4次元バス
人物
山田太郎(17) 高校2年生
田中新一(17) 高校2年生
太郎の友達
田中新一の母
A子 影
B子 影
〇バス停(夕)
オレンジ色の空。
屋根のついた小屋のようなバス停。
せみの鳴き声が聞こえる。
山田太郎(17)と田中新一(17)がベンチに座り話を
している。
バスが止まる。
扉が開く。
太郎「あれ?」
新一「どうしたの?」
太郎「ここのバスくる時間って10分置きじゃなかったっ
け?」
腕時計を見る太郎。
時計の針は4時44分を指している。
新一「そうだね」
と太郎の腕時計を覗き込んで言う。
新一「けどバスの時刻表には4時44分のバスがあるって書
いてあるよ」
壁に貼られた時刻表を見ながら指を指す。
太郎「本当だ」
壁に貼られた時刻表を見ながら言う。
太郎「でもなんで40分と50分の間だけ?」
新一「細かいことはいいじゃん」
太郎「そうだな」
鞄を持ち立ち上がる。
太郎「じゃあ、そろそろいくわ」
新一のほうを振り返って言う。
新一「うん。また明日」
手を振る。
バスに乗る太郎。
扉が閉まりバスが発車する。
〇新一の部屋(夜)
ベッドに寝転がりながらスマホをいじる新一。
ドアがノックされる。
母「新一ちょっといい?」
部屋に入ってくる。
新一「どうしたの?お母さん」
上半身を起こし母を見る。
母「新一さあ、山田君どこ行ったか知ってる?」
新一「太郎ならもうとっくに家に帰ったと思うよ」
母「それがね、今山田君のお母さんから電話あって、まだ
帰ってきてないらしいのよ」
新一「え!?本当!?」
母「警察も探してて大騒ぎみたい」
手に持ってたスマホで慌てて電話を掛ける新一。
電波の届かないところにいるというメッセージが流
れる。
電話を切ると
新一「バスに乗ったのは見たんだよな…お母さん行ってく
る!!」
と言い立ち上がり慌てて部屋を出ていく。
〇バス停(夜)
懐中電灯で照らし辺りを見回す新一。
辺りには誰もいない。
新一「やっぱりいないか…」
壁に貼られた時刻表を照らす。
新一「たしか4時44分の…あれ…?」
4時44分という時刻がない。
新一「そんな馬鹿な!?確かに…」
目を凝らして見る。
新一「どういうことだ!?」
大きく開いた目。
額からでる汗。
〇バス停(現在・夕)
オレンジ色の空。
屋根のついた小屋のようなバス停。
せみの鳴き声が聞こえる。
ベンチに座るA子とB子。
A子「そのあとね、新一君はバスの運転手さんに電話した
らしいんだけど、やっぱり4時44分のバスは無いって言
われたらしいよ。さらにね、その日は遅れたり早く到着
したバスもなく平常運転だったんだって」
B子「…ってことはそのバスは…?」
A子「知りたい?」
B子「え、うん…」
A子「そのバスの行先は4次元らしいよ」
B子「4次元?なんでそんなことわかるの?」
A子「それはね…」
笑みを浮かべる。
バスが止まる。
扉が開く。
A子「バスが来たから続きはまた今度ね」
B子「わかった。また明日ね」
手を振る。
鞄を持ち立ち上がるA子。
バスに乗ると扉が閉まり発車する。
B子「あれ?」
腕時計を見る。
時刻表には4時44分。
完




