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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2023年12月
69/721

2023年12月27日 詩

 『満月と』


 一面白銀の世界

 人工的な明かりはなくとも

 足元を怖れぬくらいには明るい

 ゆらりゆらりと

 揺れる影は

 淡く青く儚く

 酔いのまわった身体を

 のんびりと進ませながら

 時折空を見上げて声をかける

 「寒いですねぇ」


 人通りのあるところは

 薄汚れ泥にまみれて

 アスファルトが

 ちらりちらりと輝く

 砕かれて入っている小石の

 ささやかなる主張だろうか

 街灯では見ることの出来ない

 限られた時だけのお楽しみ

 時折笑みを浮かべて声を出す

 「寒いですねぇ」


 眠りの中に世界が落ちたころ

 冷たい空気が転がって

 小さな団子を作っては崩していて

 誰も見ていないから

 誰も知らないまま

 お遊びが続いて

 ゆっくりゆっくり過ぎていく

 しんしんと空気は冷えていって

 そっとどこかで声がする

 「ああ寒そうだなぁ」

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