序章
ゲームをプレイしようと思わなければ、この世界に閉じ込められることがなかったのではと、ときおり考えてしまう。
2035年、ゲームはフルダイブ技術が当たり前となっている時代
過去にいくつものフルダイブを使ったゲームがあるがこれからの物語は、鎖の城から脱出する物語である
「白くん、いよいよ明日が正式サービス開始だね♪」
僕は白夜 白、中学2年生13歳、どこにでもいるごく普通の中学生である
そして今話してる相手は彼女の音咲 奏ちゃん中学2年生13歳、小学生の時からの幼なじみで去年の夏の終わりから付き合っている。
「奏ちゃん、僕より嬉しそうだね、チェーン・クロス・オンラインをプレイできるのが」
チェーン・クロス・オンライン、これはVRゲームの1つ
期間サービスとして先行プレイであるベータテストが今年の春休みの時にあって、抽選5000人がプレイできる
それに僕と奏ちゃんは応募方法したら、奇跡的に抽選に選ばれベータテストプレイをしていたのだ
ゲーム内のフィールド設定は鎖がモチーフになってる100層にもおよぶ城を攻略するというゲームなのだ
ベータテスト期間は16層まだしかみんな登ることができなかったが今度は正式サービスなので100層を攻略したい
「だって、公式サイトを見たら25層に結婚の申し込みシステムが設定されてるんだよ、私が言いたいこと分かるよね?」
「分かってるよ、僕もそれは確認済みだからさ」
「二人とも、私がいることすっかり忘れてるでしょ?」
「あ、ゴメンって姫ちゃん」
奏ちゃんが焦って謝ってる相手は、小崎 沙由香ちゃん、みんなからは姫ちゃんと呼ばれている
理由としては沙由香ちゃんの家がお金持ちであることから呼ばれている
だが、沙由香ちゃん自体はお金持ちだと感じさせないように学校生活を暮らしているのだ
「明日の正式サービスでは私も参加するからね二人とも?」
「分かってるよ、一緒にやろって約束してたからね」
「そしたら、明日の午前9時からのスタートだから、奏ちゃんと姫ちゃん忘れないでよ?」
「分かってるよ白くん、明日がホントに楽しみ」
「奏ちゃんとシロちゃんはベータテスト期間は一緒にやってたけど私はその期間ソロでやってたんだからね?」
「それはゴメンって、今度はギルド作ってプレイしようね」
「もー、シロちゃんはいつもそう言う」
こうやって学校の帰り道で3人で話すのが当たり前になってる
よく、お互いの家にも遊びに行ったりとかはしてるほどの中の良さだとクラスでは話題になるぐらいの関係ではある
「それじゃ、二人とも明日のプレイ楽しもうね!」
曲がり角で奏ちゃん、姫ちゃんと別れた
「ホント、仲いいよね奏ちゃんとシロちゃん」
「そう言う、姫ちゃんだって暁月くんと仲がいいでしょ?」
「確かにそうだけど、付き合ってはいないからね?」
「えー、私はそろそろ姫ちゃんから告白したらって言ったじゃん」
驚きつつも微笑みながら話をする奏ちゃんも可愛いなって思ってしまう私がいる
「そう言えば、暁月くんも遊ぶって言ってたからもしかしたら、途中で会うかもねゲームの中で」
ニコニコと笑っている姫ちゃんはやはりかわいい
「お兄様おかえり」
「ただいま、鈴歌」
鈴歌、僕と双子の妹で、物心ついた時には僕のことをお兄様と呼んでいた
「鈴歌は明日の正式プレイはするの?」
「私は明日、友達とお出かけするからお兄様と一緒にできないかな?」
「そっか、帰ってきたら夜にでも一緒にする?」
そう話しかけたらビクッと体を震わせていた
「す、鈴歌、どうした?」
「お、お兄様、いつも私のこと気にせずゲームをしてるから、今回もって思ってたの」
顔を真っ赤にして話しているとこを見るのは初めてかもしれない
「わ、私は明日の準備をちょっとしてくるから先にご飯は食べてて」
「明日から正式プレイ開始か」