1.登場!! 異世界転生阻止するマン!!
この作品はフィクションです。実在の人物、団体、作品とは一切関係有りません。
「はぁ……」
高校生山田太郎は悩んでいた!!
彼はクラスに馴染めず、孤独な青春を送っていたのだった。
そんな時!!
ブブーッッ!!!
「う、うわあああ!!」
猛進するトラック! 飲酒運転だ!
果たして、彼の人生はここで終了してしまうのだろうか!?
その時だ、一人の男が現れ、トラックの前に立ちふさがった!
「異世界転生! 阻止! する! マァァァァァーーーーーンン!!
とーーーーーうっ!! シュタッ!!
喰らえ!! 阻止パンチ!!」
ドゴォオオオン!!
凄まじい衝撃音とともにトラックが吹き飛ぶ。
運転手は恐らく即死だろう……
「大丈夫か、少年?」
「え、は、はい……」
「それは良かった! 君はトラックに轢き殺され、異世界に転生する運命にあった!
だが、安心するがいい。君の転生は私が阻止した!」
「そ、そうなんですか……」
その時! 天から不気味な声が響く……
「うぬぬぬ、異世界転生阻止するマンめ!
またしてもワシの転生者コレクションを邪魔するつもりじゃな!!」
「そ、その声は!!」
「え、誰の声?」
「ワシは神……」
「神!?」
「せっかくワシが気持ちよく、イケてない高校生や引きこもりを転生させて異世界で無双させる遊びをしているのを……何故貴様は邪魔するのだ!?」
「ふざけるな!! 人間は貴様の玩具ではない!!」
「フン……それは貴様のエゴだ。現にそのガキが生き残ったところで、無駄な高校生活を送るだけじゃ。
それなら、異世界でケモミミ美少女やエルフ美少女と楽しくキャッキャさせていた方が彼にとっても幸せなのでは無いか?」
「違う!! 読者はもうそこまでのテンプレ展開には飽きてるはずだ!!
それに、彼はホモかもしれないだろ!!」
「いや、それは違います……」
「分からぬヤツめ……まぁいい、そのガキはくれてやる。
どうせ、山田太郎なんて名前じゃ人気は出んだろうしな。
もっとカタカナ栄えする名前のガキを探すとしよう……
異世界転生阻止するマン!! 次ワシの邪魔をすれば命は無いぞ!
グワッハッハッハ!!」
神の声は聞こえなくなった……
「……ふぅ、今回も苦しい戦いだった」
「戦ってないですよね……」
「では少年、さらばだ! せいぜいイケてない高校生活を送れよ!」
「…………」
異世界転生阻止するマンは去っていった。
だが、異世界転生の気配あるところ、ヤツの影あり!!
神が転生者遊びに飽きない限り、彼は現れるだろう!!
戦え、異世界転生阻止するマン!!
次 回 予 告
異世界転生を阻止された山田太郎。
引き続きイケてない高校生活を送る彼の前に現れる、謎のエルフ美少女!!
彼女は山田をご主人様と呼び、本来異世界で出会う筈だったと語る!!
余計な女を始末する為、異世界転生阻止するマンも山田の前に再び現れる!!
そして、遂に神の刺客が異世界転生阻止するマンに襲い掛かる!!
次回、『愛と悲しみと異世界転生阻止するマン』!!
俺は異世界転生が憎いんじゃない! 高慢な神が許せないんだ!!