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襲来

今回はいつもより少ないです。

キリが良かったので…


ロアが眠りについた頃。

残された二人は城内から出ていた


「60体くらいか?」


「正確には63体でございますよ「うわ、嫌なタイプの大人だ」……一際大きなものも来ているようです。気をつけて参りましょう」


「分かってるぞ…そんなこといちいち気にしてたら禿げるぞ? ベルター?」


「本来ワタクシ髪ありませんゆえ…お、そろそろ」


魔王城の門前、二人はそんなことを言いながらリルは人化を解き、ベルターは人化を解かず粒子化していた鎌を出現させた。

それぞれが何も無い空に向かって臨戦態勢だ。

突如、空に召喚陣が無数に形成された。


『じゃあ小さいの31体ずつな、お前の実力見せてもらうぞ』


「承知」


召喚陣から出てきたのはBランクモンスター[ワイバーン]の群れであった。


[じゃあ……先に行ってるぞッ!!]


ドォンッ!!!!


銃声の様な轟音をたてながら1匹の狼は空を駆ける。元居た地面は抉られている。

見えない地面を踏みしめ、豪速球で群れへと突っ込んでいった。

その惨状を見たベルターは、


「ほっほっほ…あの足で蹴られると痛い所では済まなさそうですな……敵にはしたくないものです。さて、私も僭越ながら…」


ベルターは腰を低くし、鎌を構え、ギリギリまで回した腰を軸にし、ワイバーンの群れに対し、渾身の力で鎌を横に振るう。

左目には紫色の淡い炎が燃えている。


「ぬぅッ!!」 ブゥンッ!!!


その振るった鎌から紫色の衝撃波の様なものがでた。

ワイバーンの群れにヒットした瞬間、()3()1()()の個体の動きが止まる。

すると、ワイバーンが次々と紫色の炎に包まれる。

数秒後には炎に包まれ消滅した。


[はっ? こっわ! 何お前、私も一撃で殺らなきゃじゃないか……ッ]


ワァォォォォォォォンッ!!!!!!


リルは空中に留まり、群れに向かって盛大に吠えた。

大気は振動し、木々は傾く。


──するとどうだろう。

リルの体毛の紅色の線と同じ色をした魔法陣がリルの背後に形成された。

リルは低い唸りを上げる。それが引き金となり、魔法陣から太陽光にも等しい密度のレーザーがワイバーン達を焼き払った。

ベルターにも当たりそうだ

その後、やり終えた感のある人化したリルがベルターの隣に降り立つ。


「あっぶないですね!…もう少し周りを見てですね…」


「あ、あれくらい避けて当然であろうな!「あっ、今少し危なかったと思ってる」うるさいぞ!」


「……で、どうされるおつもりですか?この惨状」


「…あ、」


リルが放った高密度のレーザーはワイバーンだけでなく地面を深く抉っていた。

その惨状はさながら巨人がそこで砂掘りでもしたのかというレベルで。


「───主に見つからなければ」

「二人ともー、終わったか?………どういうことだこれは」


「………」


「リルがやりました」


秒で裏切ったグリムリーパーを見遣り、恨めしい目で見た。

彼女の額に明らかに戦闘中にかいたものではない汗が滴る。

無意識に人化を解いてしまっていた。


「…よ、よく、眠れたか…?」


「そうだな、目もすっかり冴えてしまった」


「あ、あははは…」


一際大きな魔法陣からワイバーンの上位種、[ワイバーンロード]が出現してくる。


「うーん…なぁ、あの魔法陣壊せば出てこれなくない?」


「? そのようなことが出来るのですか」


「魔王の鍛冶場で魔力を吸い取る盾を見つけたんだよ。説明書付きでな。魔法陣っていわば魔力の塊では、と思ったわけだ 」バキンッ!


ロアが虚空から出したのは魔封じの盾という装備品。

その盾は深く地面に突き刺さっている。

説明書には「トロールでも重すぎて運べない装備品として致命的なゴミ」と書かれていた。


「これをな?」


ロアはその盾を鷲掴む。

いとも簡単にその盾を地面から浮かせる。


「こうして…」グググッ


召喚陣に盾の尖っている所を向ける。

そして、円盤投げに似た構えをする。



「ま、まさかロア様…」


「おぉ、主は天才だな!」


ベルターは困惑し、リルは腕組みしながら頷いている。


「こう、だっ!!!!」


ブォン!!!!!! ガッ!!! ガガガガガガッ!!!!!! キィィィン!!!! ボトッ…


ロアはなんと魔法陣に向かって盾を投げた。

豪速なんて生温い速さで投げられた盾は真っ直ぐワイバーンロードの方へ向かい魔法陣を破壊した。

砕け散った魔法陣はダイヤモンドダストのようで美しかった。

最後に落ちたのは言わずもかな、ワイバーンロードの上半身(?)だった。リルの作った大穴に落ちていき、生々しい音を立てて地面に激突した。

ノーマルワイバーンより二倍くらい大きかった。

魔法陣から出る途中で破壊された為、空間が分裂し、上半身だけのお迎えとなったのだろう。あちら側にはワイバーンロードの下半身(?)が残っているだろう。

なんとも痛ましい。


「こんなことになるとは思わなかったんだ…ちょっと動いてるし」


「ってかどうして魔物が魔王城になんて攻めてきてんだよ」


「まぁ、十中八九あの法国家宣言だろうな、その事を良くないと思っている魔物は少なくない」


「なるほど、これからもこういう案件増えそうだな…二人ともよろしく頼むぞ」


「承りました」


「分かったぞ」


二人の返事を聞き、ロアは口を開く。


「じゃあ、戻ろうか」


__···:__……·【_"·】


「門番を作りたいと思います」


「門番ですか、今や魔王城は手薄どころかザルですので素晴らしいお考えかと」


「しかし主よ、門番といってもどのような種族にするんだ?」


「やっぱり門番といえば…ゴーレムだろ?」


ゴーレムといえば、素材とする素材で強さが変わっていくモンスター。泥でできたゴーレムもいれば、金属でできたゴーレムもいる。

そのため、ランクが非常つけにくいモンスターである。


「ゴーレムですか、石などのゴーレムだと耐久性に欠けますね、何製のゴーレムにするのですか?」


「ダイヤモンドとかいいんじゃないか。硬いし」


「…はい?」


「いや、だからダイヤ製だが?」


「…主よ、そんな資源はどこから出てくるのだ?」


「……」


ベルターは無言で頷く。


「あぁ、それなら魔王城の地下にあった宝物庫に資源はたくさんあったからな。そこから拝借する」


「宝物庫…」


「じゃっ、作っていこうか」


~簡単、ゴーレムの作り方~


まず、アンデット作成スキルを使用します。

次に、ゴーレムを選び決定します。

魔法陣が出てくるのでその中に素材を入れ続けます。魔法陣が途中光を発することを確認したら、ゴーレムが完全に出てくるまで待ちます。

魔法陣が大きくなり光沢を持った煌めく美しいゴーレムが出てきた。

その巨体は魔王の間天井ギリギリに収まっている。


「凄いぞ主、全身ダイヤだ」


「それでここからどうすんだ? そのまま出てもらっちゃ困るんだが」


「命令すれば良いのではないか?」


「そうなのか?おーい! お前小さくなれるかー?」


ロアがゴーレムに対して言う。すると、


『pi,pipipipipi、貴殿ガ我が契約者(マスター)ト確認。これより、要求ヲ開始する。』


目が光り、ゴーレムは動き出す。


ゴォン!!! ゴォン!!!


魔法のように小さくなっていくゴーレム。

やがて彼はロア達と同じくらいの大きさになった。


『契約者、指示ヲ』


「魔王城の門を守護して欲しいんだ。可能か?」


『要求ヲ開始する。』


ゴーレムは扉とは違う場所に向かう。窓だ。


バリンッ!!!!! ………………………ドォンッ!!!!!


ゴーレムは飛び上がり、窓からでた。


「…なかなかワイルドなゴーレムだな」


「主よ、あれに野性味は感じられないぞ?」


「ひとまず、門番は出来た。次は食料だ。もう底をつきそうなんだ」


「付近にある国を支配すればいい」


「そうだよなぁ。領地も増やしたいしな…やはりエペイスト帝国かなぁ」


[エペイスト帝国]とは武力でいえば世界一といわしめられている強国である。


「新生魔王軍の初の仕事としては申し分ないと思われます」


「では、計画を立てるか、主」


──..·………··─__.──


三人の計画がまとまった。

別に滅ぼす訳では無いのだ。

帝国には魔王領に下ってもらう。

実質支配だが…

…トップを人質にするかしてな


「戦争をする訳じゃないからな、戦闘は最小限」


「ふむ、無駄な殺生は民にも禁じたからな」


「では、日程を考えましょう」


……_…|───…·..

ちょくちょくロアのお料理シーン

入れたいですね。

さぁ、次は帝国編です。

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