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○はじめての潜入任務(準備編)

「よし、落ち着いたか?」

いつの間にかイケオジになっているシンが言う。黙って頷くティオ。

「さっきこれから考えるって言ってたけど、そんなに時間はないで」

シンはホログラムを立ち上げる、少し説明するが、大丈夫か?

再度の確認に頷くティオ、ここから作戦会議が始まる。


-----


 エリは今どこにいるかと言うと、サヤカと一緒に黒龍会の支部の方に向かってるようやな、顔が割れてると言ってもタダでは転ばん、前回の潜入捜査な結局は黒龍会の派閥抗争を良い感じに利用した結果、何人かのホシをあげたっていう話や。

 つまりな、前回の抗争で一番理を得たところっていうのは、エリに貸があるってことや。エリはそっから攻めるわけやな。

 ほんで彼女ワイら監察官とは仲ええけど、麻薬取締課の中では浮いてるねん、なんでかって、あからさまに二重スパイやって思われてるからな。どこまでも執念深いというか、決まってるわ、どこまでやるねん。ホンマな。

 で、だ、面倒なのが、写真の女はどうも、その前回割りを食った側におるらしい。女の話だから案外さっさと情報が来るかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

 うまくいったら、我々の出番はない。でもまぁ、エリ一本だけっていうわけにも行かんやろ、実はチャンスが転がってきてるんやわ。それは何か。

 先日ある薬物の売人が繁華街で公務執行妨害で捕まったんや、あろう事かエリに手を出そうとしてな。アホやろ。

 で、そいつがナニモンなのかって言う話やけど、そいつが扱っているモノっていうのが、実は、黒龍会直系のある組の幹部の妾に直接卸てるって言う話やってん。その組が都合ええことに、今回の写真の女の組やねんな。つまりな、そこへ直接卸す「枠」が空いたねんな、これを利用せん手ェはない。

 一個だけ、ほんとに一個だけ気になるんわ、その妾さんな、最近姿見てないねん。でも、取引量も銘柄も変えてない、だから誰かが代わりにやってるねん、それはチャンスやと思って良い。

 いそがんとエリが危険を承知でやってることが無駄になる、黒龍会自体の目は絶対エリに向くからな。

 せやから、ティオ、お前が行くしかないねん。

 え?ワイが行かれへん理由?わかるやろ、この体はある程度自由効くけど、コントロール出来へんねん、だからいつオジさんになるか、女の子なるかわからへんねん。せやからな、潜入捜査とは一番縁がないねん、だから監察官やってんねん。ガッカリやわ。


----

「いや、ほんまそれっぽいな」

シンは感嘆する。

清楚系KPOPアイドルが非地雷系隠キャ女子大生の振りしてる役満スタイルみたいな格好しているティオではなく、ちょっとハイクラスを相手にしてる薬物の売人になったティオがいる。

おさげは解いて、ラフなウェーブ、ノーメイクだった顔は、紫系シャドウ、濃いめのリップ、瞳はやや濁った紫のカラーコンタクト、チョーカーと金の片耳ピアス。

トレードマークの灰色トレーナー、ミニスカ、ニーソは、黒のショート丈ジャケット、紫のラメ入りタンクトップ、黒スキニーパンツ、足元はヒールブーツとなっている。

黒のクラッチバッグ、スマホをバッグの外ポケットに挿してある、捕まったチャラチャラヘラヘラより良いモノを持ってそうな、女性の薬の売人がそこにはいた。

「は?当たり前だし」

え?口調までいけるの?

「でもそれはギャルっぽいな」

「は?あーしに意見するっての?」

「うーん、それは完全に路線がちゃいますよ」

「えー、おじさん細かいー。」

咳払いするティオ

「これならどうだろうか」

低く抑揚を効かせた声、薬は売るが自分はやらない、強さがある。

「悪くないね」

「そう、良かった。」


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