの街で一泊して明日の朝、村にむかって出発しよう。」
「村まで歩いて帰るの?」
「途中までは街から出ている定期馬車がある。そこからは歩く事になるが夜までには村に着くことができるだろう」
「私お腹すいた! ベルもお腹すいたでしょ?」
「うん。僕もお腹ぺこぺこ」
「そうだな、まずは食事をしてから宿屋に向かおう」
街の食堂のご飯は美味しかった。
スープには村ではあまり食べない肉が入っていて、味付けも村の料理とは違っていて新鮮だった。
「美味しかったね!」
「うん!街の料理はいっぱい種類があるんだね」
姉さんと料理の感想で盛り上がっていると宿屋に到着した。3人部屋が空いてなかったので僕と姉さんは1つのベットで寝ることになった。部屋はベットが2つ置いてあるだけの簡素な部屋だ。
お湯を貰って身体を拭いてからベットに横になる。
暫くすると2人の寝息が聞こえてきた。
明日は早いので僕も眠ろうとしたが目が冴えて中々眠れなかった。
「まさか僕がレアギフトを授かるなんて……」
そう呟いて、教会で司祭様から聞いた話を思い出す。
――僕はこれからどうなるんだろう。
教会でギフトの詳細を聞いた後、司祭様は僕の今後について色々な事を教えてくれた。
レアギフトを持つ人はとても貴重で王国はレアギフトを持つ人材の確保に力を入れている。
中には国同士のパワーバランスを変えてしまうようなギフトを持つ人もいるらしいのでギフトの内容は国への報告が義務付けられてらしい。
そして、国に有用であると認められたギフトを持つ人間は王立学園に入学することになっている。
僕のギフトが新種のギフトだった場合は学園に併設されているギフト研究所への協力も必要になると教えてもらった。
この研究所はギフトを研究して魔道具を作っているらしく、魔道具を使えばそのギフトの力を持っていない人でも一部能力の使用が可能で、教会にあるギフトを調べる水晶も魔道具だったようだ。
魔道具はとても便利だがその分とても高価で一般の人が買える金額ではないらしい。僕もこの話を聞いて初めて魔道具の存在を知った。
僕のギフトの内容は教会を通して王国に報告されていて、そのうち王国から使者の人がくるらしい。
「王立学園に行くことになったら凄い人がいっぱいいるんだろうなぁ、まだ行けるって決まった訳じゃないけど…」
そんな風に今後のことについて漠然と考えていると睡魔が襲って来た。
明日も早いので僕は思考を中断して押し寄せてくる睡魔に身を任せた。
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