表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2024年1月
80/720

2024年1月7日 詩

『忘れたころに』


 届いた手紙に書いてあった言葉はあっさり私を刺して

 書かれた文字を消したくて

 便箋をぐちゃぐちゃに握りしめようとする

 便箋をバラバラに破こうとする

 理性は確かに行動を決めるけれど

 心は追いつかなくて

 静かに封筒に便箋をしまう

 どうして

 なんで

 疑問なんて当たり前のようで不思議ではないもので

 便箋に書かれた言葉は残酷なものではないのに

 優しく幸せな言葉なのに

 私の心にはナイフでえぐるかのようなもので

 その言葉をナイフにしたのは私なのに

 その文字を凶器に変えたのは私なのに

 逃げたくても逃げられない場所にいるのは私なのに

 傷ついた心を無理やり隠して

 それを望むふりをして

 「ねぇ幸せですか」

 届かない言葉を未だに抱えているのは

 戒めなんかじゃないだろうに

 私の免罪符は諸刃の剣でしかない

 そうわかっているから隠れているのに

 忘れたい記憶を忘れさせて

 罪人は贖うことも許されませんか

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ