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転生先のバトルロワイアル  作者: 音釜ワカル
転生前
3/20

殺し合い


 「はぁーうまく説明できるかなぁー。緊張するよぉ。」


 「落ち着いて最後まで、言えればいいんじゃよ。」


 「レイラねぇーさまなら大丈夫ですよ!ちゃんと聞いていない人がいたら私が耳を引きちぎって聞かせますから。」

 

 「そ、そうね。落ち着いてやれば大丈夫よね。」


 「・・・・この会話、聞こえているんじゃないのかい?」






 そんな会話が聞こえてきた。

 きょろきょろと声のする方を探す。

 圭が僕の方に指を向けた。

 一瞬僕がどうしたのかと思ったがみんなが僕の後ろを見ていたから僕の方を見ていたのではないとすぐにわかり、つられて僕も振り返り後ろを見た。



 そこには、何人かの男女が立っていた。

 明らかに、雰囲気が周りと異なっていた。服装も顔の形、髪の色あらゆるものが異なっていた。

 何より、宙に浮いていた。 

 

 12人。明らかに僕らとは違う12人の男女存在した。

 特徴はそれぞれだ。

 耳が長くラノベのエルフっぽい男性2人、女性1人

 髭の濃いドワーフのような男性が1人

 羽をもっていたりや角が生えていたり、肌の色が青色だったり黒色だったり一目で人間ではないとわかるのが3人

 特に特徴がなく髪の色や目の色くらいしかない、たぶん人間であるのが男性3人、女性2人。


 若いそうな人たちが多い。

 みんな20代前半ぐらいだろう。

 一番老けて見えるので70代くらいの人。人間だろう。

 最も若く見えるのは女の子でJCくらいだ。



 日々の予習ラノベをしていたおかげか見ただけですぐに状況を理解することができたと思う。

 うすうす感じていたものが確信に変わっていくのが自分でもよく分かった。


 僕らはこれから異世界に飛ばされる。


 自分の心臓の音が近くの人たちに聞こえているのではないのかと思うほどに僕の心臓は音を立てていた。


 「コホン、えー、初めまして神様です。」


 最初に聞こえてきた声で女性が少し恥ずかしそうな顔をして勤めて厳かな雰囲気をだそうとしながらいった。とても美しい声だ。

 きっと、さっきの会話が聞かれていたことが恥ずかしかったのだろう。


 「えーと、皆様にはこれから異世界、魔法と剣、冒険の異世界に転生していただきます。」


 きったぁーーーー

 無双にチートにハーレム。・・・・・・いやハーレムはダメだな。彼女いるし。目の保養程度くらいにしておこう。

 異世界に転生。そんな言葉で僕は今までにないくらい興奮していた。つい顔がにやけてしまう。

 友人の顔を見る。

 純と目が合いお互いにうなずきにやにやしてしまう。

 圭のほうは口をかけてぽかんっとしている。

 悠大は・・・さっきまでの表情とかわらず穏やかなままだった。悠大も喜んでいると思ったけど意外だったなぁ。

 顔をにやつかせたまま再び神様の方を向いた。


「そして、・・・こ、殺し合いをしてもらいます。」

 相変わらずとても美しい声だった。



 

 「殺し合いをしてもらいます。」

 そんな美しく冷たい声が聞こえた。

 はっきりと聞こえた。きっとここにいるすべての人が聞こえただろう。

 それにもかかわらず誰も叫ばなかった。

 叫べなかった。


 声が出せないようにしたのはこのためだったのだと嫌でもわかった。


 髪を明るい茶髪に染めたヤンキー風の男が12人の神の走っていくのが見えた。

 きっと何か言いながら走っていてるのだろうがそれを聞き取ることはない。


 男が急にしりもちをついた。

 まるで壁にぶつかったかのようだ。

 

 男は立ち上がると手のひらをそーと前に向けて近づいていった。そして、何かにふれたのか今度は両手を前に突き出しとまった。すると、握りこぶしを作り前後に降り始めた。

 後ろから見てもかなり焦っているのがわかった。


 すると、周りの人たちもヤンキーの様子に気づき走り出した。

 走り出した数人はある一定のところで必ず止まり男と同じ動作をした。

 気が付くと、前後左右の四方でおなじことをしていった。

 こんな光景を見ると嫌でもわかってしまう。


 僕らは四方に張られた透明の壁にとじ込められている。もしかしたら、上の方にも張られているのかもしれない。

 大きさは大体学校の体育館の半分くらいだと思う。



「もうお気づきだと思いますが、そこは壁に囲まれています。今はどうあがいてもそこから出ることはできません。」

 女神は目を伏せ、諦念や同情に似た顔をしていた。


 前の人の顔は見えないがきっと顔が憎悪に満ちているのだろう。あるいは、やるせない悲しみが体を覆っているに違いない。

 僕は・・・・期待感と恐怖が入り混じり何とも言えない感じがした。


「では、これからの説明をさせていただきます。」

 そういうと女神は大手社長の秘書のように淡々と殺し合いのための説明をしていった。



 それから淡々と説明が行われた。

 口がきけない僕らはそれを黙って聞くことしかできなかった。

 



 ・魔法と剣が存在する異世界に転生する

 ・種族はバラバラ、生年月日は全員同じ。

 ・残りが12人になるまで殺し合いを行う。

 ・70歳になるまでに全員が必ずここにいる誰かひとりを殺すこと。

 ・これから現世に戻り、転生するのは3日後。ただし、今起こっていること、これから起こることを知

られてはいけない。

 ・1900年以内に決着をつけること。

 


 女神が説明したのは大体こんな感じだった。

 まぁいろいろ気になるところはあるが・・・ひとまずは安心していいのかもしれない。

 この条件なら殺し合いをしなくても十分に生きていける。

 ・・・だって、70年も生きれば十分でしょ。

 


 



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