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カンパニーズ  作者: 大野春
chapter.01 新入社員
6/21

No.05 7と3

「おっ、今年の新人は優秀だな」

大柄の男が緑茶を持った2人に近づいてきた。


承継と灰城は大柄の男に一礼する。


「君が一等賞かね?」

「はい」

「どうやって?」


承継は説明した。

たまたま、入社式の朝にこのビルについて調べていたところ、ビル内に売店がある事を知った。

それを思い出し、エレベーターに乗り、緑茶を買い、戻ってきたのだった。


「君は?」


灰城は緑茶を他の人間から奪い、運行管理システムをハッキングし、他のジェットボードを止めた話をした。


「なるほど。どちらも素晴らしいね。1位の君は準備に優れていた、2位の君は実力が備わっていたんだね」


2人は褒められ、嬉しかった。


「まぁ、その昔から、仕事は段取り7割って言われているんですよ。まぁ、準備段階で決まる、と言うわけさ。1位の君が1位たる所以。一方、2位の君は3割のほうに特化して、仕事をこなした。それも凄いんだよ」


ははは、と大柄の男は笑った。


「7の君と、3の君が、今後この世代をリードしていくのかな?まぁ、頑張ってくれよ」


大柄の男は去っていった。


人事田が喋り出す。

「今のは営業部の束芋たばい統括部長だよ。君たち、嬉しい言葉を貰ったね」


灰城は悔しさが残った。

こんな、単純な事で1位になるなんて。ラッキーな奴だな。


「君、名前は?」

「うけつぐ。承知の承に、継続の継だよ」

「俺は灰城。次は負けない」

「まずは飲み比べでもする?」

承継はにこっと笑う。灰城もくだらない冗談に笑ってしまった。


この時代を担っていく二人が、初めて互いを認識した瞬間だった。


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