No.06 配属
入社式から1日の休みを挟む。
承継は自室でうだうだと寝転びながら、本を読んでいた。
デバイスの通知が鳴る。会社からメールだ。
【辞令】
中身を読むと、承継は自分が営業第6課に配属されたことを知る。
(第6課ってどんな感じなんだろう・・・)
そもそも営業が第何課まであるかも分からなかった。
新たに新着メールが届く。
同僚の灰城だ。
《営業第3課配属なったけど、ショーケーはどう?》
ショーケーとは灰城の名付けた承継のあだ名である。
《第6課だよ》
即座に返事が来る。
《なんだよー、残念!じゃ、また明日!》
承継も少しがっかりした。せっかくの顔見知りが出来たのだが、あの広い会社で課が違えば、関わることも少ないであろう。
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次の日。
ナンデモの自社ビルの22階。
そこに営業第6課があった。
フロアゲートを違和感なくくぐりぬけた。
社員以外がゲートを通ると、アラームが鳴る仕組みである。
「おはようございます!」
承継はどデカい挨拶をかました。第一印象は大切である。
・・・・
しーん、としている。
「あっ、新人クン」
小柄な年上の男が現れた。
「とりあえずあっちの部屋にいてくれ」
誘導された部屋に入る。会議室と書かれていた。
既に部屋には2人、おそらく自分と同じ新入社員であろう人間が座っていた。
「こ、こんにちは〜」
恐る恐る挨拶をする承継。
「座りなよ」
開口一番座らせる男。髪は僅かに茶色がかっている。
「うっーす」
もう1人は坊主の男だ。ガタイが良く、野球少年を想起させる。
ガチャ、と勢いよく開くドア。
部屋の入り口付近にいる承継はぶつかる。
「おそくなりました!」
微かに香る、甘いシャンプーの匂い。女子だ!
黒髪で後ろを結った女の子がいた。
そのまま、開いたドアから先ほどの小柄な男が現れた。
「はい、座って」
4人は座る。
「私は第6営業課の課長、剥離と言います。よろしくね」




