王都へ
ウィルソン子爵領地から他の伯爵たちの領地を得て王都へと向かった。
同じく、父の命を受けた数名の近衛兵が各地へと向かった。
もちろん、デスサイス病の対策をとってである。
各地の状況と領主たちに人の往来を抑えることを伝達するためだった。私たち二人のことを考えて少しでも労苦が減るようにしてくれたのだ。
ただ、デスサイス病は私が思っていたより各地に広がり新しい治療方法が開発されている様子はなかった。
私とアスランは各地で治療をしながら王都を目指した。到着した時に領主には患者を一か所に集めるように頼んだ。
ある領地では魔法塔を解放しそこで人々を治療した。ある領地では領主の使われていない屋敷、所謂セカンドハウスに人々を集めて治療をした。
誰もが喜び、噂を聞いて待っている人々もいた。
「死者が出ていないのが救いだわ」
私は王都の手前の街道で馬車に揺られながらアスランに告げた。
アスランは微笑み「そうだね」と答えてくれた。
そして、田園地帯の少し先に王城と城下町を取り巻く城壁が見えた。
城壁の門は閉ざされ、私とアスランを乗せた馬車は門の前に立つ番兵の前で停車した。
番兵は厳しい表情で私たちを見ると告げたのだ。
「現在、王都への出入りは禁止してる」




