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ゆめうつつをつづる  作者: 稲波 緑風
2025年7月
631/722

2025年7月11日 詩

 『答えの出ないこと 人生の終わりまで続くこと 壊れていることを知っている』


 今はただあなたを思う

 恋ではなくとも

 愛ではなくとも

 今はただ心の中にあなたを宿す


 どうしても忘れられない人

 どうやっても記憶から消せない人

 未練だというのならそれでもいい

 後悔だというのならそれでもいい

 忘れてしまいたいだけだから


 苦しい思いをしているわけではない

 楽しい思いをしているわけではない

 ただ名前の付かない感情を持て余しているだけだ


 忘れてしまえば

 失くしてしまえば

 簡単なことなのに

 忘れることも

 失くすことも

 簡単には出来ない


 恋しているわけではない

 愛しているわけではない

 ではこの感情は何だろう

 名前の付けられない感情を

 もう何年抱え続けているのだろう


 そして

 あとどれくらいこの感情に惑わされて

 あとどれくらいこの感情に揺さぶられて

 生きていくのだろう

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