始まりの1歩
外せないようになっている?
アクラル・ブレインを付けるための動作を思い出した
確かしっかりと被っても外れにくい仕組みになってた
まさかあれが外れないようにしていたのか?
「もう、分かったと思うがこの世界から出るには城の完全攻略しかないのだ」
どう考えても明らかにおかしすぎる、一体なんのためにチェーン・クロス・オンラインからログアウトできないようにしたのか、頭の中で考えてみたがその答えは出なかった
「これでチェーン・クロス・オンラインのチュートリアルを終わる、プレイヤー諸君健闘を祈る」
そうい終わるとローブを被ったアバターは消えた
「ふ、ふざけるなよ、第100層まで行けるわけがないだろうが!!」
次々に広場にいたプレイヤー達がそう呟いていた
「メロディーちゃんとホワイトくん?」
声がする方向を見てみたらリアルで見たことのある女の子がそこにいた
「クロヤメちゃんなのもしかして?」
「やっぱり、シロシロとメロディーちゃんだ!」
「とにかく、ふたりともこっちに来て」
そういい、街の裏路地の方に移動した
「クロヤメちゃん、君に聞くけど、姫ちゃんはこのゲームにダイブしてるの?」
「うんうん、姫ちゃんはダイブはしてないみたいだよ、暁月くんも」
「そうか、それだったらよかったよ」
クロヤメこと黒崎 綾芽ちゃんは沙由香ちゃんの家に訳あって住んでいる、なので姫ちゃんがダイブしてるかは確認はすることができる
「とりあえず、姫ちゃんがダイブしてなかったのは良かったよ」
「シロシロはどうするこれから?」
「……メロディーちゃんごめん、しばらくソロで最前線に行きたい」
「シロシロ、君は正気かソロがどんだけ危険か君が1番知ってるはずだよ!?」
「分かってるよ、でもこの世界はベータテストの時とはわけが違う、だからメロディーちゃんを危険な目にさせたくない」
「……分かった、でも絶対にこの世界を攻略して、君ならそれができるから私は信じるよ」
「メロディーちゃんありがとう、絶対にあの城を攻略する」
「シロシロ、良かったらこれを持ってて」
そういいメニューウィンドウを開いてアイテムをオブジェクト化した
「これは序盤で手に入る片手剣のアブレニードルいいの、これがあれば10層までかなり戦えるよ?」
「いいんだよ、私が持ってるよりシロシロが持ってるほうがよっぽど役に立つから」
「クロヤメちゃん…ありがとう、大事に使わして貰うよそしたら」
1度ストレージに入れて剣を装備した
「うん、やっぱシロシロの方がその剣はしっくりくるね」
「確かに、ホワイトくんこれ持ってて」
「ポーションはさすがに受け取れないよメロディーちゃん」
「うんうん、私は君が最前線で活躍できるようにサポートするのが彼女としてできることだよ」
「メロディーちゃん..ありがとう、ポーションもそしたら受け取るよ」
ポーションは腰のベルトに三本入れて残りはストレージにしまった
「二人ともありがとう、このお礼はいつか必ず精神的に返すよ」
「ホワイトくん、それ毎度決まったように言うね」
「べ、べつにいいじゃん、必ずお礼返すから」
「あー、シロシロ照れてる〜」
「クロヤメちゃん、そのぐらいにしてあげて」
慌てて間にメロディーちゃんが入ってくれた
「ホワイトくん、早く行って、まずは第1層の攻略を頑張って」
「分かったよ、絶対に攻略するよ!」
2人に見送られながら圏外に出るた
圏内から出ておよそ20分経過したところでオオカミ系のモンスター、ウルカルグの群れの近くにいる
数は6匹、僕の今のレベルは3、ウルカルグのレベルは4
スカイスキルを性格に当てればまとめて倒すことは可能だがここは無理をしてやられるはけにはいかない
ログアウトできないとなると、HPが完全に無くなったら何か起きる可能性は高い、レベルを上げて最前線に行きたいが無茶はできない
そっとウルカルグの群れから離れて遠回りになるがルートを変えようと思って移動したが痛恨のミスをしてしまった
パキッ!
しまった、枝を踏んでしまって音を鳴らしてしまった
今の音でウルカルグの群れがこちらを見た
まずい、この状態だと戦闘は回避不可能だ
背中の鞘からアブレニードルを抜いた