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2025年10月22日 毒+詩
『我がままなる死へ至るに』
終わりよどうぞ近付いてきておくれ
消えてしまう身は当たり前のように理に従い
炎の中に投じられて朽ちてしまえ
悲しみに沈むのは去っていく者ではなく
残り生きる者だけである
感情は風の中に散り散りになっていく
記憶の欠片は時と共に粉々になり
悠久のかなたに溶けていけ
一切の粒も残らなければいいのに
死神よその鎌を振り下ろして
己が役割を果たすといい
定められた期限の前であったとしても
何一つ存在の確定が出来る物を
残さず去り行くことは難しいだろうか
捨て去って消し去ってそれでも残るか
ああ名も骨も記録も
在った結果を示してしまう
いらないのに




