表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
落ちた紅の花びら 〜A petal named Liselle〜  作者: マメ
1章 白い綻び編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/59

第8-2話 〜溢れゆく白い花〜


「ねぇ、リアンっ」

普段より強いクロエの呼びかけには、焦りの中に苛立ちが見え隠れしていた。

「すまない、考え事をしていた」

嘘がつけないのはリアンの生まれ持っての性格だ。


そしてクロエの提案で、二手に分かれて探す事にしたのだが、道ゆく人や脇で果物を売る人など、誰からも何の情報も得られなかった。

そして、お互い手掛かりのないまま、どちらからともなく先ほどの路地に戻ってきた。



焦るリアン。

エリーを思い起こしたことで、より一層不安が掻き立てられた。

ジリジリと苛立ちの波に煮えたぎるクロエの血は、彼女から理性を奪っていくのだった。

淡い金色の瞳が次第に、赤く赤くその色を変え、その身まで鋭い殺気の刃に包まれていった。


こんな時「落ち着け!」と言うのは火に油だ。

通行人に被害さえ出なければいい、

(もしも剣を抜きたければ、俺の血を流させよう)

そう心に決めるリアンだった。


そんな彼の冷静さに、いっそ怒りが込み上げるクロエ。

しかし、それがクロエを宥め沈めることになった。

(そうねこんな時に、怒りに任せている時じゃない!)

そう、今やクロエの心にはパウラへの想いが満ち溢れていたからである。



人は冷静さを取り戻した時、そこに光明を得るものだった。

「あっ!?あの娘、パウラの友達のパン屋の——」

クロエが指差す先には配達の帰りか、パンの入っていたであろう籠を、振りながら歩く少女がいた。


とっさに駆け寄るクロエ。

その勢いに怯え腰を引く少女。

「ねぇ、パウラを見なかった?」

と怖い声がした。

それでもその声は耳に残っていたが、いつもパウラに話しかけていた、その声はもっと優しかった。


(人違いか)

と思いながら見上げる少女。

「は、クロエさん!?」

「ねぇ、会ってない、こっちに来たと思うんだけど?」

「え、パウラならあの鞄屋さんの道をあっちに行きましたけど、行き先までは……」

「そう、何か言ってなかった?何でもいいわ」

「……あ、ガイサルが!?あの角から黒い服の人たちがこっちを見ていて……」

それにガイサルが凄く怯えた感じでパウラを急かしていたと言う。


不意に背筋を駆け抜ける悪寒に、リアンに鋭く視線を送るクロエ。


少女の顔を見ることなく、

「ありがとう」

と残し走り出すクロエが、指で行き先を差し示した。



光を削り取られた世界に、話しかけて来そうな壁のシミ。

カビ臭さがそう思わせるのか、今にも動き出しそうなシミに怯え、後ろを振り返るパウラ。

「どこまで行くの?こんなとこに来るなんて聞いてないもん」

幼馴染のガイサルでも、怒ったパウラを見たのは初めてだ。

「ごめんよ、もうすぐそこだから……」



ビクッ!

として動きを止めるパウラ。

彼女のお尻から頸に、ゾワゾワっとしたものを走らせるものがあったからだ。

それは、壁を突き破るかのような声だった。


「お前はそんなだからダメなんだ、使えない男だな」



明けましておめでとうございます。


新年早々に、重く暗い話からのスタートで申し訳ありませんが、今年も宜しくお願い致します。



みなさんも、私も暗く重いのは、この物語の中だけにして、実生活は明るく楽しく健康な毎日が過ごせますように——



飲み過ぎる私の胃が1番ヤバっ(^_^;)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ