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新たな出会い

書き上げた原稿が消えてしまうという事件を経験してしまいました…

いやぁ、あんなに焦ったのは久しぶりです。

では、どうぞ。


「お、お前は!───誰だ!」


「分からないんかいっ!、あたしのこと忘れたのぉ? あんなに昼も夜も()()()仲じゃない」


(……身に覚えが一つもない)


いわれのない偏向報道を披露された。

容姿は緑ショート髪のゴスロリ少女。


「…主よ、()()()()()()()()()() 私というものがありながら!」


「えっ? …いやいや殺るわけないだろ? そもそも、殺ったらもうここにはいないだろ」


「…そんなに、凄いのか……?」


「ん? なにが?」


「二人とも面白いねぇ〜」



収拾がつかなくなってきた…

そう感じたベルターは質問をする。


「結局のところ、あなたは何者ですか? それにロア様が勇者…? それはどういうことですかな?」


「え?勇者ロアを知らないの? …言わない方がよかったかにゃ?」


「いや? 隠すことでもない、聞いての通り俺は元勇者だ」


「「そうだったのか(ですか)!?」」


「その話、詳しくお話下さい」


「…後で話すよベルター。と、すると俺を知っている人物か」


幼女は目を光らせる。


「大当たり! 私は天下名高い魔王軍の元四天王が一人、[イロウシェンフェアリー]のウンゲテューム·ベールフル様だよ!」


「やっぱりか…」


確かにコイツは俺と戦ったことがある。

最初に出てきた四天王だった。

こいつは毒や眠り、混乱の状態異常がつく霧をだしてきた。自分が危なくなると煙を部屋に充満させて逃げたが。

その時はこんな幼女スタイルでも無かった。


「いやぁ、魔王サマが居なくなって魔力供給途切れちゃってねぇ、こんなちっちゃくなっちゃって…常に省エネ状態って感じ?」


「魔力を供給…」


「───ってなわけで、魔力もらいにきましたー!」


「えっ…嫌です」


「…どーしてさー! 先っちょだけ!先っちょだけでも!」


ぎゅむっ、とロアの腰に抱きついてくる。

そんな光景を指をくわえてリルは見ていた。


「魔力を供給するだけなのに先っちょもクソもあるか! 離れろ!」


思わずロアは頭を抱える。

帝国から帰ってきて早々にこんなことがあり、疲れていた。


「じゃあ勝手に貰うね、そうするね![エナジードレイン]!」


「なッ! この! 魔力吸いすぎだっ! 終わり終わり!」



「んはぁっ! ごちそーさま♡ 美味しかったからつい吸いすぎちゃった」


「なにが つい だ。…ほら、お菓子やるから帰れ」


「あたしの家ここ(魔王城)なんだけど」


「…そうじゃん」


「うん! これからよろしくねぇ~。先輩として色々教えてあげるよぉ」


手を広げて挨拶をするベールフル。


「ではベールフル様の部屋はもうあるのですね?」


ベルターは話を進めた。

それを聞いたベールフルは


「ないね!…勇者君の部屋でもイイよぉ?」


「………」


いい笑顔でサムズアップをするベールフル、それを聞いてリルは睨みをきかしている。


「…お前以外の四天王は居ないのか?」


「うん、いないと思うよ。みんな魔王様がいなくなってバラバラになっちゃったからね。アタシは宝物庫のが今のところの住処かな」


ロアはさっきあげたドーナツを食べているベールフルに質問する。

魔王城散策しても他にロアが戦ってきたはずの四天王がいなかった。


─四天王とは戦ったのだが全員殺してはいない。あの時(勇者時代)はまだ人型をしている生き物を殺すことに抵抗があったからだ。

ロアがそんなことを考えている間に魔力は元通りになったようだ。


「ふぃー、ありがとね♡」チュッ


ベールフルはロアの頬にキスをした。

ロアはロアで微妙な顔をしている。


「何をしているんだ貴様は…私だってまだそんことしていないというのに…」


リルは低い声でベールフルに言う。


「御二方、喧嘩は後でやって頂けますか?… ロア様」


「あぁ、俺は元勇者だってやつだな?」


──そこでロアは全てを話した。

親が教会と国に殺されたこと、自分も国に殺されそうになったこと。勇者になり、魔王を倒したこと。そして、魔王になった経緯も。


「これが、俺の過去だ」


「「「……」」」


──やってしまった…と、ロアは後悔した。

主とはいえ、俺は魔族の王、魔王を殺してしまった人間。つまり、ここにいる三人の()()。帝国のようにはいかない。

自分は少し楽観的に考えてしまっていた。

その結果、2人にこんな表情をさせてしまっている。

そんなやつ、(人間)が主など嫌だろう。

ベルターなどは人間が嫌いだったはずだ。

ロアは後悔した。

──まだ始まったばかりではないか、と。


(ほら、二人が怒りで震えてる…)


「…二人とも」


「それは…お辛かったでしょう。もう大丈夫ですよ。私達がいる限り二度とロア様にそのような気持ちにはさせませぬっ」


「…あぁ、ベルターの言うとおりだ。我が主に対してここまでの無礼を働くとは不敬だな」


「ふ、二人とも? 俺は元勇者、なんだぞ…?」


「フッ、心配せずとも私達は主の味方だよ」


「そうですとも…私の主は現魔王であられます、()()·()()()()()()()()様だけです。」


「今の主は元勇者ではなく、勇者の力も兼ね備えた最強の魔王ということだろう? だからそんな顔をするな、魔王の名が泣くぞ?」


──ロアは涙が出そうになる。ロアの中身(性格)が変わったとはいえ罪悪感は多少あったのだ。自分は所詮人間でリル達(魔物)の敵だ、と。俺はコイツらの気持ちを踏みにじっているのではないか、と。


「うん…うん、そうか! ありがとう、お前らほんっと、大好きだ!」


ロアはようやく肩の荷がおり、解放された気分だった。


───····──....──··..·.··──


話を終えたロア達はベルターが淹れた紅茶を飲みながら今後の魔王軍について話をしていた。


「じゃあベールフルはこの二代目魔王軍に入ったということでいいのか?」


「んー、いいんじゃない? あたしはここにいるしかないしね!これからよろしく! ロア君!」


「おう…これからだが、帝国はもう落とした、当分は大人しくしておく。今、魔界は手薄だ。魔界で他国が戦争を仕掛けてきたら負けることはないだろうが被害は大きい。それに、個々の力は強くても全体の力が弱い!…なのでコミュニケーションが取れる魔物を集め、軍隊を作ろうと思う。幸い、無駄に大きく作られている訓練場がある。そこで力の向上を図る。つまり軍を構成するということだ」


「…主、ひとつ質問があるのだが、剣の心得を知っている者はここには一人も居ないぞ?」


「フッフッフッ…この魔王、侮るなかれ! ちゃんと考えている!! 一時間後魔王城地下ホールにて待っているぞ? 《転移》!」


ロアは三人の前から姿を消した。


「一体主は何をするつもりなんだ?」


────────────..·


ロアは今魔王城の地下ホールにいる。

地下といっても豪邸が丸々10軒入るくらいの大きな空間だ。

ロアはここでよく飛行射撃の練習をしている。


「さてと、早速作っていこうかね」


ロアは地面に手を付き、魔力を流し始めた。


──·.·.────·.·.───·.·.──


一時間後、ちょうど鉢合わせたリルとベルターとベールフル。三人で地下ホールに赴く。


「主ー! 来たぞー…はっ?」


「…これは、」


「なにこれすっごーい!」


地下ホールの扉をリルが開き、三人は驚愕の表情をする。そこには、視界に入りきらないほどの筒状の建造物があった。


「おっ! 来たかお前達」


「ロア様、これは一体…」


「よくぞ聞いてくれた…お前らもこの形に見覚えくらいあるはずだ! そう! 帝国にあった()()()を真似たものだ!」


あの豚野郎(皇帝)が再開させた剣闘士の戦い。それが行われていた闘技場を模したものだ。

しかし、大きさは二倍以上あり、外壁は魔力でコーティングしてある。


「こんなものを作って一体なにをするというんだ?」


「簡単なことだ、世界中の魔族、魔物を応募して、ここで競わせる。最後に残った者を魔王軍騎士団長とする、以上! 俺は勇者だから剣の扱いは慣れてるけど基本スキル頼りだったし、レーザーも出せたしであんまり教えることはないんだよね」


「な、なるほど」


「いいじゃん! バトルロワイヤル! 楽しそう!」


ベルターの目には多少の困惑があるが、

ベールフルはとっても乗り気だ。


「しかし、そう簡単に集まるものなのか?」


リルの言うことは確かに正論だとロアは思った。


「なら、何か褒美を与えるか…何をしたらいいと思う?」


「…ロアの手料理がいいと思うぞ」


「それは良い考えです! リル、冴えてますね!」


「フフンっ、そうだろうそうだろう」


いつの間にかリルを敬称なしで読んでいるベルターにロアは微笑みを浮かべた。

リルとベルターはロアの手作り料理が良いと言っていたので、ロアもそんなことで良いなら…と乗り気な姿勢を見せる。


「えっ? なになに? ロア君料理できるの? いいなぁー、あたしも食べたーい!」


「夕飯でな、さて…ならさっそく街に映像流すか」



街、とは魔王城を中心として魔族が暮らしている所である。亜人なども住んでおり、互いに共存して暮らしているようである。

ロアはストレージを探り帝国でも使ったセットを出して起動させる。

すると、街にモニターが何台も出現した。


pi! ブゥン


『やぁ我が同志達よ、唐突だが重要な知らせだ、魔王軍は今危機に晒されている』


「魔王様だ」

「何かあったのか?」

その場がどよめく。その様子を察したのかロアは優しい笑みを浮かべる。


『単刀直入に言う、我が魔王軍に入隊希望がある者や腕に自信がある者は是非五日後、魔王城地下ホールに来て欲しい』


ガタッ!! と映像を見ていた戦いに覚えがある猛者達が反応する。これらの者達は前魔王に入隊を希望し、入れなかった者達が多い。何故なら前の魔王軍は何を隠そうロア達によって殲滅させられたからである。


『詳細は魔王城付近の掲示板を見よ、皆の参加、期待している』


ブチッ──


この知らせは魔界の戦士達を震わせた。

ある者は魔王様の御前で戦えるのか、と。

ある者は軍に入って魔王に対し下克上を狙ってやる、と。

掲示板を見た者は勝てば魔王様と食事が出来ると。

他にも戦いだけは観戦したいという者も沢山いる。


──….··──·.─


「どうやら上手くいったようだな」


ロアは市民の反応を見てニヤニヤしている。


「そうでございますね、噂は広がりますから国外からも大勢来るでしょう」


「席数増やしておくか…」


「主よ、エクストラマッチ的な感じで私も戦いたいぞ!」


「ふむ…考えておこうか、色々やることがあるからお前達手伝ってくれな?」


「祭りの開催準備のようで楽しいわね!」


ベールフルは楽しそうに言う。ロアもウキウキしている様だ。


「三人は今から城内にこれを取り付けてくれ」


ロアは三人分の袋を出す。

中に入っていたのは大量の火災探知機のようなものであった。ロアが前魔王の技術を使い、新しく開発したアイテムである。名前は「対魔物警備監視カメラ」この中には魔に属する者が嫌う、妖精がいる泉でとれた聖水が入っている。不審な動きを見せた者を発見した場合小銃が展開され、聖水が発射される。俗にいうテロ対策である。ロアは城中に監視カメラを取り付け、頭に直接映像を送り込んでいるが、万が一がある為取り付けを頼んだ。


「これを今から指定する場所の天井に取り付けていってほしい」


「承りました」


「了解したよ主」


「おっけ~!」


(魔王城は広い。ここでのベールフルの登場はとってもちょうどよかった)


「開戦は5日後だ。 楽しみだな!」


さて、どうでしたでしょうか?

次回はロア君主催のバトルロワイヤルです。

新キャラが沢山出ると思います。

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