アメリカン・リーグ西地区補強編
レンジャーズ
『アズドルバル・カブレラ』
33才。遊撃手、二塁手。いいベテランです。通算打率.269。チーム成績を上方修正してくれる選手ですね。
パワーは基本的にはありません。昨年は592打数で23本。少な目ですね。これでは微妙にパワーヒッター枠には入れません。ですが、ないこともないので悪くはありません。
何よりも故障に強い方で、複数ポジション守れることも大きいですね。
彼がいることで、レンジャーズは安定感は少し増えると思います。悪くはありません。
スターではありませんが、故障に強そうで、安定感は抜群。再建段階のレンジャーズには合うような気がします。
若手のパワーバッターが生えようが、アベレージヒッターが生えようが、この人と並べるといい雰囲気になりそうですからね。
『ランス・リン』
昨年以外は上等な先発です。通算防御率3.57。一級品。右腕、31才。
……ん?え?……あのリンを獲得?レンジャーズみたいな今年も始まる前から終わっている枠のチームが?……ってなりますが。
注意すべきはトミー・ジョン後、シーズン全休、一年だけ復活後、成績悪化……なるほど、レンジャーズに来るべきキャリアではありますよ。
今年も3点台行ける可能性は半々。ケガしたスポーツ選手は信じちゃいけません。二十代までは、だましだまし行けるかもしれませんが、三十路は耐久力が落ちます。
リンも手術後一年休息に使って一年だけ復活しましたが、その年、良い契約を獲得するため33試合投げて壊れました。
リンは2017年でエース並みの活躍は最後だった可能性もあります。
とはいえ、投手力が最低レベルのレンジャーズには希望の星。
チームの戦力が回復する(気があるかも微妙ではあるんですが)まで、レンジャーズを支えて欲しい。そんな意味の三年契約ですね。チーム状況には丁度いい感じです。
目ぼしい補強はこの二人ぐらいですか。悪くない中継ぎとか、話題になるわけがない先発、たくさんの若手たちなどもいます。
レンジャーズは昨年23位の打率、14位の得点、そして、28位の失点……ここが不味いです。
攻守に課題は多いですが、とりあえず投手そろえないと、どうにもなりそうにありません。しかし、投手に人気もない球団。
今年も低迷しそうです。
マリナーズ
『ジェイ・ブルース』
31才、上級外野手。通算打率は.247ですが、5524打数286本塁打です。いいペースでホームラン打ってますね。
ホームラン王とかはビミョーに無理だと思いますが、十分な強さです。
元気だとホームランランキングの上位には入りそうです。
『エドウィン・エンカーナシオン』
36才。7年連続30本塁打以上の安心感。20打数で1本塁打。
DHでの出場がメインだと思いますが、トップクラスのホームランバッターですね。
ブルースと二人で60本以上は打ちそうです。かなり豪華にそろえて来ましたよ、マリナーズは。
レンジャーズがいい例ですけど、打率よりホームラン数が得点そのものには反映されています。大砲そろえた方が勝てる……はずなんですが、肌で感じる感覚は、違う気もします。
打率があって塁に出てプレッシャーかける、とかの小細工もあった方が、強い気がするんですけどねえ……。
『オマー・ナルバエス』
26才キャッチャー。通算打率.274の有望若手。ホームランの出は280打数の9。四球も選べますので、出塁率も良いですよ。
このままの成績を維持してくれれば、キャッチャーではトップクラスの打率です。
『ドミンゴ・サンタナ』
26才外野手。一昨年活躍し30本打ちました。ヘルシーなのかは分かりませんが、通算.261通算54本塁打と有望です。
20打席あればホームラン1発は出そうです。一昨年は15盗塁もしているので、活躍を期待したいですね。
年によって、対戦投手に対する、左や右の得意が変わっています。色々と迷いながらキャリアを積んでる様子はいいですね。
『マレックス・スミス』
25才外野手。日本のファンは好きになれそうな有望若手。
ホームランないです。昨年2本だけ。昨年は.296の40盗塁!!盗塁死も12。攻めるなあ。好きです。
サンタナとスミスは立場が保証されてなさそうな雰囲気です。個人的にはスミスに盗塁王狙ってほしいんですがね。
『菊池雄星』
27才左腕。パ・リーグのトップクラス先発ではあるものの、故障もそこそこ多い。
タフネスには大きな疑問をつけざるをえません。故障しなければ、面白いんですが……奪三振と四死球が多目なスタイルであることが、どうにもMLBの過密なスケジュールでは、不安を呼びます。
それらは壊れる投手の特徴ではありますからね。
奪三振は最低でも三球、四球はその名の通り四つ球数を放ります。
それらが多いと、1イニングあたりに投げる球が増えちゃうわけです。当然、イニング数の消化も悪い傾向にもつながるし、体力の消耗も大きい。
武器はジャパンマネーが保証してくれるであろう優遇契約。
……いや、これのあるなしは大きい。たとえ調子が良い実力者でも試合に出れないのがメジャー。契約が優先されますからね。ベテランは成績に問わず絶対に何試合は出せとかあるわけで……。
ああいうの、人気の衰退につながる悪癖でもある気もします。最盛期の選手の飼い殺しも起きやすい。
プロモートされた選手しか活躍出来ない仕組みというのは、なんかつまんない。それって、勝利優先ではないですからねえ。
……とはいえ、選手個人からすれば、エグい競争に晒されることも薄いから、安心して体調管理のスケジュール組めることは大きい。何月にピーク持っていきたいとか。
さて、菊地の選手としての武器は、もちろん左腕ということです。そこは本当にいいんですけど……フツーの先発として起用されたら、防御率3.75の、26先発148イニング165奪三振の13勝8敗……ぐらいだと完璧でしょうか。
チームの攻撃力も期待出来るので、長期離脱なければ10勝以上は難しくないはずです。
一年目はMLBにもデータ無いので、左の投手にはとても有利なはず。モチベーションも高いでしょうから、がんばってほしいところですね。
でも、ケガの気配はつきまといます。
マリナーズは先発パクストンとのトレードやらで、そこそこ良さげの中継ぎ、若手を獲得しています。菊地が頑張ってくれたら、そこそこ面白そうですね。
マリナーズはキャラ濃いの揃えたんで、ファンになると楽しめそうですよ。イチローもいますしね。
アスレチックス
『マイク・ファイヤーズ』
33才。先発右腕。通算防御率4.04。先発の三番手とか四番手に彼がいると悪くない感じですかね。ノーヒットノーランしたこともあります。
個人的にアストロズ時代から応援しているので頑張ってほしいです。
『ジェリクソン・プロファー』
25才両打ち、外野内野全て守れる。昨年は本塁打20の.254。さらなる飛躍が期待できなくもないです。
守備全部行けるのは、戦力の管理しやすい人というか。器用さのカタマリみたいな人ですね。チームに故障者出ても、どうにかなりそう。いい選手ですね。
ちなみに、死ぬほど野球が上手な、あのキュラソー島民です。オランダ領です。
キュラソー島はカリブ海に浮かぶ14万人ぐらいの島なんですが、メジャーリーガーやらマイナーリーガー合わせて、300人以上出してますな。
この島で野球がちょっと上手な子はプロ野球レベルにはなれているってレベルですけど。
野球少年300人いたら、そこから毎年5~6人ぐらいはメジャーリーグのエージェントにアメリカまで連れていってもらえる。
エージェントに声かけられるレベルはどれだけおるんじゃろう……って勢いです。
WBCオランダチームの上級選手って、ほとんどキュラソー島民です。
スポーツってDNAで決まってるんだなあ、と再認識させてくれる島ですね。キュラソー島民は、どれだけ野球に向いているのか……。
『ホアキム・ソリア』
34才中継ぎ右腕。クローザーも、セットアッパーもいけます。通算防御率2.88通算220セーブです。
タフな中継ぎです。全盛期過ぎてはいますが、十分な戦力になりますね。
エンゼルス
『コディ・アレン』
30才右腕。インディアンズの若きクローザーですね。毎年たくさんの試合に投げ続けて好成績を維持。
しかし、昨年は大きく荒れてしまいました。通算2.98の防御率も、昨年は4.70。投げすぎて壊れているかも?という疑惑から、今年は一年契約。
もし復活すれば、最高クラスの成績になりますので、どこかといい契約出来そうです。モチベーションは高いでしょうが、今年でダメならキツいかも。投げまくって来ましたからね。
『トレバー・ケーヒル』
30才先発/中継ぎ右腕。
若い頃は最高。ここ数年はよく分からない。活躍するかもしれないし、活躍しないかもしれないですね。昨年は20先発で3.76。長いイニングでなければ、行けるのかな?
そういう人を集めているイメージです。エンゼルスは三位ぐらいを目指す形でしょうか。
『マット・ハービー』
29才右腕。キャリア前半は良さげでしたが、トミージョン行き。一年復活、その後、壊れる。よくあるパターンを地で行きます。
昨年の防御率は4.94、通算では3.80。壊れる前は相当のもんです。長いイニングは投げれそうにないです。
落ち目の元いい投手を、集めてますね。長い時間というより、今年踏ん張ってくれという、モチベーションを利用してるかもしれません。
『ジョナサン・ルクロイ』
32才捕手。通算100本塁打に通算打率.277の頼れる捕手。能力は落ちてきています。三十路突入と共に打率、そしてホームランの勢いが強烈にブレーキ。
ホームラン出やすいというコロラドに移籍しましたが、なんか打てません。
……うん。なんか方針がハッキリしてるGMがいる感じですね。
アストロズ
『ロビンソン・チリノス』
34才捕手。平均的な捕手としての能力と、1392打数で68本塁打とパワーを持つ野手。
通算打率.233は高くはないですが、ホームラン狙いのキャッチャーとしては十分。
捕手の層も分厚いアストロズに、いい素材が入りましたね。
正捕手ギャティス、控えのスタッシ、チリノスと、300打数与えたら少なくとも10本以上は打ちそうな人々が揃っています。
アストロズは昨年キャッチャーだけで44本打ってますが(ギャティスが25本)、その数を維持する以上の能力がチリノスにはありそうですね。
『マイケル・ブラントリー』
31才外野手。肩の故障と手術がありましたが、それでも年俸16億円に値する外野手です。
通算打率、.295。昨年は.309に17ホームラン12盗塁。守備ミス少なく、打率も高く、ホームランもそこそこ出て、盗塁までやる。
ケガがなければ年俸20億は取れたっぽい人です。
素晴らしい補強ですね。二年契約なのもいいです。
『アレドミス・スミス』
28才。遊撃手ですが、二塁三塁左翼も守れるみたいですね。主力ケガしたときも色々とカバーしてくれそうで楽しみです。
通算打率.275。昨年は422打数で18本塁打とまずまずのペースでホームランも打ててます。
オールスターにも一度選ばれているいい選手です。
まとめ
アストロズ 十分な戦力があるので補強する必要は少ないです。しかし、獲得した面子も数は少ないですが、ハイクオリティ。レギュラーが欠けても攻撃力を維持するような仕組みです。地区優勝候補筆頭ですね。
アスレチックス 意外と強かったのが昨年。ドベ候補だったのですが。今年も強い保証はありません。優勝候補とは予想しがたい。
マリナーズ 改造しまくった感じです。上手く行けば、かなりの攻撃力なんですが。懸念は先発陣ですね。菊池雄星の働きにも大きくチームの順位が変動しそうです。
エンゼルス 良くも悪くもない感じです。獲得した怪しい人々が機能すれば、勝ち越せるかもしれませんが、地区優勝は無理でしょう。
レンジャーズ ダメだと思います。かなりいい先発を獲得しないと運命は変わりません。リンが冴えたら、良いんですがね。エース級の若手が生えてくると、運命が変わりそうです。
やはり本命アストロズが揺らぎそうにないですね。一昨年は打線で勝ち、昨年は投手力、今年は一昨年を越えそうな打線作りを感じます。




