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◯エピローグ その2


「なんで優木ハルカさんはあんな風なのですか?愛されていないってわかりませんか?」

 事件から少し経ち、監査係居室でデータ整理をしているティオが突然大きな声を出した。

「なんでいじめて来る相手にあんな風な態度が取れるんですか?」

 珍しくというか、初めて怒っているようにみえる。しかも本人はどうやらそれに気づいていないらしい。

「なんで庇うのですか?!どうしてナツメさんと戦うのですか!なんで逃げないの!」

 どうやら、私との最後のシーンを監視カメラ経由で見てるようだ。机をバンバン叩き、なんでええええ?と頭を抱え、掻きむしる。

 これがプログラムねぇ。本当に?まるで人間だよね。コレ。

「静かにしなさいよ、プロレス見てるおじさんじゃないんだから」

 私の隣に座るエリは投げやりに言う。事件以来、なんでかずっと一緒にいてくれる。あれを聞かれちゃったかな。今度ちゃんと聞こう。

「人って飛ぶんですね、それとボールみたいにバウンドしないんですね」

 何を言ってるのかと思ったが、多分私が彼女を投げたところだろう。

 あ!また大きな声がする。

「はい、終わり終わり。マフィアの顔を割るのにこのシーンは必要なんか?」

 事件以来ずっと美少女スタイルのシンがパソコンの画面を切る。

「えっと、でも、恋は盲目というのは情報として知っていますが、それを勉強したくて...」

 ほほう、三人とも同じ感想を持つ。シンが回答を促す。

「で、学んだ感想は?」

 掻きむしった髪を整え直し、ズレたメガネを直して、ティオは言う。

「それがこれだとは思いたくないですね」

 それはそうだ。三人とも同じ感想を持つ。

「そういえば優木さんは結局どうなるのですか?」

 改めてティオが聞く、要は優木ハルカは、事件の前に相沢に強制的に薬を投与され、まともな判断能力がなかったため、情状酌量の余地があると言う話だ。

「あぁ、それな。保護観察処分やわ、復帰できるかはその後、後遺症とかあるやろしな」

 あっけらかんという。ティオは我が事の様に喜ぶ。

 私も嬉しい。復帰するまでは長いかもしれないけど、その気があるなら応援するから。と。

「いや。いやっていうのもなんか違う気がするけど、優木ハルカ、毎日相沢へ面会に行ってるらしいんや」

 えぇぇ...、我々の顔から色々察したシンが言う。

「あんな。規則じゃ、あかんとはされてないし、相沢はあの一件以来すっかり気落ちして、全く生気がないねん。面会の時も優木ハルカの時だけ、ほんの少しリアクションや声が出るだけやねん。だからまぁ仕方ない部分あるやろ、お互いに。そのための保護観察処分なんやし、まぁ大丈夫やって」

 本当にそんなモンなんかな。まぁ何がきっかけでどうなるかなんて、自分自身にもわかんないよね。落ち着いたら、改めて向き合おう。私は幸いにも一人じゃなさそうだし。


---


 面会室に座る彼を見る。何にもなくった自分に何の用だ、という。私にとっては、彼が用事なので、用はある。他愛のない話をする。私以外は彼に寄りつかないらしい。だから私と話す事は気が晴れて良いらしい。回数を重ねる度に、彼の表情に血が通っていく様を見れてる。


良かった。とても良かった。


彼にもう虫はつかないべ、これから始まるべ、彼の二度目の生誕が、わたすだけしかもう見れないし、わたすだけが彼を見るんだべ。


貴方もわたすも、毒が無くなったら一緒に生きれるべ、その時までかんばるべ。


----


(2話終わり)


9/18 1箇所誤字を直しました。

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