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カンパニーズ  作者: 大野春
chapter.01 新入社員
12/21

No.11 ブリキの兵隊③

就業開始になるや否や承継は乗間先輩のところへ駆け寄る。


「先輩!なんとなく分かりましたよ!」

「え?何が?」

乗間は全く別の業務をしていた。後輩の顔を見て、あー、あの案件か、と思い出した。


「カラスですよ!」


後輩が途端に野鳥の名前を出すので困惑する。


「はぁ? カラス?」

「たぶん、赤間さんのブリキのおもちゃはカラスが持ってったんですよ!カラスって光る物好きですよね?」

「はぁ。。。ってブリキのおもちゃはあんまり光らないと思うけどなぁ」

「昨日のデータを見せてくださいよ!」


乗間は昨日写真を撮った3Dデータを見せる。


「ほら、この銃剣の部分、塗装がなくて光ってるじゃないですか!」

承継は自分の仮説を伝えたくてたまらない。


「まぁ、ありえなくはないけど」

「赤間さんの家に監視カメラがありましたよね?あれを見せてもらいましょう。カラスが映っているはずですよ!」

乗間は黒縁メガネを片手で調整する。

(めんどくせーけど、行ってみるか)


ーーーーーーーーーーーーーーー


赤間は快く監視カメラの映像を提供してくれた。


承継の仮説は当たっていた。

窓を開けっ放しにしている。

カラスが1体のブリキのおもちゃを咥え、飛び立つ。


飛び立った直後、何を思ったのかカラスは咥えていたおもちゃを離した。広い庭の草の茂みに落ちていく。


探すと間もなく、仲間はずれになった兵士がいた。


「これで、元どおりになりましたよ」

赤間は喜んでいる。

「では、検収を」乗間が言う。

赤間の端末から、承継のNBCを読み取り、赤間は検収ボタンを押した。


この瞬間、ビジネスネットワークを介して、銭化東京のサーバーへ情報が反映される。連携して銀行経由で会社に電銭マネーが振り込まれた。

さらに連携し、承継の仕事の実績が反映された。


「ありがとうございました!」


承継は元気良く言う。初仕事達成の瞬間だった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


帰りのリニアで乗間が語りだす。

「お手柄だったな。仕入れ0電銭で、金だけ貰ったようなものだ」

「ふふふ、昨日寝る前に閃いたんですよ」

「ま、あまり、浮かれるなよ。今回はライバルがいなかっただけだ」

「運も味方にしたわけですね?」

承継は調子が良い。


「検収をして、振り込まれてまでが仕事だからな」

「はい、分かりました」

即座に承継はデバイスにメモをした。


「ちょっとは成長したな。飲み物ぐれー奢ってやるよ」


2人は寄り道しながら会社へ戻る。

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