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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2024年1月
83/723

2024年1月10日 語り゜

今日の投稿は、すでに投稿済みの『廃校の跡-あるひとコマ』を改稿したものです。

 『廃校の(あと)


 少年は雨が屋根を叩く音の中、校舎の3階の廊下を走る。本来ならば教室から出てくる誰かとか、校則に従って教師は、少年を止め叱るなり怒るなりするだろう。しかし、少年は妨害もされず一直線に校舎の端から端へと駆け抜ける。

「相変わらず早いったら」

少年の走りを少女は足を窓から外へと投げ出しながら見ている。何度も往復して走り続ける少年が止まるまで少女は見ていた。

 雨が小降りになった中、懐中電灯で足元を照らしながら、少年は帰途につく。

「よく飽きねぇよな」

誰に向けた言葉か、少年は苦笑交じりにつぶやく。


「明日もまた走るんでしょ?」

少女は真っ暗な教室から外を眺めて笑う。

「走らないの?」

答えは返らない。


 翌日、西に傾き始めた太陽と青空の下、誰もいない校庭を少年は走っていた。

「今日は外で走るんだ」

走る少年を3階の教室から少女は見下ろしていた。


「なあヒロ、まだ江小で走ってんだろ?気を付けろよ、あそこ、いつ壊れてもおかしくないくらいにボロいんだからさ。お前んちから近いから練習しやすいんだろうけど、何かあっても助けに行くには俺らじゃ遠いんだからさ。」

「わかってるよ。ありがとう。」

「ってか、お前も寮に入っちまえばいいのに~。」

「俺は寮に入れるほど、早く走れないって。」

少年たちの和気あいあいとした会話は続く。

2012/04/10作・投稿

2024/01/10改稿

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