○ちょっとした後始末など
「で、飲み過ぎたと」
ベットの中でうめくエリにサヤカは呆れた様にいう。
「だってぇ〜、今回こそはほんとなんだもぉ〜ん、オエっ」
エグエグ泣くエリを諦めに近いが、優しくみるサヤカ。
「ウォッカに泡盛、ワインにウイスキー、相変わらずすごいですよね。」
空になった瓶を洗い片付ける。
「エマさんの事は大好きって分かりますけど、私にとってはエリさんが大事です、ほら立ってほら、仕事行きます?休みます?」
「いくぅ〜」
ベッドから這い出し、ドテッと落ちるエリを介抱する。
「ふぇ〜ん、サヤカぁ、抱っこぉ」
見慣れてしまったが、可愛いんだか何だか、職場の姿から想像出来ないエリの姿に愛らしさすら覚える。
それにしても今回は期待してもいいですよね、エマさん。お会いできたら嬉しいです。
「オエ」
「はいはい、吐くならトイレですよー」
ひと通り落ち着いた室内で、壁に貼られた写真や資料を見てサヤカが嘆息する。
「またこんなに調べたんですかぁ、いつやってるんですかほんとに、相変わらず片付けが絶望的ですね。これ、どうしたら良いかなぁ」
ハッと気づきエリに笑顔を向ける。
「そうだエリさん!ティオさんですよ、ティオさん!」
エリが軽い嫌悪の顔をするがサヤカは構わず続ける。
「全部ティオさんに整理して貰えば良いですよ、元プログラムですし、そうしましょうよ!」
二日酔とは別の頭痛がしてきた気がする。
「オエ」
いそいそとトイレに向かう。
「あの子かぁ、そうねぇ」
先日カフェに行った可愛い非地雷系陰キャ女子大学生風元プログラム人間を思い出す。
悪く…は….ない?
エリは一末の不安と共に吐瀉物の味がする口を濯ぐ。