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2025年11月3日
昨日から七十二候、楓蔦黄。
今日の朝は吐く息が白くなっていた。
冬の風景である。いつのまにか夏の影すら遠ざかっていることに気付かされる。
窓を閉め、日差しに当たっている時は、暑くなってしまったくらいなのだが、日陰になれば途端に冷える。
秋の彩りはどこかに置き去りにされているような気分になるが、そもそも紅葉する樹木が身近に多くない。常緑樹か草花のほうが多いくらいだ。
まして農家の秋である。冬の収穫物のために、種をまき苗を植えていくのだから、緑にあふれていて彩りとはなんだろうか?
私の心がグラグラと揺れに揺れているのは、私が見ないふりをしてきた”何か”に手が触れてしまったような痛みを覚えているからだ。
解放されるものではないだろう。逃れられるものではないだろう。
私が助けてほしいと思う相手はもういないのだから。
どうにかこうにか”自立”しなければならない。・・・・ああ、感化されている。
だから”読書”は嫌なのだ。今とは違う”世界”に連れていかれてしまって、戻りたくなくなってしまうから。




