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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2024年1月
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2024年1月12日

 恩師と言える方が亡くなっていた事実を知る。

 お悔やみの手紙を書いたけれど、正しかったかどうかわからない。

 その先生の授業をとっていたわけではない。部活の顧問だったわけでもない。それでも、現在に続く私の中の疑問に一緒に考えて、話を聞いてくれて、議論した先生だった。

 あの時間は確かにあの時の私にとって救いになったし、今でも宝物のような時間だ。

 泣きわめきたいが、ひっそり泣く。

 昔はよく泣いていたのだが、泣き方がへたくそになったなと自分でも思う。泣き虫なのはかわらないのだが・・・。

 誰かが亡くなるというのは、必然ではある。人生の中で誰一人として知り合った人が亡くならないという人間は存在しないだろう。だからといって、寂しさとか哀しさとかがなくなるわけではないのだ。受け入れたくない事実でも、ゆっくり時間と一緒に受け入れて、流されて、自分の一部にしていく。

 大昔、食人という文化があった地域の、その食人の意味だけを受け継ごう。流石に行為は受け入れられないので。

 知っている一面を、受け取った感情を、与えられた時間を、大切にしよう。

 私は何度もこの世界に必要ではない人間なんだ。と言いながら、生き永らえている言い訳に、誰かに私の一部を伝えるために、そこに私が誰かから受け取った一部を入れていけるように。

 あっという間の命だったとしても、馬鹿みたいに長くなっても、誰かが誰かに何かを伝えている世界は変わらない。その一部品として生きていよう。そう言い訳してまた明日を生きよう。

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