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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2024年1月
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2024年1月21日

 水の跳ねる音だ。自動車の走行時にタイヤが飛ばす水の音。朝日の射さない部屋の中、布団にくるまって携帯で時間を確認する。雪だろうか?雨だろうか?聞こえてきた水の音では、判断つかない。ならば、起き上がってカーテンをあければいいのだが、布団の中が心地よい。

 だらだらと布団で過ごす。時間を確認するといつもよりも長くだらだらし過ぎた。あまり遅くまで寝ているのは、居候としてはまずかろう。少しの手伝いだけはやっておかねば、と起きる。

 外は雨だ。雪ではなかったので、いつもより暖かい。だが、雨で冷やされた風が、冬の冷たさをたたきつけてくる。

 1月の半ば過ぎにしては暖かいが、寒さは辛いものがある。昨年の今頃はどのように過ごしていたのか、覚えていないような思い出せないような、曖昧さに記憶がたゆたう。

 手伝いのために手を動かす。丁寧に綺麗に素早く、心がけだけでもしっかりと。流れてくるラジオは、いつもと変わらない声。日常に戻りつつある日常。変わらない日常に落とされた悲報も慣れに流されていく。

 雨が激しくなっていた。地面がぬかるみ、小川のように流れていく。この水の行方を追ってみたことなんてないけれど。いつかは空へ戻っていくんだろう。それが何百年後であったとしても。

 もう一度同じ雨に。そんな願いをしたことはないけれども。もう一度同じ空に。と願って叶うことはないのだから、たぶん同じこと。雨ですら一期一会。

 乳幼児の毎日が新しいことだらけ。そう感じた私も今日という日にははじめまして。それは誰でも変わらないことなんだ。

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