チーム
きりがいい所までと思ったら少し長くなってしまいました。
小説を書くのって難しいですねw
会長はもともとこうなることをわかっていたかのような顔だ。
「ちょっと、待てよ。なんでそうなるんだよ。」
純がそんな会長を睨みながら大声をあげた。
「そうだよ、納得できないよ、忠司君。」
圭も当然納得のいかない顔をする。
もちろん、僕も・・・。
会長は二人を嘲笑の混じった目で見た。
「だから、この組み合わせが最もベストでしょう。ほかに組み合わせがありますか。」
「僕ら三人のほかにここにいないがあと一人いるんだ。そしてそこの男子生徒1人と合わせたら5人になる。 だから、まだ組みなおせるだろ。」
僕は呆然としているもう一人の男子を指さしダメもとで会長に抗議した。
「ここにきていないもう一人というのが本当であるという証拠がない。それに、即席で組んだ5人よりもともと知り合っている5人組の方がこれから殺しあうことを考えればいいだろう。」
「ぐっ」
会長は淡々といった。
悔しいけど会長の言っていることは正しい。
いまあるグループを引き離して知り合い同士を殺し合わせるのは無理だ。
「忠司君、僕ら友達じゃなかったの・・・・。」
圭がか弱い声でつぶやいた。
「ッち、僕は生徒会長だ。私情に流されるわけにはいかない。それに、君のことを友達と思ったことは一度もない。・・・・すまないがここから出て行ってくれ。」
会長はイラついた顔をした。
しかし、それは一瞬だけですぐに無表情になった。
圭と会長との関係は僕らよりも長い。会長が圭の道場に通っているらしい。小学4年生のころかららしいからもう9年くらいは一緒にいるみたいだ。
そんな関係であるはずなのに会長は圭を切り捨てたのだ。
「お前、圭とは・・・。」
「純君!・・・もういいから。・・・・行こう。」
圭は純の言葉をさえぎり腕を引っ張りドアの方へ走っていった。
圭は必死にこらえている顔をしていた。
僕も二人を追いかけるように教室を後にした。
ドアを開けると見知った顔があった。
「あれ、和樹君 なんでここに・・・・・もしかして和樹君も。」
ドアに前で驚いた表情で僕を見てきた女の子、肩くらいまでの髪で背は低めでつつましい胸をもつおとなしそうな女の子・・・僕の彼女、唯だった。
唯と唯の友達は僕らと同じように名前を書いているところだった。
急にドアが開き、見知った顔が出てきたことに二人とも驚いていた。
「唯ちゃん、まさか、唯ちゃんも・・・・」
異世界へ転生することがわかってからこれまでにない以上に動揺した。
まさか、唯までもいるとは思はなかった。
100人程度しか選ばれないから、そんなわけないと思っていた。
別れるのはつらいけどしょうがないと割切っていた。
むしろ選ばれていないだろうとほっとしていたのに・・・・。
受付にいた副会長と目があった。
「ちょっと来て!」
「え、わっ」
僕は副会長から視線は放し、唯の手を取り圭たちの後を追った。
唯がペンを落とす音が聞こえたがそんなことはどうでもよかった。
「もしかしたらとは思ったけどやっぱり唯ちゃんだったんだな。」
僕らは屋上に来ていった。
昼休みが終わるまであと5分ぐらいだ。そのおかげか周りには人の姿は見えなかった。
もうすでに教室へ戻っているのだろう。
「う、うん。」
「それより、会議室には戻らないのですか。」
つややかな長い黒髪で清楚系の女子、唯と一緒にいた友達が怪訝そうに聞いてきた。
「あそこにはもう戻らない方がいいんじゃないかな・・・みんなが慌てて教室から出てきたって言うことは何かあったんでしょう。」
唯が心配そうに僕らを見てきた。
「あ、あの・・・みなさん転生した後も集まったりするんですよね・・・僕も仲間に入れてください!」
あの教室にいた男子生徒がそんな提案をして来た。いつの間にか僕らについてきていたみたいだ。
「確かさっきの教室にいた子だよね・・・その話の前に君と唯ちゃんの友達の名前を教えてくれるかな。」
僕は二人に視線を送りながら言った。
「あ、えーと、寺本響っていいます。唯ちゃんとはおんなじ2-1です。」
「僕は、北川哲也です。1年生です、よろしくお願いします。」
唯の友達の方は響、眼鏡をかけた親近感の湧きそうな男の子の方は哲也というらしい。
哲也の言っていたここにいるみんなでチームを組むというのは当然賛成だ。
これで悠大を入れて7人。12人には及ばないが7人も集まれば十分だと思う。
チームを組むうえで互いのことを知っておくのは大事なことなので僕らのことも軽く自己紹介をし、異世界でのことについて話した。
「それで、先輩たちはこの後どうするんですか。」
互いのことを話したり、これからどうするかについての見解を話し終わり哲也が言った。
「特に決めてないよ。みんな、どうする。」
みんなを見渡しながらそう聞いた。
「どうせならどこかにあそびにいこーぜ。」
「いいですね。 どうせ授業に出る必要もないですし。」
「そうとならりゃー荷物を持って正門に集合しようぜ。」
ということで今日はワイワイとすることが決まり各自教室へ荷物を取りに向かった。
その後は、カラオケにいったり、ボーリングをしに行ったりして遊んだ。
まるで、1軍メンバーのリア充だ。
そういえば、やはり哲也君は我々の同志だったようだ。カラオケではアニソンを歌い、ゲーセンの音ゲーではかなりの腕前を披露した。
なかなかのオタクである。
そんな感じで遊びまわり、今は僕の家でレッツパーティタイムだ。
コンビニで買い込んだおかしと注文したピザ・・・その他etc.
貯金をすべて使うような勢いで机の上にはたくさんの料理が乗っていた。
「そういえば和樹さんと唯さんって付き合ってるんですよね。もうやっちゃたんですか。」
酒なんて飲んでないのに酔っぱらっているかのように聞いてきた。ジュースで酔ったのだのだろうか。
「そうなんだよ、こいつらはもうやってるんだ。オタクにあるまじき行為だってんのに・・・。」
「なんで、純君が知ってるの!?恥ずかしいからやめてよ。和樹君も私たちの事話さないでよ。」
唯は顔を赤くし僕の肩をパッシと叩いた。
むふ、実にかわいらしいことだ。初体験は中3の時だったかな。中学校の卒業式の日に一緒になった。
実に素晴らしい卒業式だった。・・・・もちろん両方のだ。
「僕は魔法使いにはなれないかもしれないなー。魔法使いの証は2年前に捨ててしまったよ。実に残念なことだ。」
冗談を言うようにそう言った。
いや、ほんとに残念だなぁーー。
「そっかーじゃ―僕らは魔法使いになるのかなー。やっぱ憧れるよね。」
「圭は格闘家とかだろ。」
「そういえば圭さんは赤星道場の息子だったんですね。やっぱり空手とかできるんですか。」
響ちゃんが遠慮がちに聞いた。
ただ、興味は持っているみたいだ。
「少しだけだけどね。小さいころからやっているんだよ。・・・それはそうと僕と響さんは同級生だからさん付けで呼ばなくていいですよ。」
「くすっ、圭さんだってさん付けで呼んでるじゃないですか。私のこと呼び捨てにして構いませんよ。」
「え、えーと、呼び捨てはちょっと恥ずかしいかな。」
圭は少し顔を赤らめながら言った。
圭と響ちゃんがいちゃつき始めてようだ。
僕はそうでもないけど、独り身であるはさぞ純や哲也は悔しいことだろう。
帰ったらハンカチをキーとするかもしれない。
まぁこんな感じで僕らはたわいもない会話をしたりテレビゲームをやったりで互いに親睦を深めることができた。
こんなたくさんの人と飲み食いをして楽しいと思ったのは初めてだ。
次は、違う姿で集まることになるのだろうけど、その時もこんな風に楽しくやりたいな・・・。
「・・・もう9時か、そろそろ解散しようか。片づけはやっとくから帰りなよ。」
時間はすでに9時を指していった。あまり遅くなるといけないから解散することにした。
「そうだな、また明日。学校の屋上に昼集合にしようぜ。」
「はい、私も帰ります。今日はありがとうございました。」
「えーと、僕が響さんを送っていくよ。夜遅くに女の子が一人で歩くのは危ないから・・・こう見えても僕は鍛えてるから。」
圭と響ちゃんはどうやらいい感じのようだ。
響ちゃんも圭に「送るよ」と言われまんざらでもない感じだ。
圭が送っていくなら大丈夫だろう。
いや、むしろ圭がオオカミにならないか方が心配だ。
「わ、私は片づけの手伝いをしていくよ。」
「あ、僕も片づけ手伝いますよ。こういうのは後輩の役目です。」
「馬鹿哲也、空気読めよ。さっさと帰るぞ。」
哲也が後輩らしく手伝おうとしていたが純にこづかれた。
純は空気を読んでくれた。
にゃんにゃんするのを慮ってくれたみたいだ。
「あ、 そういうことですか。ではではお先に失礼しますね。ごゆっくりどうぞ。」
哲也は純の言っていることを理解したのかにやにやしながら僕らを見てきた。
唯は顔を真っ赤にしている。ばれてしまったことが恥ずかしいのだろう。
うちの彼女は照れ屋なのだ。
みんなが帰り、部屋には僕と唯だけが残り片づけをやっていた。片づけといってもごみを捨てるだけだからすぐに終わる。ゴミ袋にぽいぽいと放り込んでいくだけだ。
二人でやったおかげであっという間に終わった。
「シャワーでも浴びてきなよ。」
視線をそらしながら言った。2年ほど付き合っていたとしても恥ずかしくて言いにくいことはある。
赤面・・・とかはしていないと思う。・・・してないよね。
「あ、でも私着替え持ってきていないから取りに行ってくるね。私の家も親はかえってきていないと思う。すぐに戻るから待ってて。」
「ついていこうか。」
「いいよ、すぐ隣だから。五分で戻ってくるね。」
そういうと唯は着替えを取りに戻っていた。家も隣だからすぐに戻ってくるだろう。
宣言どおり唯は5分程度で戻ってきて今はシャワー中だ。
ジャーという音が聞こえてくる。今、唯が裸だと思うとひじょーに興奮してしまう。
・・・・覗かないのかって?
僕はそんな破廉恥なことはしないさ。まずそんなことをしなくてもこの後たっぷりと、ね。
うひひひ。
唯と入れ替わるように僕が今シャワーを浴びている。
焦ってはいけない。きちんと隅々まで洗うのだ。
僕はエチケットを大事にする男なのだ。
「何か飲む?」
お風呂から上がり冷蔵庫を開けて唯に聞いた。
「えーとじゃー牛乳あるかな。」
「牛乳ねー」
唯はお風呂上りには牛の白い液体を普段から飲んでいるらしい。
なんでも、どこかを大きくしたいとか言っていたような・・・いや、言ってはなかったな。
なんだかんだ、中学生の時から飲み続けているらしい。
しかし毎日飲んでいる割にはつつましいお胸だ。まぁーそこがかわいらしいのだが唯にとってはコンプレックスらしい。
胸のことを言うと唯はうつむいてしまう。だから思うだけにしておこう。思うだけなら大丈夫なはずだ。
牛乳を唯に手渡し唯の隣に座る。
二人だけの静かな時が流れ非常にいい雰囲気である。
唯はごくごくと白い液体を飲み、空になったコップを机に置いた。どうやらかなりおいしいみたいだ。
肩に頭を乗せてきた。
ふわりといい香りが漂ってくる。僕と同じシャンプーのはずなのに使う人によってこんなに素晴らしいにおいになってしまうのだ。もはや、才能だろう。
「えっと、いいよ。」
こちらを向かずに小さな声でつぶやいた。
僕が唯の方を向くと唯もこちらを向いてきた。顔が赤くなっている。
あ、唯が目をつむり、少し顎を突き出してきた。
何度かしているとはいえまだまだ、なれることができない。いまだ、チェリーの域を脱することができない。
はっ、そんなことは置いといて。
これは、キスしてもOKの合図だろうか。どう見ても合図だよな。
・・・・よし、キスするぞ。
むちゅーーーーー
僕が、唇を尖らせてキスをしようとして瞬間、互いの息がかかるほの1cmぐらいの時ガチャリという音がした。
それと同時に、唯も目を開き顔を離した。
「まずい、だれか帰ってきたみたい。唯ちゃんは二階の僕の部屋に行ってて。あ、靴・・・どうしよう。」
「わ、わかった。靴は靴箱の奥の方に入れておいたから大丈夫だと思う。」
おお、靴はすでに隠してあるみたいだ。これが、世にいうできる女であるに違いない。
そして唯はできる限り音をたてないように早歩きでトントンと階段を駆け上がっていった。
「誰かきてるの。」
そんな声が聞こえてきた。
声がする方を慌てて振り向くと。
「い、いや。誰も来てないよ。」
どうやら、帰ってきたのは母親だったようだ。
ちょうど大々的な事件があって忙しかったはずだ。こんなに早く帰ってくるとは思はなかった。
「そう。」
「あー、確か、連続殺人犯が捕まって今忙しんじゃなかったけ?。」
「ええ、そうよ。忘れ物をしたから取りに来ただけよ。どうせ帰ってきたからシャワーを浴びてまた仕事に戻るわ。」
「そう、忙しそうだね。」
「あなたも勉強をして早く寝なさい。」
そういうと、ふろ場のほうへ歩いて行った。
父親といい母親といい徹夜が多い。2人は社畜の鑑である。
「母さんだった。でもまたすぐに仕事に戻るみたい。」
「えーと、ばれてなかったかな。」
「たぶん、大丈夫だったと思う。」
母親がいる中で営みも興奮するがそうはいかない。なので僕らはたわいもない話をして時間をつぶしていた。
唯はどうやらエルフに転生したいそうだ。なんでも美形に憧れているらしい。それと森で暮らすのも楽しそうとのことだ。うさぎさんをおいかけるようなスローライフをしたいらしい。
ただ、フィクションの世界ではとはいえエルフは胸が小さいね。というと驚愕の顔をしていた。
すぐに「やっぱりやめる!」と強く言った。
ひんぬぅーのことをやはり気にしているようだ。
しばらくすると「仕事に戻るわねー。」という声が聞こえ玄関のドアが開く音がし母親が仕事に向かったのがわかった。
やれやれ、本当に仕事に行ったのやら・・・。
話していたのをやめ互いに黙ってしまった。
これで邪魔者はいなくなった。
やっちゃっていいのだろうか。 いやしかしムードというのがたりていないような気がする。もっと、ピンク色の雰囲気が必要だと思うんだ。あぁしかし・・・
そう僕が悶々と考えていると手を握られた。
唯の方を見ると紅くなった顔をして上目遣いでこちらを見ていた。
「ゆ、唯ちゃん。」
僕は名前をつぶやき彼女の小さい唇に・・・・。
ブーーブーー
スマホの着信だ。
もうっ! またしてもタイミングを逃してしまった。
「 ご、ごめんなさい、無視しちゃっていいから。気にしないで。」
「大丈夫だよ、急な用事かもしれないから、出た方がいいよ。」
「うう、ごめんね。・・・・・・・あ、響ちゃんからだ。」
むーそれにしても、タイミングが悪すぎる。
一体、僕に何の恨みがあるっていうんだ。
響ちゃんも僕らがにゃんにゃんすることわかっているんだからさ、気を使ってくれればいいのにさぁ。
いや、別に響ちゃんに怒っているわけじゃないよ。だけどさーもうちょっとねーーー。
「え、・・・・うそ・・・・わかったすぐ行くから。・・・うん。」
唯の顔色が悪く、何やらただならぬ気配が漂う。
「どうしたの、響ちゃんからだったんだよね。」
「た、たいへんだよ。響ちゃんたちが誰かに襲われたみたいなの。」
「え?」
「いま圭君が一人で持ちこたえてるみたいだけど・・・・。」
「た、助けに行かなきゃ。響ちゃんたちがどこにいるのかわかる?」
「う、うん。響ちゃんの家の近くの公園にいるみたい。」
「早く行こう。」
さっきまでも雰囲気は嘘のようにあり得ないほどの緊張が張り詰めた。
「その公園までどれくらい離れてるの。自転車で行ける距離なの。」
「学校の近くにある公園って言ってた。だから自転車で行けば10分くらいだと思う。」
僕らは着替えもせずにパジャマのまま家を飛び出した。
護身用として小学生の時使っていた野球のバットをもち、唯とともにその公園へ向かった。