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転生先のバトルロワイアル  作者: 音釜ワカル
転生前
8/20

謀略


 「純くん、ここに来るだって。大丈夫だった?」

 「大丈夫だよ。悠大は来れそうなら来るって言っていた。親父さんが亡くなってからまだ2,3日だから忙しいみたい。」

 僕がリビングに入ってきたのを見て圭がそういってきた。すでに電話をし終わったみたいだ。

 返事をするように悠大がこれなさそうな事も伝えておいた。


 

 純が来るまで僕らは何も話すことができなかった。そんな空気じゃなかったんだ思う。けど、純が来たおかげで僕らはまた会話を再開させることができた。

 純は悠大とはちがいかなり動揺した様子だった。額に汗が浮かび急いでここまで来てくれた事が見て取れた。


 「和樹、聞いたぞ!哲也が死んだって。どういうことだよ?」

 家に入るとすぐに問い詰めてきた。圭に聞いたと思ったがどうやら詳しくは聞いていないらしい。純のことだ、圭が詳しく話す前に電話を切りこっちに向かってきたのだろう。

 「落ち着きなよ。それだけ急いで来たらのども乾いたでしょ。」

 タオルと水を純に渡しソファーに座らせた。

 「わりー。 ・・・それで、どういうことなんだ。」

 水を一気に飲み干し重々しく聞いた。

 「圭からどこまで聞いたからわからないから、初めから話すね。・・・・・哲也は昨日の夜、哲也の家の近所で何者かにより暴行をうけて死んだ。発見されたのは、10時半頃、通行人が人が倒れているのに気づいたらしい。切り傷、刺し傷、打撲痕、それらを考えても最低2,3以上による犯行らしい。 ・・・刑事さんから教えてもらったのは大体これくらいだった。」

 「複数犯ってなんだよ。なんでそんなことになるんだよ。」

 純は声を荒げて立ち上がった。その勢いでテーブルの上にあった何個かのコップが倒れ飲み物がこぼれた。響ちゃんと唯が慌ててテッシュで拭き取ろうとする。


 「・・・・忠司くんだと思う。」

圭がぼそりといった。

「忠司?誰だ、それ。」

 「忠司って、清水先輩ですか?生徒会長の・・・」

 響ちゃんがかなり驚いた表情で聞きなおしてきた。

 

 「・・・うん。忠司くんは・・・・・も、目標に一途な人だから。」

 「あの、くそ野郎がっ。」

 「会長はそんなことする人じゃ・・・。」

 響ちゃんは会長と何か接点があったのかな・・・・あ、保険副委員長って言っていたから会議とかで話したことがあったのかもしれない。

 「でも、清水会長は哲也君の家の場所を知っていたの。じゃないと襲うことは難しいと思うけど。」

「あ、そうか。じゃー忠司くんじゃないのかな。」

唯の疑問に圭の顔が明るくなった。会長と圭は幼馴染。幼馴染がそんなことをしたと知ったら圭は弱虫だから悲しむにちがいない。

だから、僕も会長だと疑っていることを話すつもりはない。


「じゃー誰なんだよ。」


そんな純のつぶやきのような問いに誰も答えることはできず、ただ消えていった。




 「いつの間にかお昼過ぎてたね。何か作ろうか。」

 時間はすでに12時を過ぎていた。特に何をしていたわけでもないのに気づいたらこんな時間だ。

 僕はソファーから立ち上がりキッチンに向かった。

 「あ、手伝うよ。」

 唯も立ち上がり僕のあとをついてきた。響ちゃんも立ち上がろうとしてくれていたけど唯が先に立ったのを見て座った。 

今回は空気の読める子のようだ。

 いや、昨日のことはノーカンだな。


 「唯ちゃん、何か食べたいものとかある?」

 「私はなんでもいいよ。材料何があるかな・・・あ、冷蔵庫あけるね。」

 

 「えーと、卵、鶏肉、豚肉、ネギ・・・。」

 「親子丼でも作ろうか。五人分くらいの材料はあるでしょ。」

 「そうだね。じゃー私、材料を切るね。」

 「うん、僕はお米洗っておくよ。」

 

 こんな感じで僕と唯で親子丼を作り始めた。まるで新婚さんだ。

 ちなみに僕はお米を洗うだけじゃなくて、ちゃんと料理も手伝ったよ。こう見えて料理はできるんだ。

母がキャリアウーマンだからね。料理を作る機会が多いのだ。


 唯が手伝ってくれたおかげであっという間に親子丼を作り終えた。

親子丼はみんなにとても好評だった。


当然である。僕と唯が作ったのだ。

響ちゃんは僕が料理できることに意外だったらしい。

 まったく、失礼しちゃうなー。  人を見た眼で判断するなんて!

 

 異世界に行くまであと3時間。この前見たとき時計は5時を指していた。なら、今日の午後5時に異世界に転生されることになるだろう。

 昼ご飯を食べた後、僕らは最後にこれからのことについて話していた。これからのことについて話していたといっても、決めていたことの確認みたいなものだ。特に新しく話すことなんてない。ほかに話すことが見つからなかっただけだ。

 ・・・・哲也に関する話題は避けていたと思う。


 「あと三時間で異世界に行くと思うと何か感慨深いですね。私は少し怖いですけど。」

 「そうだなぁ。俺は異世界に行くのが楽しみだぜ。あんなことやこんなことができるんだ。そりゃーもう。」

 響ちゃんが純のゲス笑いをみて、苦笑いしている。あれは絶対引いてるに違いない。そういう顔だ。


 「あ、あの。あの時、会議室に集まった時先生たちもいたの?」

 唯ちゃんが思慮深い顔で聞いてきた。誰に聞いているのかあいまいだが、きっと僕ら男3人に聞いているのだろう。

 「それって、いつの話だっけ?」

 「昨日の昼のことです。圭さんも行ったのですよね。」

 「昨日の昼・・・ああ、そのことね。うん、僕ら3人、会議室に行ったよ。まぁそのあとすぐに忠司君に追い出されちゃったけどね。」

 圭は無理やり笑顔を作りながら言った。会長に見捨てられたことを未だに引きずっているみたいだ。

 「それで、先生は居たんですか。」

 「いたぜ、確かハゲ教頭と体育の竹内が・・・」

 圭と純が顔を見合わせ、今度は純が答えた。

 「そうなんだ・・・・あの、やはり、哲也君のこと会長じゃないかと思う。」

 「え、・・・・・・なんで?」

 困惑の表情を浮かばせた圭は唯に詰問のように迫った。

 「きょ、教頭先生がいたなら生徒の住所を知ることはできたと思います。それに、あの時、私は和樹君に腕を引っ張ってもらったから最後まで書けなかったけど、あの時名簿に名前とクラスを書いた哲也君は・・・。」

 「いや、それならなんで哲也だけなんだよ!俺や和樹はなんもなかったじゃないかよ。」

 純は強い口調で言った。

 「消去法じゃないのかな・・・純の家は居酒屋で夜は人通りが多い、僕は・・・この家から一歩も出なかったからじゃないかな。・・・・会長は響ちゃんも殺すつもりだったけど圭が一緒にいたから失敗した。・・・響ちゃんはあの時、名前書き終わっていたんだよね。」

 僕は静かに言い、響ちゃんは僕の問いに少し震えながらうなずいた。


 「じゃーなんだよ、結局忠司が犯人だって言いたいのかよ。」

 純が声を荒げて言った。

 「どこ行くつもり?」

 純が立ち上がり玄関の方へ歩いて行った。

 「決まってんだろ、確かめに行くんだよ。」

 「会長がどこにいるかわかるのか?」

 純はたじろいだ。考えていなかったのだろう。会長たちが学校にも家にもいるとはかぎらない。

 「圭、お前、忠司の家、知ってるよな。」

 「え、えーと。」

 純はきつく圭に聞いた。それを圭は答えるのに困っていた。

 「圭、確かめに行くのが嫌なら行かなくてもいいと思うよ。」

 「・・・・・・いや、行くよ。僕も知らなきゃいけないと思う。」

 圭は会長に会うことを決めたらしい。圭が決めたのなら僕から言うことはない。

 「そう、じゃー行こうか。・・・唯ちゃんたちはここに残る?」

 「いえ、私たちも圭さんたちについていきます。」

 唯と響ちゃんは互いに顔を合わせ、再びこちらを向いてそう言った。

 「まずは、忠司の家に行くぞ。圭、案内・・・頼むな。」

 「うん。」

 圭は強くうなずいた。



ーーーーーーーー



 結論から言おう、会長は家にはいなかった。

 会長の家は大きかった。圭が言うには政治家の息子らしい。 お坊ちゃんだな。

 インターフォンを鳴らすと家政婦が出た。家政婦によると忠司さん、つまり会長はいつものように学校へ行ったらしい。制服を着ていつも通りカバンを持って。

 ついでに、昨日の夜のことを聞いてみたが営業時間外のため知らないらしい。


 他に当てもなく僕らは今度は学校にむかった。残り時間は多くない。思っていたより会長宅で時間がかかった。

 家政婦に僕らと会長の関係、なんで学校に行っていないかの言い訳に苦戦したからだ。

・・・・できる家政婦だ。なんか・・・見られている感じがした。 

 


 学校に着くと部活や帰宅する生徒でいっぱいだった。

 「生徒会室に行こうか。」

 「うん。」

 圭はもう吹っ切れたようだ。こうなったら、大丈夫だろう。



 僕の学校の生徒会室はほかの学校と比べたら大きい方だ。委員会の会議も生徒会室でおこなうことがあるくらいだ。

 つまり、12人ほど集まるにもちょうどいいということだ。

 会長や副会長、その他あの会議室にいた生徒、教頭先生、体育教員までもいた。僕たちを見捨てた12人すべてがそろっていた。


 「何か用か、オタクども。」

 会長室に入って初めに声かけてきたのは、隣のクラスの男子だった。彼とは一年生の時、同じクラスで僕らをオタクと見下してくるよくいるクラスの一軍メンバーだ。


 「何か用かだなんて、君たちが一番よくわかっているだろう。その、顔の傷はどうしたんだよ。」

 男女含め6,7人ほどけがをしていた。体育教員までもが顔にあざができていた。

 「この傷か、転んだんだよ。」

 にやにやとしながら答えてきた。ほかの人たちを見ると様々な顔をしていた。教師たちは苦い顔をし、会長と副会長は無表情、申し訳そうに顔をそむける女子、おびえている男子。このような表情をされたらすでに認めているようなものだ。


・・・・・・・・哲也や響ちゃんたちを襲ったのはこいつらだ。

 

 「お前らが、哲也を殺したんだな。」

 少しだけ残っている理性で会長の方を向いて聞いた。

 「そうですよ。」

 会長は僕の視線を逸らすことなく、しっかりと目を合わせて答えた。否定や言い訳は一切なかった。

 僕と純は会長の方へ踏み出した。具体的なことは考えていなかった。ただ、この男を殴らなければいけない、そう思った。


 「忠司くん!・・・・・どうしてこんなこと・・・」

 圭の声で僕らは止まった。普段の圭からは考えられない大きな声だった。


 「圭、そんなこと、いくら馬鹿なお前でもわかるだろう。少しでもライバルを減らすためだ。あっちに行って顔も名前もわからない奴を探して殺すより、今殺す方が合理的だろう。馬鹿なお前らは簡単に名簿に名前を書き、学校の記録で住所を特定され死んだ。・・・それだけのことだ。」

 

・・・・くっそ!

あの時に気づくべきだった。本当なら名前なんて書く必要なんてあるはずないのに。

・・・・殺し合いなんて異世界に行ってからだと勝手に思い込んでいた。


「なんで、哲也なんだよ。」

 だんだんと圭の声に怒気が混ざってきている。僕も含めみんなの顔がこわばっている。常にパーカーフェイスを保っていた副会長ですら。

ただ、会長の顔は変わらなかった。


「は、哲也だけを狙ったわけじゃない。本来なら、三人殺すつもりだった。まったく、予定が狂ったよ。せめて今度は、二人だけでも殺そうとしたら、今度は圭のせいでそこの女も殺し損ねたよ。」

会長は響ちゃん指を差しおどけるように言った。

もはや圭は何も言おうとしなかった。

ただ、空気は張り詰めていた。圭から発している殺気だ。いくら素人の僕でもそれは本能的に理解できた。きっと僕だけじゃなくここにいるすべての人がそうだろう。


・・・・それくらい、圭が恐ろしかった。


「いやー、でもさー、哲也君だっけ?予想していたよりも雑魚でさ、あんなに雑魚だったんならもう少し人数をその女の方に回しておくべきだったよ。それならそこの女も圭も殺せたのにな。・・・・それにしても、ほんとに哲也ってやつは面白かったよ。なんたって失禁までしたからな。あ、動画撮っていたんだ、見せてやろうか。笑えるぞ。」


そういうと会長は机の引き出しを開けようと机の方を向いた。

それと同時にものすごい速さで圭が走り出した。


圭と会長との距離は10メートルほどだったにも関わらずあっという間に2,3メートルほどになり、圭が地面を強く蹴り、机を飛び越え、会長にとび膝蹴りをしようとした。


その時僕は会長の顔を見て悟った。会長の顔はさっきまでのおどけるような笑いとは違い、理知的な笑みを浮かべていた。 

圭は挑発され会長の狙い通りそれに乗った。

 「けい!やめろぉ。」


その声で圭の体は少しだけぶれた。・・・しかし、遅かった。

会長は机の引き出しからナイフを取り出し、圭のとび膝蹴りをよけ、圭にナイフを躊躇なく突き刺した。


 「け、けい?!」

 「ちっ、おい、お前ら。そいつらを止めろ。」

 会長が走ってくる僕らを阻止しようと周りに指示を出す。しかし、圭の殺気にあてられ誰も動けずにいた。

 「うがあぁぁぁぁぁぁぁ。」

 「ぐっ。」

 ナイフが刺さったままの状態で圭が会長を蹴り飛ばした。

 圭は腹部から血を流しながらも会長を蹴り飛ばし、会長の前にあった木製の立派な机の上に猛り立った。

 殺気と血をほとばせながら獣のように会長を威嚇していた。

 「くっそ・・・おい、誰でもいいはやく圭を仕留めろ!」

 会長は喚いたが既に遅く、僕らは圭を守るかのような位置につこうとしていた。

 「け、圭さん。な、ナイフ。」

 響ちゃんが圭を手当てしようと圭に声をかけだが、圭が会長から視線を外そうとはしなかった。


 「・・・・はぁ・ここまでですね。できれば圭は一撃で殺しておきたかったのですが、邪魔されました。残念ながら時間です。」


やっとで転生まで行けました(;´Д`)

キャラの肉付けのためにグダグダなっちゃいましたw


ここまで読んでくださりありがとうございました。

面白かった、気になったという方は評価よろしくお願いします!


小説だけでは説明できなかったこともあるので気になった方は感想なので質問してください!

待ってます!!!


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