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2.愛と悲しみと異世界転生阻止するマン

「今日は転校生を紹介します」


 先生が黒板に名前を書いている!!

 山田の学校に転校生が来たのだ!!


「ええっと……始めまして。

 襟村沙羅です」


「す、すごい美少女だ……!

 というか耳が尖ってる……?」


「ご主人様!!」


「おわっ!?」


「お会いしたかったです、ご主人様!!

 さあ、異世界へ行きましょう!!」


「な、何を言ってるんだ!?」


 山田に詰め寄る謎の美少女。

 彼女は一体何者なのか!?


「こ、こら、沙羅さん! やめなさい!」


「うるさい!! 邪魔しないでください!!」


 沙羅は異世界特有の魔法を使い、先生を燃やした!!


「うぎゃああああ!!! あついいいいいいい!!」


「なんなんだこの子は!! ど、どうすればいいんだ!?」


 パニックに陥る教室!! 逃げ惑う生徒たち!!

 その時だ!! 我々に聞き覚えのあるあの声が、教室に響き渡ったのは!!


「とーーーーーーーーーーーーうっ!!」


「な、なんですか貴方は!? ここ4階ですよ!?」


 窓を突き破り、学校に不法侵入してきたのは、勿論!!


「私は! 異世界転生! 阻止! する! マン!!

 貴様の様な場違いエルフ少女は、異世界へ帰るべきだな!

 そう、今すぐに!! くらえ、異世界転移阻止ブラスター!!」


 説明しよう!! 異世界転移阻止ブラスターとは、異世界の人間を強制送還させる光線銃である!!


「おとなしく元の世界へ戻れ!!」


「いやああああ!!」


 エルフ少女は異世界へ強制送還させられた……


「やあ、また会ったな少年」


「あなたはこの間の……」


「うむ。異世界転生阻止するマンだ。君は随分と異世界に縁があるようだな。

 もしかしたら君は、違う意味での異世界……所謂パラレルワールドで異世界転生していた人間なのかも知れんな」


「は、はぁ……」


「だが、安心したまえ! 私が居る限り、君を異世界転生させることはない!

 必ず阻止してみせる!!」


「ククク……それはどうかな?」


 我々は、この声も知っている筈だ。

 彼こそは異世界転生阻止するマンの宿敵!!


「そ、その声は、神!」


「ククククク……やはり貴様は私の邪魔をする気のようだな……

 ならばよかろう、私のかわいい転生者に、貴様を滅殺してもらおうか!!

 出でよ!! 転生者カズキ!!」


 ズズズ……


「まったく……なんで俺がこんな事を……」


「すまんのう。そういうルールなのじゃ」


「おのれ、嘘ばかりつきおって……許せん! 阻止パンチ!」


 怒りに震える異世界転生阻止するマンは、カズキに渾身の阻止パンチを放つ。

 だが、ただつっ立っているだけのカズキに攻撃を弾かれてしまう。


「あれ? 俺なんかやっちゃった?」


「グワハハハ! 馬鹿め! カズキはあらゆるダメージを無力化するチート使いなのだ!

 貴様の攻撃など通用せんわ! そもそも既に転生している者に転生阻止パンチなど、笑止千万!!」


「フフフ」


「な、なにがおかしい!?」


「どうやら、貴様らは勘違いをしているようだな」


「なに!?」


「阻止パンチは、ただ異世界転生を阻止するだけではない……

 既に異世界転生している者の異世界ライフをも阻止する能力がある!!」


「な、なんだとっ!?」


 その時、カズキの持っているスマートフォンが鳴り響く。

 危機を感じたカズキは急いで電話に出た。


「カズキ様! 大変です! 城が何者かによって爆破されました!!

 金貨や財宝も何者かによって全て奪われたようです!!」


「なに!? 俺の城が!? 馬鹿な……」


「それだけではありません! 王様が自分の地位を返せと……」


「なんだと!? くそっ、今すぐ黙らせろ!!」


「それが、兵士たちは全員寝返ってしまいました……」


「なに……」


「フフフ、私も、もう貴方にはついていけません!!

 他の少女たちも満場一致です!! くたばれファッキュー!!」


 電話は切れてしまった……


「な、なぜなんだ……どうして……」


「隙あり! 異世界転移阻止ブラスター!!」


「ぐわあああああ!!」


 カズキは異世界へ強制送還させられた……

 その瞳には、涙が滲んでいた……


「今度は自分の力だけで地位を築くのだな」


「おのれ小癪な……こうなったら、ワシ自らが貴様を葬ってくれるわ!」


「あの……ここ教室なんだけど……」


「うるさいわ!! 神に指図するな!!」


「す、すみません……」



 ついに、自ら戦いの舞台へと昇った、神!!

 果たして、異世界転生阻止するマンの力は、神に通用するのだろうか!?

 頑張れ、異世界転生阻止するマン!!



 ※エンディングテーマ曲

『異世界転生阻止するマン・哀のテーマ』


 所詮独りよがりさ 何処かの誰かがそう言った

 チートも美女もハーレムも 俺には無いが心には

 正義の炎が 灯ってる

 古い男と人は呼ぶ それでも拳は錆びてない

 俺は逃げない 戦い続ける

 俺は 俺は 阻止するマン 異世界転生阻止するマン

 今日も誰かが呼んでいる……

 きっと誰かが呼んでいる……

 だから今日も戦う ただ独り ただ独り……

次 回 予 告


喜びがあれば悲しみもある。

だが、悲しみの果てに喜びが待つとは限らない。

苦難を往く男、異世界転生阻止するマン。

今、彼にとって最大の危機が訪れようとしている……


次回、『危機!! 異世界転生阻止するマン』!!

人と、神との違いとは何か……

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