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○チャラチャラヘラヘラ、グダグダグダグダ、くねくねくねくね

 大したことのない犯罪なんてないが、いま目の前にいるチャラチャラヘラヘラした男については、大したことない人間の大したことのない犯罪だなって思っている。自分の意識は完全に別で、この、目の前にいる男だが、夜の繁華街で、制服を着た警官に囲まれてつつも、任意だの黙秘だの、言葉わからないだの、なんだと、グダグダグダ、くねくねくねくねしている。


ふと目があった気がした、とても煽られているような気がした、蔑まれているような気がした。経験からモノがある場所はわかる、服の下、左脇腹に密着させている。程度が低い。


わかってるんだ、気にしない。軽く笑みを返す。囲んだ警官も全員、その男に視線に先にいる私を見る。それは良くない。タイミングが悪い意味であってしまったかな。


その時男が走り出し自分の方へ走って来た。逆じゃないのか、私が組みやすいと思われたか。


男は右手を振り上げ私を捉えようとする、左手にはナイフがあるが、それはまだポケットの中。どこまでも程度が、程度が低いな。


自分の中でドス黒い笑みが溢れる。ちょうどいいや。


相手が振り上げた右手の内側をなぞり、左拳のカウンターねじ込む。

踏み込みは右足半分、その分右肩を引き、左手は真っ直ぐ。

相手の推進力が上乗せされるから威力は絶大。


相手の右頬骨を捉え、相手はそこ起点に宙に舞う。

効かせるために拳を引くのではなく、己の自己満足のために振り抜く。

左拳が相手を離れ、自分の体の前を流れ、左足が勢いに耐えきれず跳ね上がるが気にしない。


宙を舞った男は大の字になり、地面に叩きつけれられる。

跳ね上がった左足を地面につけて重心をそちらに寄せる、ナイフを持ちつつポケットに入ったままの左手を目の前に捉え、右足を振り抜く、足の圧力に負けてナイフがポケットを破り飛び出す、左脇腹があらわになり、白い粉が入ってた袋が見える。


男はまだナイフを離していない、ちょうどいい。

振り上げた足からの踵落としで、手首を粉砕する。


やりすぎた気がするが、正当防衛だろう。多分許される。

制服警官が駆けつけて取り押さえる。コイツは公務執行妨害で逮捕だ。良かったな、私が一応警官で。


でも、気分が晴れない。面白くない。

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